しかし、戦後60年間以上、憲法に基づく、議院内閣制をしいてきた日本において、自民党による、日本的政治システムと言う、悪しき遺産と、政治の劣化が著しいのは事実である。
たとえば、自民党に人材がいなくなった。今の安倍首相が、非常に人格が偏った、しかも能力に問題がある政治家であるのは周知の事実である。これも、政治家が、官業と癒着し、利益誘導をはかり、私腹を肥やすための政治業者化し、世襲が続いているためである。世襲議員は、自分と、親の代からの自分の取り巻きの利益を守るためにまず思考し、行動する。
結果、政治家にふさわしい人徳や理想、能力を持ったものは淘汰され、安倍のような、3代目のぼんくらが、若くして首相になる。ほかに人材がいない、っと言う結果になってしまった。次期首相を狙う麻生も世襲。自民党内リベラルの旗手、加藤紘一議員も世襲である。もちろん野党にも世襲議員は多い。民主党の小沢代表はその典型だ。元々自民党の暗部に深く関与していた小沢代表に、なにを期待できるだろう。
しかし、これらの政治の劣化、その結果としての、国民1人当たり800万円、総額で1000兆円に上る国の借金。アメリカ外資に壟断される経済界。ワーキングプアと言う劣悪な労働環境。
コイズミ内閣以降、急激に進んだ、日本社会のゆがみ。
そして、それらの問題を放置したまま、自分の利権拡大を求めて、憲法改悪に走る、ネオコン政治屋の安倍晋三。
彼らを選出しているのは、日本人自身なのである。郵政選挙で、コイズミの軽挙妄動のパフォーマンス選挙に乗って、自民党を大勝させたのも、日本人なのである。
数日前に報道された、自衛隊による、市民監視の事実の報道においても、mixiと言うネットコミュニティの中のこのニュースについたコメントは、「当然だ」、「赤は死ね」などの、低劣で、しかも基本的人権や、自衛隊法の中身も知らない、劣悪な愚民が、如何に多いかをあらためて知る結果となった。
今、日本が、衆愚政治に陥っているということは、知識人の間では、ほぼ常識である。コイズミ郵政選挙がその一つの発露であり、極右で人権感覚の欠如した、石原慎太郎が、大差で当選する事実(投票率は低かった)が証明している。
かつて自民党の幹部は、「この程度の国民にはこの程度の政治」とほざいた。
しかし、それは事実である。コイズミが名づけた、国民分類の「B層」や、「それ以下の人々」と言う「無思考に保守を支持する人々」に依拠しているのが、自民党の劣化政治の基盤をなしている。
ワイドショーや、三流週刊誌からしか知識や社会常識を得ない、愚昧な大衆の行動の結果が、今の自民党政治なのである。
しかし、私は日本人に絶望はしていない。
最近の憲法に関する世論調査でも、憲法9条2項の改憲には反対する人が過半数である。
安倍の出現により、危機感を抱いた国民は、憲法観において、護憲に振れつつある。
危機が迫っていないときはともかく、国民の未来を左右する大きな変化については、きちんと判断できるのである。
この機会に、9条に限らず、基本的人権の項目も是非勉強していただきたい。自民党が変えようとしているのは、国民の権利の剥奪であることを理解してほしい。
私はここで、あえて、苦言を呈する。日本国民は、「主権者」としての義務を果たしていない、と。


