2006年11月08日

アメリカ中間選挙で、民主党下院で過半数の、安倍への影響

 ただいま、日本時間午後21時過ぎ。NHKニュースを見ながら、記事を書いています。
 アメリカの上下両院の中間選挙の結果が報道されています。
 簡単に言うと、下院では、民主党が過半数を奪還することが確定。
 上院では、改選議席数の問題もあり、民主党の圧勝ではありますが、総議席数では、票の数えなおしを行う選挙区の結果が明日以降になり、まだ確定していません。ただ、民主党が、100議席中の49議席は確定(独立系2議席を含む)しており、未確定の2議席も、得票割合では小差ながら民主党優勢とのこと。このまま確定すれば、民主党が51議席を確保し、保守的な上院でも、民主党の勝利という事になります。
 
 今回の選挙で、まず注目するべきことは、共和党は(ブッシュは)、イラク戦争は、アメリカと世界をテロから守るための自衛の戦いだと位置づけ、選挙で、正面からの政策として戦った結果、大幅な敗北を喫したということです。
 それは、アメリカ兵の被害が増えているとかの、アメリカ人の利己的な(理解できるが)理由に基づいているにしても、共和党が正面に掲げた、「戦争外交」に対して、アメリカ国民が、大々的に「NO」を突きつけたことにあります。
 これで、ブッシュ大統領は、「レイム・ダック」(任期最大8年の大統領が、最後の2年間で議会で少数派になり、何も実行できなくなること)状態になりました。さらに、「戦争外交」の正邪を正面から課題にして戦った共和党=ブッシュは、もはやその路線を取ることができなくなります。
 
 また、ご存知の方もいらっしゃると思いますが、靖国神社の遊就館の、あの戦争は、欧米列強の植民地支配への解放戦争と言う、妄言に対して、抗議した民主党下院議員は、今回の選挙での勝利を受けて、下院外交委員会の委員長になることが決まっています。日本における外務大臣=アメリカでは国務長官に次ぐ、外交への発言力がある立場になるのです。
 
 民主党の政策は、特に経済面において、保護主義的で、加工貿易を旨とする日本にとっては経済面では、必ずしも歓迎できる政党ではありません。自動車輸入規制や、牛肉の受け入れ拡大を求めてくるでしょう。
 しかし、このブログは、財界の利益を考慮するためのものではなく、安部改憲政権への戦いを主旨とするブログです。
 その立場からすると、今回の中間選挙の結果は、大歓迎するものです。
 
 まず、ブッシュの戦争外交が完全に否定された結果、イラクからの撤兵が議論されるようになるでしょうし、北朝鮮への武力行使なども、認められない可能性が増しました。
 その結果、近視眼的に、アメリカの戦争外交に協力して、日本人を異国の戦場に送ることを目的とした、安倍の総裁選での公約、「現行憲法の解釈でも、集団的自衛権の行使はできる」っと言う主張が、具体性を帯びる可能性は、激減しました。安倍は、政権基盤が安定し次第、アメリカ軍に追従する形で、中東や場合によっては北朝鮮への日本の自衛隊の武装派遣を考えていたのでしょうが、それが根底から覆されました。「テロとの戦い」、「自由と民主主義を広めるための戦い」と言う、ブッシュの虚言に乗っ取った形での、集団的自衛権の行使と言うものの、蓋然性が、根拠の部分から否定されたのです。これは、反安倍の立場からは歓迎するものです。
 
 また、安倍は小泉政権による、国民の負担増を前提とした経済政策により、数値上は回復を続けている日本経済も、アメリカ民主党による、自動車の対米輸出への制限などが出れば、日本経済は、後退せざるを得ないでしょう。国民にとって、いいことでは無いですが、安倍にとっては、小泉の遺産で、経済的に何も考えずに、共謀罪や教育基本法の改悪、報道機関への不法な介入などを進めてきましたが、経済が減速(今日=8日の株価の大幅反落は、それを見越したもの)すれば、安倍は、復古主義へばかり力をさいてはいられなくなります。また、景気減速と法人税減税での税収不足が出れば、消費税増税に動くのが、今の自民党の方針で、その方向で選挙を戦うのは、極めて困難でしょう。
 
