ただ、この報道では、新宿での1000人規模のデモが成功したように報道していましたが、偶然、そのデモに遭遇した知人の話では、警察の規制がものすごく、大きな団体のデモ行進よりも厳しい規制をしていて、トラブルもあったようです。
福岡での同種のデモでは、デモに必要な道路使用許可を出していなかったらしく、警察に取り囲まれて、逮捕者も出たと聞きます。
実は、先日参加した、9条世界会議後の飲み会でも、9条も大事だけど25条(生存権)もね、っという話題が多く出されました。
ただ、その場で出た意見では、若者たちのデモは、歌ったり踊ったりのパフォーマンスが多く、都条例で(これはデモを弾圧するために作られた古い条例)要求している、整列行進、ジグザグデモ禁止などに違反しているのは事実で、現時点では連帯できない、という人もいて、議論が沸騰しました。
この意見を述べた人は、別に警察側の意見を支持しているのではなく、古いタイプの労働運動を理想としていて、未組織労働者によるゲリラ的デモを、「あんな軽薄な奴ら」と切り捨ててしまうという人です。
私は上記の意見には賛同できず、かなり議論しましたが平行線でした。
正直、今の状態は、組合が御用組合化したり、出世のためには組合の役員を務めるなどという慣行が跋扈するようになり、組合活動が沈滞していることに問題があり、すでに組合がある大きな企業の正社員が、未組織の非正規雇用で苦しんでいる、若者に同情・連帯できないのでは、それは労働貴族の傲慢だと思います。
非正規雇用の労働者は、非常に弱い立場にあります。すぐに解雇されてしまい、保険などもなく、劣悪な労働条件も飲まねばなりません。
また、一時言われたことで、最近は疑問が呈されていますが、フリーターにネット右翼が多いという意見については、確かに、低賃金の単純労働で、中国などから来た人や留学生に職を奪われた経験がある人は、反中国思想をもつ可能性はあると思います。
事実、ドイツで、非合法とされている、ネオ・ナチ(ノイエ・ナチス)に参加する若者は、トルコやイタリアからの低賃金でも働く労働者に職を奪われ、それに反感を持って、国粋主義、外国人排斥を叫んでいたものです。ベルリンの壁崩壊後の、東欧からの労働力流入の時も、本来弱い立場にある未組織労働者の方が保守化するという現象が起きました。
もし、上記のような、既存の労働運動を至上とし、未組織労働者、非正規雇用の若者に連帯できなければ、その一部は国粋主義勢力に取り込まれてしまうでしょう。
既存の労働運動の組織や教条主義にとらわれたり、若者の表現である、パフォーマンスが好みに合わないと言って、連帯を拒否するというのでは、労働者の活動として、あまりにでも偏狭では無いでしょうか?
弱い立場にある未組織労働者たちが声を上げ始めているのに、その表現の仕方が気に入らない、若者の感性に同調できないとして、区別をするのは、それこそ非正規雇用を増やしてきた財界の思うつぼでは無いでしょうか?
労働運動に、「こうでなければならない」というものは無いと思います。もちろん、基本的なマナーやルールは必要でしょう。無届で道路を占有して他の人に迷惑をかけては、一般の国民の支持も得られないかもしれません。ならばそう言うことを先輩の労働者としてアドバイスしながら、彼らのエネルギーを分けてもらって、沈滞した今の労働運動を立て直す方が良いと思うのですがどうでしょう?
一時的に景気回復ということで、ここ2,3年は就職状況は良くなっていますが、それでも大卒でも3年以内に会社を辞める人が半数近くいると聞きます。より良い職場に転職できる人は少ない。体験者によると、転職するほど条件は悪くなっていくそうです。
景気の先行きはこの先暗い。また、バブル崩壊後の15年近くの間、就職氷河期が続いた。その間、企業の都合だけで、正社員枠が絞られ、その結果、景気の良い時の正社員と変わらぬ能力を持ちながら、非正規雇用の職にしか就けなかった人々は多いのです。年齢層的には、22、3歳〜30代後半までの若者の階層が、これらの非正規雇用、ひいてはワーキングプアの状況に置かれています。
これらの若者と連帯することこそが、今の沈滞した労働運動、高齢化する市民運動へ活力を取り戻すことになるのではないでしょうか?
私自身は、別にプロレタリアート独裁を叫ぶ共産主義者では無いです。しかし、職を失っても生活を維持できるほどの金持ちでもない。ならばやはりワークシェアリングや、同一労働同一賃金などの制度を導入させるために、若者とも一緒に連帯して、実際に経済を支えている労働者の地位向上のために活動していくべきだと思うのです。
非正規雇用の若者よ、連帯しよう。プレカリアートの問題に、みな関心を持とう。9条を守るためにこそ25条他の基本的人権も守ろう。
