2008年05月10日

若者、特に非正規雇用の人々と連帯していくためには?

 今、NHKのニュースで、新宿で行われた非正規雇用の労働者を含む、若者のデモについて報道していました。受信料収入で、経済界からの圧力を受けないNHKは、ワーキングプアの問題などを含めて、民報よりも、良い報道をします。
 ただ、この報道では、新宿での1000人規模のデモが成功したように報道していましたが、偶然、そのデモに遭遇した知人の話では、警察の規制がものすごく、大きな団体のデモ行進よりも厳しい規制をしていて、トラブルもあったようです。
 福岡での同種のデモでは、デモに必要な道路使用許可を出していなかったらしく、警察に取り囲まれて、逮捕者も出たと聞きます。

 実は、先日参加した、9条世界会議後の飲み会でも、9条も大事だけど25条(生存権)もね、っという話題が多く出されました。
 ただ、その場で出た意見では、若者たちのデモは、歌ったり踊ったりのパフォーマンスが多く、都条例で(これはデモを弾圧するために作られた古い条例)要求している、整列行進、ジグザグデモ禁止などに違反しているのは事実で、現時点では連帯できない、という人もいて、議論が沸騰しました。
 この意見を述べた人は、別に警察側の意見を支持しているのではなく、古いタイプの労働運動を理想としていて、未組織労働者によるゲリラ的デモを、「あんな軽薄な奴ら」と切り捨ててしまうという人です。

 私は上記の意見には賛同できず、かなり議論しましたが平行線でした。
 正直、今の状態は、組合が御用組合化したり、出世のためには組合の役員を務めるなどという慣行が跋扈するようになり、組合活動が沈滞していることに問題があり、すでに組合がある大きな企業の正社員が、未組織の非正規雇用で苦しんでいる、若者に同情・連帯できないのでは、それは労働貴族の傲慢だと思います。

 非正規雇用の労働者は、非常に弱い立場にあります。すぐに解雇されてしまい、保険などもなく、劣悪な労働条件も飲まねばなりません。
 また、一時言われたことで、最近は疑問が呈されていますが、フリーターにネット右翼が多いという意見については、確かに、低賃金の単純労働で、中国などから来た人や留学生に職を奪われた経験がある人は、反中国思想をもつ可能性はあると思います。
 事実、ドイツで、非合法とされている、ネオ・ナチ(ノイエ・ナチス)に参加する若者は、トルコやイタリアからの低賃金でも働く労働者に職を奪われ、それに反感を持って、国粋主義、外国人排斥を叫んでいたものです。ベルリンの壁崩壊後の、東欧からの労働力流入の時も、本来弱い立場にある未組織労働者の方が保守化するという現象が起きました。

 もし、上記のような、既存の労働運動を至上とし、未組織労働者、非正規雇用の若者に連帯できなければ、その一部は国粋主義勢力に取り込まれてしまうでしょう。
 既存の労働運動の組織や教条主義にとらわれたり、若者の表現である、パフォーマンスが好みに合わないと言って、連帯を拒否するというのでは、労働者の活動として、あまりにでも偏狭では無いでしょうか?
 弱い立場にある未組織労働者たちが声を上げ始めているのに、その表現の仕方が気に入らない、若者の感性に同調できないとして、区別をするのは、それこそ非正規雇用を増やしてきた財界の思うつぼでは無いでしょうか?

 労働運動に、「こうでなければならない」というものは無いと思います。もちろん、基本的なマナーやルールは必要でしょう。無届で道路を占有して他の人に迷惑をかけては、一般の国民の支持も得られないかもしれません。ならばそう言うことを先輩の労働者としてアドバイスしながら、彼らのエネルギーを分けてもらって、沈滞した今の労働運動を立て直す方が良いと思うのですがどうでしょう?

 一時的に景気回復ということで、ここ2,3年は就職状況は良くなっていますが、それでも大卒でも3年以内に会社を辞める人が半数近くいると聞きます。より良い職場に転職できる人は少ない。体験者によると、転職するほど条件は悪くなっていくそうです。
 景気の先行きはこの先暗い。また、バブル崩壊後の15年近くの間、就職氷河期が続いた。その間、企業の都合だけで、正社員枠が絞られ、その結果、景気の良い時の正社員と変わらぬ能力を持ちながら、非正規雇用の職にしか就けなかった人々は多いのです。年齢層的には、22、3歳〜30代後半までの若者の階層が、これらの非正規雇用、ひいてはワーキングプアの状況に置かれています。

 これらの若者と連帯することこそが、今の沈滞した労働運動、高齢化する市民運動へ活力を取り戻すことになるのではないでしょうか?

