2008年10月30日

「ファシズムはそよ風とともにやってくる」

 一昨日、夜。トラックバックをいただいた記事に面白いものが書かれていました。http://eigokiji.justblog.jp/blog/2007/08/10_ee27.html
 (by:マスコミに載らない海外記事)

 「簡単な10のステップで実現できるファシスト・アメリカ(ファシスト日本?)」
  ナオミ・ウルフ著、ガーディアン掲載、 2007年4月 24日火曜日


 以下の項目は、その10のステップを、内容を省いて羅列した物です。内容をお読みになりたい方は、ぜひ上記のURLへ飛び、お読みください。


 1 国内と国外に、恐ろしい敵を作り上げる
 2 政治犯収容所を作る
 3 暴漢カーストを育成する
 4 国内監視制度を作り上げる
 5 市民団体に嫌がらせをする
 6 専断的な拘留と釈放を行う
 7 主要人物を攻撃する
 8 マスコミを支配する
 9 反対は反逆に等しい
10 法の支配を停止する

 さて、上記の「ステップ」は、ブッシュ政権を念頭に置いたアメリカの状況を指しています。1の、「国内と国外に、恐ろしい敵を作り上げる」と言う部分は、まさに「テロリスト」と呼ばれる、顔の見えない、正体不明の敵を作り上げ、それを攻撃するためにアフガニスタンに侵略し、国内でも、イスラム教徒やアラブ人を敵としてつるしあげてきたことを指します。

 2は、グアンタナモ、アルグレイブなどの軍の収容所を思い起こしてください。
 以下、アメリカの情勢に詳しい人なら、思いあたることがすべて存在することに気づくでしょう。

 では、日本ではどうでしょうか?

 1は、公式にはアメリカの「テロとの戦い」に便乗していますが、日本独自の問題としては北朝鮮の核、さらに友好国のはずの韓国中国をいたずらに敵視して、軍拡を叫ぶ産経新聞のような勢力(当然そのバックも)が存在します。

 2は、日本では、公式には存在しませんが、昔、留置所や拘置所が「代用監獄」として、一部の人を政治犯の疑いで、長期に拘留してきた歴史があります。

 3は言うまでもなく、日本には、街宣右翼と言う暴力装置があります。右翼=暴力団であり、自民党の手先として、ときには重要人物の抹殺に使われているという説もあります。

 4は防犯目的で、監視社会が形成されていますし、ネット上も監視されているのは間違いありません。


 5は、まだ顕在化してはいませんが、今後どうなるかわかりません。
 また、6と合わせ、昨日の記事に書いた、「転び公妨」による、市民運動家の不当逮捕というのは、すでに行われています。

 7は今のところ、めぼしい反体制活動家がいないのでないというに過ぎません。

 8は、もはや日本のマスコミは政府与党と財界に支配されていると言ってよいでしょう。

 9はまだ公然とは存在しません。アメリカでは、日本の最高裁に該当する組織の人事をブッシュが握り、全員をブッシュの子分に入れ替えてしまいました。

10はまだ日本では、公然とは起きていません。しかし、昨今の憲法をないがしろにしする自民党の態度はどうでしょう?。

 こう見てくると、日本において、ファシズムの足音がすぐそこまで来ていることがわかります。

 日本において、軍国国家になったのは、狭い意味では昭和4年の大恐慌以降と言えるでしょう。それ以前から大陸への侵略を進めていたのですが、本格的に、軍部による政権ができ、ひたすら戦争への道を突き進むようになったのは、わずか10年あまりの間のことです。

 「ファシズムはそよ風とともにやってくる」という警句があります。
 ファシズムは最初から、強権的な軍事独裁国家として登場しません。ドイツにおいて、第一次世界大戦後の、巨額の戦時賠償と、世界恐慌のために経済的に破たんした国家を救済するものとして、国民に歓呼の声で迎えられた、ドイツ国家社会主義労働者党が政権を取ったことが、ナチスの台頭のきっかけでした。

 国民の経済的な逼迫が、強い指導力を持った実は強権的な支配者の登場を願望し、それを利用して現れるのがファシズムだと言われています。

 日本がただちにそうなるとは言えないでしょう。しかし、過去の教訓から、そのような事態にならないように、注意していくことが重要だと思うのです。 私は、ファシズムはコイズミのように登場すると思います。今の旧来型の政治家からは現れないという気がしています。既得権益にしがみつく、衰亡していくだけの既存政治家からは、そのような、改革者は現れないでしょう。もし現れるとしたら、政界再編が起きて、そこで突如登場する若い指導者。既得権益を快刀乱麻のごとく切り裂き、一見市民の味方のような仮面をかぶって現れる可能性があります。

 もちろん、政権交代は必要なことです。しかし、あまりにも漠然と、急激な変化を待望しすぎると、ファシズムの登場を招きかねないということも頭の片隅に入れておく必要があると思います。

