そこで、今日は、アメリカ大統領選を展望してみたい。
現在、民主党の候補者選びは、ヒラリー・クリントン氏と、バラック・オバマ氏の二人に候補者が絞られつつある。
一方の共和党では、各州の党員選挙のたびに1位が変わるという混戦の中、当初本命視されていた、ジュリアーニ元ニューヨーク市長が撤退を表明した。これはアメリカでは大ニュースだろう。
現在のブッシュ政権への不満と失望は大きく、両党の党員集会、選挙の盛り上がりは、民主党の方が圧倒的である。しかも2人の対決という構図で、有権者には非常にわかりやすくなっている。
この状況で進めば、大統領は民主党から選ばれる可能性は大きい。
もともと、アメリカでは、民主党の方が党員数が共和党の倍近く多い。しかし、保守として、財界や、宗教右派と結び付きの強い共和党は選挙で民主党に対等以上に戦ってきた経緯がある。
だが、ここで民主党のオバマ候補が、ブッシュ政治からの「チェンジ」を訴えて、民主党の若手有権者を掘り起こし、投票数でも、民主党の総数は共和党のそれを上回っている。
この状況と、全米世論調査で共和党では一番人気だった、ジュリアーニ氏の撤退により、ますます大統領は民主党から選ばれる可能性が高まった。
では、両者のどちらが勝つだろうか?その結果は、来週のスーパー・チューズデーで、全米の半数近い、22の州で党員集会、選挙が行われ、そこで結果が出るだろう。
私は、オバマ氏を応援しているが、たぶんクリントン氏が勝つだろう。なぜならば、まず、白人票はオバマ氏から離れる傾向にあるからである。黒人差別は依然アメリカでは根強い。
また、クリントン氏は、元大統領夫人として、ワシントンの政財界に強いコネがある。組織票での勝負は、クリントン氏に軍配が上がる。
しかし、2か月前の全米世論調査では、「大統領にしたくない候補」の1位はクリントン氏であり、その率は40%にも及んだ。その意味で、本当に国民の支持を得られるのか、一抹の疑問が残る。
いずれにしろ、来るスーパー・チューズデーで、決着はつくだろう。もし、オバマ氏が奇跡的に勝利を得れば、その勢いのまま、大統領にまで登りつめるだろう。
問題は、日本にとって、誰が、クリントン氏とオバ氏マのどちらが望ましいかである。
実を言うと、オバマ氏の外交政策はあまりよくわからない。ブッシュの戦争外交とは対極のようなイメージもあるが、パキスタンのアルカイダ拠点への爆撃も示唆しており、一概に平和主義者ともいえない。
クリントン氏は、間違いなく、ネオコン路線を維持するだろう。若干穏健になるだけである。
その中で、日本にとって重要なのは、日本へのアメリカの債務超過の問題と、中国への姿勢である。
前者については、クリントン氏は、ブッシュ政権以上に厳しい姿勢をとると思う。ブッシュは経済や外交には詳しくなく、ひたすら軍事力に頼った。その範囲で、日本がアメリカの戦費調達に協力し、アメリカの言いなりになっている限りでは、日本に文句は言わなかった。
クリントン氏は、そうはいかないだろう。もはや天文学的なアメリカの債務の問題は放置しておけない。その意味で、日本への要求が厳しくなるに違いない。
また、軍事偏重路線を転換するならば、アジア外交において、中国との接近をするだろう。ここで日本が対応を誤れば、アメリカは日本を二の次にして、対中融和を図るだろう。
つまり、ひたすら米国に服従していればよかったブッシュ政権時代とは違い、日本は、独自のポリシーを持ち、外交でしっかりとした姿勢を示さなければ、アメリカからも見放されてしまうだろう。
日本はアメリカ追従を徐々にやめ、うまくアメリカと中国の間で立ち回ることが生き残る道であろう。