 私自身は、別にプロレタリアート独裁を叫ぶ共産主義者では無いです。しかし、職を失っても生活を維持できるほどの金持ちでもない。ならばやはりワークシェアリングや、同一労働同一賃金などの制度を導入させるために、若者とも一緒に連帯して、実際に経済を支えている労働者の地位向上のために活動していくべきだと思うのです。

 非正規雇用の若者よ、連帯しよう。プレカリアートの問題に、みな関心を持とう。9条を守るためにこそ25条他の基本的人権も守ろう。
posted by 眠り猫 at 08:04| 東京 ?J| Comment(1) | TrackBack(1) | 政治

2008年05月09日

自衛隊員だって人間だ。連帯する気持ちを持とうよ。

 今日、現役の20歳の陸上自衛隊員が、国会に侵入し刃物で自殺未遂をしたそうです。
 詳細が公表されない(情報統制と思われる)ものの、この事件について、自衛隊員を批判する向きも多いようです。
 また、辺野古の米軍基地建設現場で、海上保安庁の舟艇が動員されていることへの批判も強いものがあります。

 確かに、その行為は、批判されるべきものがありますが、私は、今の政府のように、国民や、公務員のことを考えない腐った政府の手先として、職業としてやむを得ずインド洋に行かされたり、イラクに行かされたりした自衛隊員たちにも、同情と、それらをさせる権力者への非難の点で連帯できればと思っています。

 実は、9条世界会議の、第6分科会で発言された、早稲田大学の水島朝穂先生は、壇上に登る際、帽子と、Tシャツを持って上がられました(色もわかりましたが、それが原因で提供者が特定されないように、ここでは伏せます)。
 どちらもイラクに派遣された航空、および陸上自衛隊の部隊専用の物で、日の丸が描かれています。
 水島先生は、これを手に取りながら、「実際に派遣された人の中にも、自衛隊の海外任務に疑問を持つ人もいる。そう言う人がこれを私にくれるわけです。」とおっしゃり、国が自衛隊員を裏切り、あたかも捨て駒のように、海外派遣をもくろむ今の状況に、自衛隊員の中にも(ちなみに海外に派遣されている部隊、人員は、模範的な精鋭が選ばれています)、海外派遣に反対している人はいるのだと言ってました。

 私も同感です。
 私もつい先日までは、自衛隊憎しの感情をもっていました。
 ですが最近、他者への共感というものを大事にしようと思っているのですが、その視点に立つと、キャリア組の権力志向の隊長や命令する側の人間は別として、資格がとれるからとか、安定した国家公務員だから、という理由で自衛隊に入った人もいれば、国防を意識して入隊しても、海外の何も知らない国へ、政府の言うままに派遣されて殺し合いをさせられることに、疑問や不満を持つ人は自衛隊員にも多いでしょう。戦時には防衛大臣の指揮下に入る海上保安庁の職員も同様でしょう。

 私たちは、彼らをその制服によって差別し敵視するのではなく、国がアメリカとの交際費として、彼らの命を費消しようとしている現状に、彼らに連帯して反対の声を上げていくべきでしょう。

 右翼系の思想をもつ若い人と議論すると、私が、「ならば君たちが行くという気はあるのか?」と問うと、必ず「自衛隊に行かせればよい」という回答が返ってきます。
 つまり、彼らもまた「上から目線」で、自衛隊を自分たちの捨て駒という意識なのです。
 そういう連中の馬鹿な意見に耳を貸す必要はありません。自分は戦地に行かない前提での軍拡、海外派兵論など、机上の空論か、老人のたわごとです。

 一時盛んに言われた、「経済大国にふさわしい(軍事)貢献を」、という掛け声も、日本の景気が減速し、GDPで世界18位という現状に、太田経済担当大臣は「日本経済はもはや一流とは言えない」と言った今、通用する意見ではありません。
 そしてワーキングプアが増え、福祉年金はぼろぼろの状態なのに、核兵器を保有しない国家の中のでは一番多い軍事費を使って、アメリカ軍支援をしているのは、今の日本政府です。