 9.11のとき、アメリカ人は、強い指導者として、ブッシュ大統領に80%以上の支持を与えました。それに乗って、ブッシュ大統領は世界中に戦争をばらまきました。
 そして今は、ブッシュの支持率は史上最低にまで下がっています。
 この間、上記の1から10までのような、民主主義の破壊が進められました。

 もし、ブッシュの支持率がもっと高かったら、アメリカ人が目覚めるのがもっと遅かったら、ブッシュは憲法を変えて、大統領3期目を狙ったことでしょう。

 私たちは歴史から学び、急激なカイカクを望むことなく、民主主義、自由主義の基本に忠実に、国家のかじ取りを任せられる人物、政党を選択する必要があるのです。
 日本人は、「自民党をぶっ壊す」と叫んだだけのコイズミを歓呼の声で迎えました。しかしその結果はどうでしょう?
 また、ついで、対北朝鮮強硬策で人気を博した安倍を総理として迎え、当初は70%とという高い支持率を与えました。まぁ、その後は安倍本人の無能さで自滅しましたが。

 日本人は、結構「ビッグマウス」(大ぼら吹き)にだまされる傾向があります。
 「若い」、「何かやってくれそう」というような期待感だけで、また大阪の橋下のように、テレビで顔が売れているというだけで、指導者に選ぶのは極めて危険なことです。

 ブームに流されることなく、その人物(政党)の政策をしっかりと見定めて、選挙に臨むべきでしょう。
 その意味では、今回の2兆円の現金ばらまきや、住宅ローン減税という「おいしい」餌をばらまく、麻生にも、気をつけた方が良いということです。
posted by 眠り猫 at 00:03| 東京 曇り| Comment(3) | TrackBack(6) | 思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マルチン・ニーメラー牧師の告白

ナチが共産主義者を襲った時、自分はやや不安になった。
けれども結局自分は共産主義者では無かったので何もしなかった。
次にナチは社民主義者を攻撃した。
自分の不安はやや増大した。
けれどもそこでやはり何もしなかった。
それから学校が、新聞が、ユダヤ人がという様に次々という攻撃の手が加わり、そのたびに不安は増したがなおも何事も取らなかった。
そしてナチは教会を攻撃した。
私は教会の人間なので抵抗した。
しかし私を助けてくれる者は誰もいなく、既に手遅れであった。

(どうぞ前のエントリーのコメントと併せてお読み下さい)
失礼致しました。
Posted by 達也 at 2008年10月30日 01:04
眠り猫さん、
遅くまでお疲れ様です。

私もファシズム到来の条件が整いつつあるように思えます。


事実上行政府(内閣)は立法府(国会)と司法府(裁判所)の上位に位置するようになった。3権分立は建前上のこととなった。


マスコミ界は完全に支配した。出版界に対しても右翼系出版物で影響を伸ばしている。

警察力も充実している。特に公安部門は肥大化している。


ネット界へも監視を始めている。


まだまだメルクマールとなるものは、あるだろうと思います。後は人物です。「スター誕生」には、まだもう少し時間がかかるようです。「オイルショック」「田中角栄総理」を知らない世代から出てくるでしょう。現在30歳代ですね。

今のところは橋下徹が一番近いか。シンタローは老いてしまったようだから、もう無理でしょう。
Posted by みゆき at 2008年10月30日 01:07
こんばんは、
保坂氏の『どこどこ』の分析読んでいると、前に眠り猫氏が、予測した4月解散辺りが濃いって気がします。
2兆円ワル1億2千万人、クーポンで、ぽんと信じ率アップなんていう甘い観測なのかな?与党の党首のお2タリは??
まだ中川財務相の方が経済情勢を的確に感じているのか、9月任期まで、って言ってはるようです。

各国が少々協調策をやっても、或いはオバマ氏が当選しても、今回の世界金融危機は、ちょっとやそっとでは回復できない、むしろ、下手こけば1930年代っぽくなる可能性さえある。
あ、ちなみに、
>5 市民団体に嫌がらせをする
>6 専断的な拘留と釈放を行う
これって、9条の会のビラ撒き等への過剰検挙とかですでに顕在化していると思いますが・・。
鈴木宗男&佐藤優両氏&三井物産、あるいは、藤田東吾氏らの逮捕なんていうのも、他の類似犯を泳がしている(例えば、発電機入札を下りた側の商社は立件さえされず、粉飾決算企業なんて山のようにあるっていうのに)『国策』逮捕でしたし。
こういった2重3重の恣意的法運用・執行が、社会を混乱の渦に陥れつつ、『スパッと』裁断する強面が、持て囃される。それに反比例して平和愛好的なユマニストは、『優柔不断』扱いを受けていく。
それでも本当の強靭さを貫くことなんでしょうけど、各種ファナティズムに抗して。歴史を深く読めば読むほど、それはかなり難しいと、正直、怖気ます。
Posted by 三介 at 2008年10月30日 21:50
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