 その他、空虚な「美しい国」では何も述べられていなかった、対米追従外交を今後も続けるのか否か、判断力が欠如していると思われる安倍が対応できるとは思えません。
 
 結果、今後、安倍政権の人気が上昇することは、まずありえないことで、下降しない方がおかしい状況になります。
 私は、勤労者の賃金は、今抑えすぎの状況であると考えており(昨月も、実質賃金は2%減少した)、今後、日本経済が悪化した場合、さすがににぶい人であっても、自民党政権への批判は持つようになるでしょう。
 また、繰り返しになりますが、ブッシュの戦争外交が、自国の国民に全否定されたという結果は、改憲軍備増強を唱える安倍にとっては、不利になります。
 
 あと、北朝鮮問題ですが、ブッシュ大統領は、レイム・ダックとなった今、花道として、イランの核開発と、北朝鮮の核保有に関する問題で、何らかの解決の状況を作り出すことを求めると思います。そうすると、安倍にとっての最悪のシナリオは、アメリカが六カ国協議の枠を離れ、単独、または中露との共同で、北朝鮮との交渉で成果を挙げようとした場合です。もし、そうなると、日本の頭越しで、核兵器保有・開発の凍結などの決着が為された場合、「拉致」を大義名分にして、対北朝鮮強硬姿勢を売り物にしていた安倍は、足元をすくわれる形で北朝鮮強硬論の主張ができなくなり、拉致問題だけで反対すれば、拉致被害者が日本の100倍以上の韓国が賛同していたら、日本は、協議の結果の平和的解決を阻害する、異様な国家と見られることになり、またアメリカからの要求もあるでしょう。
 そうなると、安倍の支持基盤も大幅に不利になるわけで、反安倍の当ブログとしては、喜ばしいことです。
 
 今回のアメリカ中間選挙の結果は、全体とし見た場合に、日本のメリットになるかどうかはわかりませんが、少なくとも、戦争反対、平和主義を求める、私たち平和・護憲ブロガーにとっては、良い結果であったといえると思います。
 
 今後の見所は、自己思考能力の無い安部が、追従していたアメリカの政策変更についていけなくなったときに、どんな妄言を吐くかです。何を言っても、安倍は、明確な日本としての指針を示すことはできないでしょう。それは、経済の減速、消費税増税とあわせ、選挙において、安倍政権のアキレス腱になるでしょう。
 
 っと、言うことで、今回のアメリカ中間選挙の結果を、「平和主義者」の立場から、歓迎するものです。
 
 あと、この記事を書いている間に、ニュースで出てきた、民主党小沢代表と、安倍首相の国会での直接対決ですが、核兵器の保有議論のことと言い、今回は誰が見ても、小沢代表の圧勝だったと思います。小沢代表の他の意見はこの際置くとして、小沢氏の、淡々とした質問に、半ば錯乱状態で、妄言を弄するだけの安倍の姿は、論評抜きでNHKで事実として報道されただけで、安倍への幻想を打ち砕くに足る、醜態でした。今回は、個人的には嫌いな小沢代表に拍手を。
 
 こうなってくると、安倍自民党が、次期国政選挙で勝つ可能性は、時間を追うごとに、安倍が何かをするごとに下がっていると思います。それを加速、定着させるのが、私たちの務めと考えて、今後一層努力します。

 がんばりましょう。
posted by 眠り猫 at 22:09| 東京 晴れ| Comment(2) | TrackBack(3) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
眠り猫さん、(どうも慣れないから言いにくいですねぇ)、踏み込んだ内容を発信することになりましたねぇ。無理せず地道に進んでください。