 そもそも経済大国になったら軍事的貢献という名で、アメリカ軍のみへの協力をするという必然はもとよりありませんでした。「国際貢献論」を武力で行うということに正義はありません。
 ましてやそれを、他人(自衛隊)にやらせればよいと言い切る人々に、私は信を置けません。

 政府の言うことを鵜呑みにして、それをオウム返しにしているだけの連中の発言など無視して、私たちは、まともな感覚をもっている自衛官、警官、海上保安庁職員と連帯するべきです。
 いたずらに彼らを制服によって差別し敵視するのではなく、真に国民のための「警察」(広義で自衛隊、海保を含む)とは何かを考え、できればともに声を上げていくことを目指しましょう。

 こう書くと、必ず自称「自衛官」などが、自分は海外で戦う覚悟がある、などとコメントして来そうですが、まず本当に自衛官かどうか真偽が怪しい。
 また、警察にも、権力目的や思想が理由(「共産主義者を弾圧したい。」、高校の同級生でそう明言して、上級職を受けて失敗し、普通の刑事になった男がいました。)の人間以外、自衛官や警官の多数はどう思っているか?
 一部の権力亡者や、戦争狂以外には、国防という理由すら無い、無差別なアメリカ追従の戦争をよしとする人間の方が異常です。

 上記の水島先生のお話のように、職業として選んだら、後から国の方が勝手に海外派兵の動きを進めていることに憂慮している自衛隊員も多いはず。
 自民党は、自衛隊海外派遣恒久法の石波試案の中で、海外派兵して死傷者が出たり、今のアメリカでのイラク帰還兵の自殺やPTSDの問題が日本でも起きて、今でも定員割れ状態の自衛隊に、応募する人間がさらに減る場合は、徴兵制すら視野に入れて検討していることにも留意すべきです。
 これは憲法18条違反ですし、もとより9条に違反しています。憲法に違反という以前に、国民や自衛隊員にそこまで説明して行おうとしているのか、はなはだ疑問です。

 ということで、同じ国民として、「警察」の人たちとも、個人レベルでの連帯をもつ努力をしましょう。
 権力亡者や戦闘狂、武器オタクとは連帯する必要はないでしょうが、自民党の悪だくみの犠牲には、まずそういう人からなってもらいましょう。
posted by 眠り猫 at 22:55| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | 政治

2008年05月08日

(承前)第6シンポジウムの内容

 夜中に関東地方を襲った地震で、目が覚めてしまったので、昨日の記事では中途半端にした、9条世界会議での第6シンポジウムについて、断片的ながら、興味深い情報を列挙しておきます。

 その前に、5日に市民団体のブースで、6日のイベントに行くことを約束しながら、疲れていたのですっぽかした、差別反対運動者の皆さん、まことに申し訳ありませんでした。疲れ切っていたもので・・・。

 さて、前の記事でも述べましたように、この第6シンポジウムは、個性のある発言者が多く、まとまった議論というよりは、それらの発言者が、個々の意見を述べるという感じでした。

 まず、「発題者」としての品川正治さんと、水島朝穂さんの発言。
 品川さんは、ご存じの方も多いでしょうが、84歳という高齢ながら、自らの従軍体験を基に、現行憲法の重要性を各地で講演されている方です。
 品川さんは、穏やかながら、非常に重みのある語り口で、現在、権力者によって、憲法9条の旗はぼろぼろになっている。しかし、国民がその旗竿を手放さない限り、まだ負けていないのだ。という話をされました。また、「ここにもおられるだろうが、マスコミの責任が大きい」とも断言されていました。

 水島先生の話を聞くのは初めてだが、大変に面白い方だった。しかし、話はシビアで、特に、名古屋高裁におけるイラク自衛隊派遣違憲訴訟での違憲判決を高く評価し、それを無視しようとする政治家たちの姿勢を強く批判していた。高裁の判決はやめる間際の裁判官1人だけで書けるものでは無く、3人の裁判官の合議によるものである。また高裁で確定した判決を順守すべきは政治家であり、それを「傍論」云々というのは、後の裁判で言われるか否かということで、政治家は三権分立に基づき、この判決を尊重しなければならないと強調されていた。

