基本的には、これは、国連憲章でも認められている「自衛権の行使」の拡大解釈として論ぜられている。しかし、その態様は様々である。
本来は、軍事同盟を結んでいる国家同士において、一方が攻撃を受けた場合、同盟国が、共同して自衛に当たるという意味ととって、まず間違いないであろう。
たとえば、EUのように、NATO,及び各国間で同盟関係にあれば、地域としても一体であり、集団的自衛権の概念はわかりやすい。
翻って日本を見てみよう。
日本が軍事同盟を結んでいるのは、アメリカだけである。だから、「集団的自衛権の行使」と言っても、それは、アメリカとの共同戦線に他ならない。
そもそも、憲法の9条と、日米安保条約は、背反するものとして、法学の世界でも問題として論じられてきた。法学上の解答は、最高法規である憲法に軍配を上げ、安保j条約は、それに従うべきものと解釈されている。そうすると、日本の場合、集団的自衛権が認められるのは、日本の国土が攻撃に曝されたときに、アメリカの支援を受けること以外には、考えられないものである。
しかし、今、イラク特別措置法を含め、日本が海外に出兵しているのは、アメリカが、イスラム過激派の攻撃に曝されていると言う、架空の定義の基に、アメリカの「自衛のための戦い」に、集団的自衛権に準ずる形で協力しているのである。しかし、それでも交戦権の行使まではしていないが。
今、防衛省になり、海外任務を旨とする、中央即応集団と言う戦闘部隊が編成されている。
これを、アメリカはイラク、アフガニスタン、イランへの派遣を求めてくるのは明らかである。
しかし、ちょっと待ってほしい。
そもそも、アフガニスタン、イラク共に、アメリカが根拠不分明のまま起こした、侵略戦争である。
ブッシュ大統領は、イラク戦の当初、イラクの大量破壊兵器の存在を口実にしていたが、それはアメリカ自身の調査の結果否定された。するとブッシュ大統領は、「自由主義の拡大」を戦争の口実とし始めた。だとすると、これはアメリカのイデオロギーを一方的に押し付けるための侵略戦争に他ならない。そのような戦いに日本が軍を派遣するのは、当然、集団的自衛権の範囲を逸脱していて、憲法上不可能であると考えるべきである。
アメリカと言うのは、解釈や改憲が容易な、「軟性憲法」の国である。正直憲法よりも大統領の権威のほうが上であろう。しかし、日本は違う、憲法の下での議院内閣制をとっている以上、憲法が上位に来るのは当然のことだ。
ここで、いかなる形であろうとも、理屈をこじつけての自衛隊の中近東派遣は、絶対に憲法違反であり、集団的自衛権の行使にも当たらない。
また、良く考えてもらいたい。
戦後、アメリカは日本を守ってやった、と主張しているが、日本が戦争に巻き込まれることは無かった。アメリカ軍の都合で日本に多くの基地をおいていただけで、その機能は日本防衛のためではなかった。
それを、いまさら恩着せがましく、「双務性」を語って、日本に海外派兵を求めるのは全くの筋違いである。
日本軍の海外派兵をこれ以上許してはならない。特に、中央即応集団は戦闘部隊である。憲法で交戦権を認めていないというのに、自衛でもないのに、戦争をすることは許されないのである。
