すでに報道などで、ご存じの方も多いでしょうが、昨日は、太平洋戦争末期、日本で唯一の大規模な地上戦が行われた、沖縄戦の組織的な戦闘が終結したとされる(日本軍の沖縄駐留軍の司令官が自決したため)日で、県が定めた「慰霊の日」とされています。実際には、その後も散発的な日本軍の抵抗が続き、すべての戦闘が終結したのは9月になってからでした。
この日の慰霊の式典が開かれた、摩文仁平和祈念公園には、「平和の礎(いしじ)」という石碑に、戦没者の名前を刻まれており、そこには、日本人だけでなく、戦死したアメリカ兵、日本の軍属として従軍した韓国人らの名前も刻まれています。
昨日の式典には、福田首相と、衆参両院の議長が出席し、特に、河野衆議院議長の演説では、沖縄を捨て石としたのではないかということへの哀悼と、米軍基地の返還は国家としての課題と述べたことで、自民党議員(議長になるにあたり党籍離脱しているが)とは思えない、踏み込んだ発言をしたことが注目されます。
思えば、昨年は、教科書検定で、沖縄戦での集団自決への軍の強制を認めないという動きがあり、沖縄県全体が激怒しました。
また、同じ問題で、大江健三郎の「沖縄ノート」と、故・家永三郎氏の研究における記述に対して、座間味島と渡嘉敷島の守備隊長や遺族が、集団自決の命令を下したことはないとして、名誉棄損等の損害賠償訴訟を大江氏と岩波書店に対して起こしていた訴訟で、大江氏ら側勝訴とする判決が大阪地裁でありました。実際、事実関係は別として、原告両名ともに、「沖縄ノート」を読んだことがないことが明らかになるなど、支援している右翼組織がそそのかしての訴訟であったことは明らかで、大江氏勝訴は当然と言えるでしょう。
支援している右翼組織とは、「新しい教科書を作る会」などの歴史改竄主義者たちです。
歴史改竄主義者は、依然、これらの問題に拘泥していますが、はっきり言って、過去の歴史を改竄しようとしても、実際にその経験をした人々からは反発され、否定されるだけだということが明らかになりました。また、そのように、過去の悪事を糊塗することに汲々としても未来に対しては、なんの影響力もなく、戦前を賛美する古い思想の連中の自己満足でしかありません。ただ、それが安倍のような復古主義者に利用されることを警戒すべきですが。
沖縄戦では、民間人の死者は9万4000名とされ、日本軍の死者は10万名以上とされています。一方米兵の死者は1万5000名ほどです。ただ、この数字には、「根こそぎ動員」と言って、沖縄の住民を、17歳(実際には15歳を含む)から70歳までの男性ほとんどが戦闘員または軍属として動員されたものを軍の死者に含めており、この数は3、4万人に上ります。
当時沖縄にいた日本軍の正規軍は6万8000名余りで、一般には、日本側の死者は21万人、軍人が7万人、民間人が14万人と言われます。1年前のこの日のNHKの番組でもこの数字を使っていました。
当時の沖縄県の人口は、疎開した人を除くと約30万人と言われています。
つまり、当時の沖縄の民間人の人口の2人に1人が、死亡したのです。これはイラク戦争のイラク人の死者の、20倍以上の比率です。いかに沖縄戦が、民間人を巻き込んだ悲惨なものであったかがわかります。
また、集団自決の軍の強要よりも悪辣なのは、渡嘉敷島の赤松隊では、捕えられた島民が、米軍の使者として降伏勧告に来たものを殺害しておりその数は10名を越します。これは事実として明らかであり、軍による日本人への殺人にほかなりません。
大江氏が、沖縄ノートで述べたのは、これらの悲劇や、特攻などすべてを軍国主義とその教育による、「罪の巨塊」と述べたのであり、特定の軍人の責任を追及はしていません。
それを歴史改竄主義者たちは問題を矮小化して騒ぎ立てているだけなのです。
日本にとって不名誉なことを事実として批判するのを、「日本人にあるまじき行為」と言って指弾し、非国民呼ばわりする歴史改竄主義の右翼たちは、実は、戦争の悲劇における日本軍が行った悪を、むりやり無かったことにして歴史を改ざんして、旧日本軍を美化し、再び日本を軍国化の道へ進ませようという安倍のような政治家の意向を受けて騒いでいるだけの、虚言家にすぎません。
私は、戦争自体が全面的に悪であるという姿勢をとります。
侵略戦争に負けたのを、「祖国防衛戦争」と言いかえて、侵略した相手国のみならず、自国民に多くの犠牲者を出したあの戦争を美化する歴史改竄主義こそ、日本を再び悪の道へ進ませようという、確信犯的悪人たちだと断じます。
具体的には、安倍晋三、麻生太郎、その陣笠の稲田朋美などの政治屋、藤原信勝、曽野綾子、渡部昇一らの御用評論家などです。奴らの言うことは、日本の未来を誤らせる、危険な思想であり、その基本は軍需利権を漁る政治屋とそのちょうちん持ちの三文評論家の腐敗の構造があるのです。
「慰霊の日」にあたり、河野衆議院議長のような発言こそが、具体性や時期には欠ける物の、日本人として選ぶべき道であり、私利私欲に基づき、国を危険にさらす、歴史改竄主義者の主張は徹底して糾弾されるべきでしょう。
明日は、沖縄戦の詳細について、少し述べてみたいと思います。




沖縄戦慰霊の日への丁寧な記事ありがとうございます。
河野洋平の言葉、県知事よりは、はるかに誠意のある追悼文だと感じました。参院議長の挨拶は相変わらずの常套句、「沖縄県民カクタタカエリ」で、戦争を賛美する連中が葵のご紋よろしく最近しきりに口にするので、白々しく聞こえてしまい、複雑な心境になる人が多いようです。どっちが自民党なんだか・・
福田総理、河野議長には、戦没者に哀悼のまことをささげるというのなら、その言葉通り、ここはひとつ思い切って大英断を下していただきたい。明日にも行われようとしている普天間基地移設のための新基地建設(北部の海埋め立て)を即時中止にしていただきたいと切に思います。
福田総理、支持率挽回のカンフル剤にぜひ考えて欲しいものです。
沖縄戦のことをたどるうちにこちらにきました。
沖縄1フィート運動の掲示板に以下のことを
お書きになったのはあなたさまですか。
集団自決に軍の関与があったと騒ぎ立てる悪人がいますね。
米兵に蹂躙される前に國の為、自らの手で死を英断された
犠牲者の誇りを「殺された人」という出鱈目+無思慮な
歴史歪曲で踏みにじっています。
非常に無念で有りましょう。
沖縄県民が皆、死者を冒涜するような卑しい人間だとは
思いませんが非常に多数の人々が無くなった方を
冒涜しています。
今こそ歴史の事実を見つめなおして
名誉を挽回するべきときです。
罰当たりなことはやめなさいといいたい!
上記の記述の下に、こちらのHPのアドレスが貼ってあったので、こちらに来れたのですが、沖縄の慰霊の日に、あなたさまが書いたものとのあまりのちがいに、不思議でならず、質問いたしました。もしかしたら誰かがあなたさまを騙ったとか。失礼なことをうかがっているのかもしれません。もしそうならどうかお許しください。
騙りでありましょう。
私にはそのような思想はありませんし、そのサイトに行ったこともありません。
騙りをしながら自分は正論を述べているつもりの狂人のいうことなど無視しましょう。奴らには、物事の理非などわからず、感情のままに動く動物以下の奴らですから。