 伊藤塾塾長、伊藤真さん、神戸大学大学院アレクサンダーさん、精神科医師香山リカさんのお話はそれぞれ興味深かったが、一番印象に残ったのは、コーディネイターである湯川れい子さんが、発言者全員に振った、「憲法9条を改正させ、戦争への道を進めようとしているのは誰か?」という問いに、品川さんらを含め、5名が答えたことである。
 ここで出されたのは、まず「アメリカ」という答えである。品川さんは、日米ともに「権力者」であると断言した。これに加え、その権力者を選出している、国民、市民自身にも責任があると意見が出された。
 これらは、ほぼ護憲派の共通認識だと思うが、特に市民の責任について言及されたのは興味深かった。この話を聞いた人は、多くは、「自分は違う」というかもしれませんが、現実に自民党という戦前の政治家の系譜を継いでいる、古い体質の反国民的行動をとる政党に、戦後60年も政権を与えてきたのは国民であり、その点を反省しなければならないでしょう。

 あと、雑駁になるが、湯川れい子さんが、「女性パワーに期待するなどといわれるが、男性自身はどうなのか?戦争を起こすのも行うのも男性では無かったか?この男性原理について、精神科医の香山先生どうぞ。」と振ったのだが、香山さんは、やや下品になるが・・、と言いながら、男は、たとえば精力剤で、80歳になってもビンビンです・・・。などというように、どこか誤った自尊心を持っている、と述べ、女性からすると、80歳でビンビンでも、それが魅力というとそういうわけでない・・・と来て、御歳84歳の品川さんがいることに気づき、あわててフォローを入れたりしていた。
 国粋主義者、軍国主義者、改憲主義者の多くは、老人であり、何か、誤った精力剤として、改憲・軍拡という妄執にとらわれているのでは?というのは面白かった。

 しかし、この話は、私個人にとってもなんとなくわかる話であった。
 私が、大企業エリート街道驀進中のころは、国政に対しての自分の努めは、一票の行使で十分と考えていた。しかし、過労うつ病をわずらい、会社でも窓際族に追いやられた私は、数年前から不十分ではあるが平和運動を始めた。それ以来、なぜか、街中の子供の笑顔が愛しい。、ニュース等で事故の報を聞いた時、死者が出ないかと気になり、もし出ると、まったくの他人であっても悲しくなる。特に被害者が子供であったりすると、ものすごく悲しい。
 以前の私が男性原理を体現して、既存のレールの上を驀進していたとすれば、今の私は中性的であり、他者への配慮や、痛みを感じることができるようになっている。私は今の自分に満足している。

 あと、最後に、ピースボート主宰の吉岡さんが、自らの体験として、日本がイラクに派兵して、アラブ諸国の国民の対日感情は明らかに悪くなった。また、紛争地帯に行き、9条の話をすると、99%の人が、それを望むと言うというお話を熱っぽく語られた。

 他にもさまざまなお話があったが、今のところまとまって思い出せるのはこの程度である。雑駁で申し訳ないが、これにて、とりあえず第6シンポジウムの報告としたい。
posted by 眠り猫 at 04:30| 東京 ????| Comment(2) | TrackBack(5) | 憲法

2008年05月07日

9条世界会議、2日目シンポジウム報告

 すでに、一部に流している文章を書き換えたものですが。
 5月5日、千葉、幕張メッセでの「9条世界会議」の2日目は、市民団体のブースや自主企画とは別に、主催者側が用意したシンポジウムが6つ行われました。
 しかし、同時に2つのシンポジウムが別の会場で行われ、それが2時間半ずつ、3回に分けて行われたので、1日中シンポジウムに張り付いても、3つのシンポジウムを見るのが限界でした。

 私は、第2シンポ「アジアにおける9条」と、第6シンポ「9条の
危機と未来」に出席しました。 どちらも満席状態で、立ち見、座り見が出る状況でした。  第2シンポでは、ドイツ人、韓国人の方がパーソナリティで、パネリストとして、フィリピン、中国、日本、台湾、中国の方が、それぞれ、9条と、アジアにおける紛争の問題、日本の置かれた立場や、今後行うべきことについて述べられました。 日本の戦後の政府の姿勢、謝罪や歴史問題を直視することへの発言は、右翼がもっとも嫌うところですが、現に、被害国の方にそのような心情がある以上、アジアの連帯を願うなら、東アジア共同体構想を進めるのなら、それらの感情に向き合うことは、避けては通れない道であり、国内で歴史を改ざんして済むものでは無いと思いました。 印象に残ったのは、アメリカから来たジョセフ・ガーソンさんが、淡々と戦後の日米関係の歴史を述べながら、アメリカの要求に日本政府が答える形で、憲法9条の空洞化が進められ、軍事同盟化が進められてきた事を述べ、それがかえって、現実の重さとして、痛切に感じられました。
 また、台湾から来られた、チェン・ジョウファさんは、哲学者として、アジア的哲学の中に、諸子百家のひとり、墨子の、「兼愛」、「非攻」(非戦)という思想があったことを述べ、憲法9条に通じるものとして、またガンジーの無抵抗運動をひき、アジアには、もともと非暴力の思想があり、9条もまたその延長上にあるという意見も興味深かったです。
 他の方の意見も、自分では知っているつもりだったことでも、他国
の人、当事国の人が述べると、角度も重さも違い、感銘を受けました。