晋三くんは、どうも母親の影響を強く受けすぎていますね。どちらかと言えばまだバランス感覚があった父ではなく、常に岸信介一辺倒ですから。複数の週刊誌報道なので全面的な信用には値しませんが、母親は信介の娘であることを鼻にかけ、晋太郎を見下していたそうですから。

アメリカ国民もバカではなかったと言うことでしょう。外国は揺れ戻しの自浄作用が働くので、いつも自民党が勝つ日本とは違うなぁ、と言うのが率直な感想です。安倍の背後で亡霊のように米国賛美・共和党賛美を囁いていた岡崎久彦が、どう発言するか楽しみです(笑)。まぁ、変わり身早そうだから民主党賛美してそうですが(笑)。

共産党に関しては、中央はどうも腐っているようなので私は信用していません。それは共産党員も自覚しないといけないでしょう。反論しようが何をしようが、現実を見ない政党には未来などありません。ただ、地方はあの勝谷正彦でさえ存在意義を高く評価しています。民主党が自民党と相乗りで利権にしがみ付いており、健全野党は共産党だけです。不正追求には定評がありますから。でも、相変わらずのセクト的内向きな組織ですから、中央では無党派層の支持は得られないでしょうね。私は筆坂氏を評価していたのですが、例の件で失脚してしまいましたし…。

少し前に拉致被害者家族への批判を書かれていましたが、これは眠り猫さんの別のブログで対立しましたので深くは書きませんが、横田夫妻は後世の評価など政治家ではないのだから、気にしていませんよ。ただ単に拉致された娘を返して欲しいだけです。あれは親としての素直な声であり、政治的思惑はあの夫妻にはないはずです。家族を殺された遺族が、「被告をブチ殺す」と感情的な発言しているのと同じであり、冷静に話せと言うのは当事者には無理な話です。ただ救う会の存在はどうも胡散臭いというのは眠り猫さんと合致します。拉致被害者家族の思いを、利用している側面は否めないでしょうね。あの団体は、めぐみさんの卒業当時の小学校長など身近な人がいるかと思えば、なぜだか北とシャブで取引をしている暴力団や右翼なども多く所属しています。当初は家族の周囲の人々の純粋な支援組織だったのが、段々異質なものへと変化しているのではないでしょうか。

そうそう、自民党の一部支持者が先の補選で民主党に投票行動しているようです。憲法ではなく、社会保障の不満からでしょうね。相当高齢者にしわ寄せが来ていますから、その点から民主へ抗議の意味で投票していると思われます。特に大阪9区は、結局は学会の力で勝ったみたいなものでしたからね。自民党の地方の力は、かなり落ちていると思います。


Posted by けん at 2006年11月09日 07:16
>けんさん
 いらっしゃいませ。文体から、大体誰かはわかります。お久しぶりです。
 まぁ、他にも書きましたが、安倍政権の誕生に、異様に危機感を感じまして。何かしようと思いつめたわけです。

 おっしゃることほとんど同意いたします。共産党は中央が「腐っている」とは思いませんが、あの独特の独善主義は変わらないでしょうねぇ。地方における活動や、日常の民主商工会の活動などは、他党と違い、評価できると思っていますが。
 横田夫妻については、異論が来るな、と思いながら書きました。私もバックの団体の胡散臭さの方が問題だと思います。ただ、夫妻の思いは真実でしょうが、客観的に見て、どう考えても娘さんの解放から遠ざかるような安倍の施策に、いつも支持を与えるのが理解できなかっただけです。やはりバックの影響・指図でしょうか?
 あと、補選でも自民党の支持者の動きは鈍く、公明党の活動のおかげで勝ったようですね。確かに地方における自民党の基盤は弱っているようです。
 今後は、ぼちぼちとやっていきます。
 また、別ブログで好きなことを言いたい放題の平和な日が戻ってくるのを心待ちにしています。
 では。
Posted by 眠り猫 at 2006年11月09日 08:10
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