2008年12月03日

気になる若年層の思想面での右傾化

 いわゆる「ネット右翼」と言う物の正体は、実は判然とはしていない。
 弱者をののしったり、体制に反対するものをののしる姿勢から、社会的に「勝ち組」の中高年ではないかという意見もある。
 また、一時は引きこもりのニートがその正体という意見もあった。
 ネット右翼という人種はいないので、どれにもそれなりの数はいるのであろうが、私は、社会の現実に直面しておらず、親の庇護下にある中高生を含む学生も多いのではないかと考えている。
 この記事はその前提で書かせていただく。

 実際、麻生支持率も、就任当初は、10代、20代で非常に高かった。安倍の時もそうであった。両者とも、極右の国家主義者、核武装論者であることは以前から知られていた。
 麻生に、「ローゼン麻生」というあだ名が生まれたのも、ネットの掲示板上であった。これはたぶん、「ローゼンメイデン」という、アニメから取られたのではないかと思う。

 私はここに若年層の右傾化の危険性を見る。
 もちろん、「嫌韓流」が流行したのはすでに10年以上前であり、その当時の20代は今は30代。
 若者が時に情緒的で、極左や極右に走りがちなのは、いつの時代でもそうである。だから心配する必要はないのかもしれない。

 しかし、若者が安倍や麻生の支持をしなくなる理由が、「中韓に強行姿勢を取らないから」だったりするから驚く。経済がわかるものなら、日本が中韓との貿易無くして国家が成り立たないのはわかりきっているのに、このような愚かなことが主張になるのである。

 ネット社会を中心に醸成されている、排外的な引きこもりの思想は、比較的新しいものと考えるべきだろう。

 私が警戒するのは、ネット内の匿名の世界で、自分を体制側や、「日本人は優等人種」という、単純でわかりやすい構造に仮託して、自己同一化したうえで、「上から物を言う」姿勢で、内容的には全く陳腐な右翼的言説を垂れ流す若者が多いことである。
 私のブログにつけられる匿名コメントの多くは、ほぼ全く同じ様式である。
 たとえば

 「脳内お花畑だな、このサヨクは。馬鹿じゃねーの。」

 という類であり、自分たちの具体的な主張や意見はなく、ただひたすら自分の意にそまぬものをののしるだけという低劣さである。経済政策を語る場合には、内容についてこられないのであろう、まったくそのようなコメントはつかない。

 実に浅薄でお粗末なコメントなのだが、これに、中韓朝を中心にした国家、民族への、根拠のない誹謗中傷が加わる。これが、今のネット右翼の主流的言説であろう。

 私は、若者が愚かであることは、まだ成長の途中であり、悪しとはしない。人生とは永遠の成長である。
 また、実際に今の時代に非正規雇用の現実に直面してくるしんでいる多くの若者と接し、彼らは、右にも左にもぶれずに活動している様子も見ている。
 だからすべての若者が愚かなのではないだろう。

 私が思うのは、今のネット右翼は、暴走族全盛時代に、日章旗や「特攻」などという言葉を多用し、暴走していた若者とほぼ同じ年代とレベルだと考えている。
 彼らは、実は弱虫である。だから群れる。しかも未熟であるがゆえに、自らの思想を形成できない(それは仕方がないことだ)。

 ただ、暴走族全盛時代と違い、今のネット右翼は、ネットという仮想空間の中で、警察と追いかけっこをすることもなく、ひきこもり思想的に、誤った民族主義と、無目的な体制順守を持ち、「日本人であり自民党支持であること」を、自らの優越と信じて、他者を罵倒することで自己満足しているものと推測する。

 私が恐れるのは、彼らが今後成長しない可能性があることだ。成長とは別に左翼になれということではない。ただ、物事の善悪や、理非をきちんと判断できるようになることだ。
 昔暴走族をしていたものが、家庭を持ち、「昔、やんちゃしてました」というのが、最近多いが、ネット空間内に醸成された、陰湿でいじめの構造に近いネット右翼の存在は、そのメンバーを入れ替えながら、ずっと続いていくように思う。

 そして、今の現実社会の閉そく、再び訪れた不況による就職難。これらにより、追い詰められた若者が先鋭化し、外国人排斥や、テロルなどに走るのではないか?その思想的(?)バックボーンに、ネット右翼らがたむろする仮想空間が負の方向に働くのではないかということを懸念している。

 もちろん、私はネット規制を望むものではない。
 しかし、ネット内に形成された、この陰湿な空間に対して、何らかの対処をしていくことは、今後新たな社会学の創設とそれによる分析により、「子供のお遊び」以上にはならないように注視していかねばならないと思う。

 この記事にもまた、愚かなコメントが付くであろうが。私が経済政策を論じていた時には、そのようなコメントやトラックバックは一切なかった。たぶん理解できないのであろう。その程度の者の動向に、社会は左右されない。
 しかし、社会が暗くなるにつれ、テロルの可能性が増える。その危険性だけは警告しておきたい。
posted by 眠り猫 at 09:14| 東京 晴れ| Comment(1) | TrackBack(2) | 思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
猫さんの運営しておられるこのblogにもネット右翼が嫌がらせ目的のコメント攻撃をしてくるそうで心中お察しいたしますが私もリアルの世界で彼らからえげつない攻撃を受けております…。(>_<)
先日11月4日防衛省正門前に於いて市民連絡会の呼び掛けに応じて日本山妙法寺のお上人様と共に田母神発言への抗議行動に参加したのですがそこで維新政党・新風一派(瀬戸弘幸、西村修平等)による『日本山妙法寺のクソ坊主の禿げ頭を叩き割れ!!』だの『東京湾に沈めろ!!』等の聞くに堪えない罵詈雑言を浴びせられました…。(;-_-+
(詳しくはユーチューブにて“日本山妙法寺”を検索下さい)
その場に於いて西村氏が『リベラル勢力はチベット問題で中国に何もしていないではないか!!』と悪罵をぶつけてくるので頭に来た私は『3月19日にキリスト者・仏教者が共同して中国大使館前で武力行使中止を求める祈念行動を我々は行いました!!』と反論してやろうとしましたが日本山のお上人様に相手にせぬ様に諭されました…。(;´∩`)
彼らが程度の低い活動を行なえば行なう程、一般国民の右派に対する印象は悪くなるので放置(゚_゚)しておけば宜しいと言われた時は成る程!!(;^_^Aと思いました。
猫さんもお体の調子が優れない中での執筆活動は大変でしょうがのんびりとコツコツとやって頂きたく思います。o(^-^)o
長文になり失礼致しました。m(__)m
Posted by 達也 at 2008年12月04日 22:52
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