 その場の壇上には、ドイツ人、韓国人、フィリピン人、アメリカ人、日本人、台湾人、中国人と、15年戦争、太平洋戦争で、加害国、被害国、当事国だった国々の人がそろっており、各々の方の発言は興味深いものでした。

 第6シンポジウムでは、ピースボートの吉岡達也さんと音楽家の湯川れい子さんをコーディネーターに、「発題者」と言う名で、経済同友会終身幹事の品川正治さん、早稲田大学の憲法学の教授、水島朝穂さんがおり、さらにパネリストとして、香山リカさん、弁護士で伊藤塾塾長の伊藤真さん、神戸大学大学院のロニー・アレキサンダーさんら、個性豊かな顔ぶれで、このイベントを締めくくる人気シンポジウムとなり、500席定員に、座り込んでみる人も大勢登場し、800名近くは入られたと思います。

 実は、私はメモを取らない人なので、この個性豊かな人々が、それぞれなりに述べたことを逐一記録していません。ですから、整理ができていない状況なので、おいおいまた述べていきたいと思います。ギリギリ下ネタまで、幅広く話題が出て、大変に面白かったのは事実です。早稲田の水島先生も、マシンガンのような早口でギャグを飛ばす、ピン芸人でもやっていけるのではと言うほど笑いを取りつつ、鋭い発言をされました。

 最後に一つ付け加えると、今後、日本の各地で、品川正治さんの講演会が行われると思います。まだ一度もご覧になっていない方は、ぜひ、一度お話を聞かれると良いと思います。
 内容もさることながら、その戦争体験に裏打ちされた言葉は、腹にパンチを食らうように重く響きます。

posted by 眠り猫 at 19:20| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | 憲法

2008年05月06日

映画、「靖国」無事上映開始

 今更この問題をつつくのは、少々ピントがぼけているとは思う。
 特に、昨日も、千葉の幕張メッセで行われた、9条世界会議に出席し、2つのシンポジウムに出席し(合計5時間)、各ブースも見て回り、熱い議論を交わし、夜はあるグループのオフ会でさらにディープな話をした後で、今日はまだ、昨日の内容やそこで話されたことについて、きちんとご報告するだけの整理ができていない。
 ただ、今言っておきたいのは、第6シンポジウムに出席し、最初にご発現された品川正治さんのことばは、腹にボディブローを食らうように重く感じられたことをとりあえず申し上げておく。
 9条世界会議の2日目の報告はいずれまた。

 さて、GWのさなか、5月3日の土曜日の時点で、話題となった、映画「靖国」の上映が、一部の映画館で始まった。私は、未見であるので、もちろん映画の内容についてどうこう言える立場にはない。
 ただ、世界会議の会場で耳にしたのが、すでに見てきた人の言葉で、非常に良かったという評価と、初日満席であったと言う情報である。今朝の新聞では、2回目の上映も満席状態だったそうで、盛況が続いているそうである。今後全国23の映画館で順次上映予定だそうである。

 この件が話題となったのは、小泉チルドレンで、南京百人斬り(はなかった)訴訟で最高裁敗訴確定の右翼弁護士稲田朋美が、最初に騒ぎ始めたのがきっかけであった。
 のちに自民党幹部からも、国政調査権について誤った使い方だと批判されたやり方で、映画「靖国」は、反日的映画では無いか?それに文化庁が補助金を出したのは問題ではないかと言いだし、国会議員有志による試写会の開催を要求したことに端を発する。
 当初、愛知での上映を予定していた映画館でも上映中止を一時は決め、この際、某巨大掲示板に、日本の右翼組織のトップ、日本会議の愛知方面の構成員が、上映を止めさせたことを誇らしげに報告する文章が載せられたこともあった。ただし、私は某巨大掲示板に信を置いていないが。

 しかし、この右翼系団体による、公然の、あるいは暗黙の恫喝により、大阪を除く各地の映画館で上映中止または延期の措置が一時は決まった。この時点での公開予定をしていた映画館は6館であった。
 この事態に、新聞各社、さらに「表現者」と言う名の下に、多くの作家、ジャーナリストが合同で記者会見を開き、言論、表現の自由への侵害ともなる行為を国会議員が志操する形で、右翼組織の圧力で行われたことへの強い反発と懸念を伝えた。新聞協会などもこれを全面的に支援した。
 この状況に、逆にうちの映画館で上映しようと言うところが増え、当初予定の6館から、全国で23(28と言う情報もあるが未確認)館に増加し、稲田朋美の行動は、完全に逆効果となった。

 しかし、さらに自民党議員による介入が続く。有村治子参議院議員が、映画の主要登場人物である「靖国刀」を打ち続けてきた刀工は、監督にだまされて出演したものであり、本人は自分が出演しているシーンを削除してほしいと言っていると言い出し、確かにテレビ取材に応じた刀工は、その旨の話をしていた。ただ、この部分については、李監督と刀工側の言い分に違いがあり、発言だけではどちらが正しいとも判断できないし、撮影に協力した事実はあり、それが監督にだまされたものだというのなら、上映の差し止め請求を行ったり、撮影前の契約で「意思の錯誤があった」と、自ら法廷で立証しなければならない。それが行われなかった以上、上映は予定通り行われる。

 恥をさらしたのは靖国神社である。10年間にわたっての、終戦(敗戦)記念日の靖国神社の様子を、ナレーションなしで描いたというこの作品に、「撮影の許可が無かった」、「ルールを守らなかった」などと言う主張で、具体的にどのような事実があったかは一切述べずに、映画から神社の情景を削除するように求めたのである。
 しかし、以前にも述べたように、これでは根拠不十分であり、10年間撮影隊がすることを放置しておいて、今更言い出すのもおかしいし、公共に公開され神社と言う場で、撮影を行うことに、事前に通知、告示しておかずに、撮影したのはおかしいと主張するのは、恣意的であり法的に認められるものでは無い。
 実際4月26日を、配給元への回答期限としていたが、それ以前に配給元は削除しないことを決め、公表したが、結局上映が3日に開始されるまで、靖国神社は、法的措置(上映停止の仮処分申請など)を取らなかった。負けるのが分かっていることをして、恥の上塗りをすることを避けたのであろう。

 映画を見ていない私がこの事件を問題にするのは、稲田朋美、有村治子と言う、国会議員が、単に中国人監督が撮影した靖国神社に関する映画と言うことで、国政調査権と称して事前の試写会(憲法で禁止している検閲に限りなく近い)を開かせ、それと共謀してか別の動きかはわからないが、右翼団体による恫喝行動を引き起こし、表現の自由が脅かされたことに最大の問題がある。

 普段は政府系言論の主役ともいえる田原総一郎までもが参加しての、表現の自由への攻撃への反論が展開され、マスコミ団体もこれを支援し、結果的に当初の4倍近い映画館で上映されることになり、映画の宣伝効果も抜群と来て、極右の稲田朋美らの軽挙妄動は、逆効果となって表れたのである。

 今後、まだ円滑な上映が続けられるか。刀工や靖国神社が損害賠償を含めた何らかの法的措置をとるかなど、ありうる問題はまだあるが、とりあえず、表現の自由への侵害に屈することなく、映画上映が滞りなく行われたことに安堵をおぼえる。
posted by 眠り猫 at 06:45| 東京 ??| Comment(1) | TrackBack(2) | 政治

2008年05月05日

9条世界会議、初日報告

 おはようございます。現在、5月5日、朝の6時前。
 9条世界会議が開かれている、千葉の幕張メッセの近くのホテルの一室でこれを書いています。

 昨日は、このイベントの始まりを祝う、メインイベントが、幕張イベントホールで開かれました。
 私は、知人達との待ち合わせに使う携帯電話を自宅に忘れてしまったので、あわてて取りに戻りましたが、会場についたのはすでに開会のあとでした。
 実は、一昨日参加した日比谷の憲法集会で、9条世界会議のチケットを売っていたので、ひょっとすると人が入っていないのではないか?閑散としていたらどうしよう、などと考えていたのですが、あにはからんや、私がついた時すでに会場は満杯で、入場規制が行われていたほど。入れなかった人々数千人が入口にあふれるという状態。
 正直、昨日のイベントはセレモニー色が濃く、参加できなくても構わないと思っていたので、このイベントが会場から人があふれるほど人が集まったことに喜びすら感じました。

 事務局の行動によって、中での講演をすでに終わらせた講演者たちの一部が、隣接する公園で再度スピーチをするということなので、そちらに移動した人もかなりいました。
 私が所属する護憲団体では、第一部の終了(16時ころ)に、全員が外に出て、オフ会をすることになっていたので、私は会場入り口近くにいたまま、メンバーが出てくるのをまっていました。
 当初の待ち合わせ場所は、会場内のエントランスホールだったため、集合がどうなるか心配でしたが、取りに戻った携帯電話のおかげで、何とか全員集合でき、近くのレストラン街に向かいました。

 第一部で外に出た人と入れ替えで、中入った人も2000人くらいはいたようです。
 私にとっての本番は、今日行われる分科会と、夜に行われる別の団体のオフ会の方なので、昨夜はそうそうに切り上げ、熟睡の上、現在パソコンに向かっています。
 昨日の状況をみると、今日も早めの行動が求められると思います。

 正直、ブースでの各種物品の販売やDVD上映会をしていた人も数多くいるわけで、それらを合わせると昨日は1万人を大きく超える人が集まったのは喜ぶべきことだと思います。
 特に若い人が目につきました。
 ネット右翼の正体は30代の比較的生活が安定している人、っというのは事実かもしれません。昨日の参加者の年代は、5、60代が一番多く、次が20代でしたでしょう。若ものが憲法に関心を持ち、GWのさなかにデート感覚で憲法集会に来るというのは、喜ぶべきことだと思います。

 ただひとつ、会場定員7000人でそれ以上は消防法で入れられないというのなら、チケットをそれ以上発行したのは、事務局は少し行き過ぎだと思いました。払い戻しはしていましたが、それなら、最初から8,9000枚程度の販売でやめるべきではなかったかと思いました。

 さて、今日は昼からの分科会を3つはしごします。終わるのは夜7時くらいですが、そのあと、全国から集まった人々での飲み会があります。
 私は今日も同じホテルに泊まる予定なので、今日はとことん行きたいと思っています。
 分科会でも、機会があれば発言したいと思っています。
 では、続報をお待ちください。

posted by 眠り猫 at 06:03| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(5) | 憲法

2008年05月03日

憲法記念日に寄せて。「攻撃的護憲論」の提唱

 今日は、現行憲法施行から、61年目となる憲法記念日です。
 毎年、護憲派、改憲派の集会が開かれますが、改憲派の集会は、旧態然たる顔ぶれに、動員された横浜の右翼系高校の学生たちが参加しているというもので、市民の力で盛り上がる護憲集会に比べ、その凡庸さは批判されてしかるべきですが、マスコミの扱いは同等です。
 まぁ、そんなことは今はどうでもよいことで。

 コイズミ郵政選挙で、たなぼた式に衆議院で三分の二を取った自民党は、次は参議院で三分の二を取れば改憲が発議できると意気込み、舛添現厚労相が中心になってまとめた、自民党新憲法草案を発表し、参議院選挙では、改憲に妄執を燃やす安倍を選挙の顔として昨年7月の参院選に臨みました。
 安倍自身は改憲も争点と言っていましたが、現実には年金の給付漏れが発覚し、自民党に猛烈な逆風が吹いて、安倍自民党は、結党以来とも言われる大惨敗を喫しました。三分の二どころでは無く、野党に参議院の過半数を取られてしまったのです。
 私は、この結果は、年金問題もさることながら、教育基本法、国民投票法などで、強行採決を繰り返し、国民生活への視点を全く持たなかった安倍内閣への批判票もかなりあったと考えています。つまり、国民は改憲を望んでいないと。

 この選挙の結果、自民党は参議院で過半数を得るだけでも、2010年、2013年の参議院選挙で勝利しなければならず、三分の二など、遠い話です。今すぐの改憲は、遠ざかったとみて良いでしょう。

 先日発表された読売新聞での改憲に関する世論調査では、改憲反対が、わずかながら賛成を上回りました。昨日発表された日経新聞の同様の調査では、5%ほどの差で改憲賛成が上回りました。
 「改憲反対か賛成か」と問われれば、進歩的、リベラル的改憲を望む人も含まれるので、必ずしも自民党が望む改憲派が多数というわけではありません。

 注目すべきは、憲法9条に関する意識調査で、読売では80%を超える人が、9条1項の平和主義を支持していますが、陸海空の三軍の保持を否定し、国の交戦権を否定した9条2項支持は55%になっています。この差は、自衛のための軍備を必要とする人の意識の現れだと思います。

 現在、具体的な改憲の蓋然性は遠ざかったとはいえ、今後、自衛隊派遣恒久法など、本来は違憲の法律が次期国会に上程される見通しです。憲法の外堀を埋めようという動きです。そして、最高裁への人事権を濫用しての、行政(総理大臣)による司法への介入がある以上、最高裁は憲法判断を避け、違憲立法審査権を行使せず、行政府の言いなりに、派遣恒久法のような違憲法規の乱立を容認し、なし崩し的解釈改憲が進むでしょう。それも、「自衛」 の名の下に。

 ここで私が提唱したいのは、自民党の新憲法草案の内容を、国民に広く知らしめ、その欺瞞を的確に指摘し、自民党の国民2極支配(支配者と被支配者)という目的をくじくための批判を広く展開することが得策だと思うのです。

 9条について言えば、自民党の草案では、1項の平和主義は残すものの、前文と2項を改変し、自衛軍の存在と、その海外派兵を可能にしようとしています。それは自衛隊派遣恒久法との合わせ技で、アメリカが自衛のためと称してアフガニスタンに侵攻し、同様にイラクに侵略したのと同じ理屈で、世界中で自分の都合で戦争を始められるようにするもので、本来的意味の「自衛」ではありません。
 また、派遣恒久法では、徴兵制を視野に入れています。これは現行憲法18条の「苦役からの解放」に違反します。つまり自民党の軍事戦略は、言葉を飾っているだけで、結局は、軍を保有し、海外へ侵略的出兵することを可能にするものです。
 その欺瞞を暴かねばなりません。

 さらに、12条、13条への改変で、基本的人権が、今までの公共の福祉による制限ではなく、行政府の都合で制限できるように改変される事実ももっと明らかにして、攻撃すべきです。
 自民党の草案では、そのあとに環境権などの「飴」が列挙されて、一見、人権が拡大したように見せていますが、実際には、12条、13条改変により、それらの人権も、行政府、立法府の一方的都合で、制限されるものとなり、自衛軍が訓練をするから、貴方の家を壊します、補償はしません(「お国のためだぁ」)。っという理屈もなりたつ条文にしています。

 また、現行憲法の立場からも、今のワーキング・プア、ネットカフェ難民、高齢者への負担増などの、コイズミ・カイカクのつけが、人間の生活と尊厳を踏みにじる状況になっています。これは25条の「生存権」の精神が踏みにじられているのです。

 以上のように、自民党の新憲法草案は、良く読むと、反国民的で、為政者の都合で、国民の生命、生活、財産を平気で踏みにじる内容のものだということを、今は改憲が発議できない状況に安心しないで、今のうちに徹底的に攻撃し、たたいておくべきだと考えます。
 これは、護憲団体の内輪の活動だけでなく、弁護士会や、消費者団体など、あらゆる国民の立場に立った組織で幅広く、緻密に行うべきだと考えます。

 私は、明日、明後日に、千葉の幕張メッセで開かれる、「9条世界会議」において、発言の機会があれば、この意見を述べるつもりです。9条護憲を唱えているだけでは、自民党の草案に負ける可能性があること。そして、9条だけでなく、他の自民党の草案をたたくことにより、その薄汚い野望を砕き、結局は9条護憲に結びつける、「包括的護憲運動」を提唱します。

 私自身は、過去にも述べたように、進歩的改憲に賛成で、専守防衛の自衛隊を持つことも、国民が望むのならば容認する意見の持ち主です。しかし、それは自民党の草案とはかけ離れたものです。自民党の、自分たちの利権あさり。反対意見の封殺を目指す、新憲法草案を葬り去るために、今のうちから、攻撃をするのです。
 それがひいては9条護憲につながり、そのあと、私の意見のような、進歩的改憲について議論すべきだと考えます。
posted by 眠り猫 at 05:45| 東京 ?J| Comment(2) | TrackBack(3) | 憲法
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