2007年08月23日

「駆けつけ警護」、軍隊は自己論理で暴走を始める。

(引き続き【宿題】は、「http://www.dff.jp/から、毎日募金することです。

 一昨日の記事で、元イラク派遣自衛隊部隊の隊長であった、佐藤参議院議員の「駆けつけ警護」を批判しましたが、その後の追記にも記したように、この「駆けつけ警護、巻き込まれ武器行使」と言う論理が、自衛隊の内部文書で指示されていたものであることが判明しました。
 http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/6548165e47df4ba6a3a443d58c64dedf
(「情報流通促進計画byヤメ記者弁護士」)
 http://www.news-pj.net/pdf/2007/20070811-3-2.pdf
(NPJが入手した、その内部文書)

 これは、自衛隊派遣に関して、武器使用の場合を想定して、その類型を教育したもので、必ずしも武器使用を奨励しているものではないようですが、想定された例が、憲法違反、派遣根拠法違反であることを、自衛隊は認識していたのでしょうか?もし認識してこのような教育をしていたのなら、自衛隊の暴走行為と言え、認識していなかったとすれば、自衛隊の法務に関する知識・自覚の欠如が批判されるべきでしょう。

 一般的な組織論ですが、「組織と言うものは、一定の規模を超えると、内部論理で自己保存・増殖のための行動を始める」と言うのがありますが、まさに今の自衛隊は、憲法も自衛隊法も無視して、ただ、自己組織の拡大増強を目指して、内部論理で行動を開始したように見えます。

 選挙前に暴露された、自衛隊による市民監視の行動も、公務員の憲法遵守義務、自衛隊法に言う、不偏不党、そして入隊時の宣誓で行われる不偏不党の誓いも無視して、反自衛隊的行動を監視すると言う、異常なものでした。

 今回のイラクでの武器使用に関する問題も、同様に、法や役割を超えて、内部論理、自己論理で、自衛隊の行動を拡大しようと言うものに他なりません。

 かつての大日本帝国においても、2.26や、5.15のようなクーデター未遂事件(首相も含めた国家要人が殺害される)で、軍拡に反対する政治家を殺害し、この事件を口実に一気に日本が軍国主義化して行ったのは、歴史的事実と思われます。
 また、世界中の軍事独裁政権を見ても、肥大化した軍が、やがて政治による文民統制を、リアルのパワー(軍事力)で打破し、政権を掌握するのがパターンです。そして、その後は軍事力による強権政治を敷くものの、そう長くないうちに内部の権力争いで崩壊するのも、パターンです。

 つまり、軍と言うものは、内部論理で、より強大な武力を求め、やがてそれを行使したくなるというのが、歴史的にも現在の世界を見ても明らかな、軍と言うものの内包する危険性(自由と民主主義の敵)なのです。

 この状況を理解せず、自らの私腹を肥やすための軍需産業との癒着と軍拡を進めようという安倍政権は、歴史学ばない愚か者であり、市民監視を擁護した久間前防衛大臣もまた不見識のそしりを免れません。
 自衛隊は、その入隊時の宣誓の通り、国民のために存在し、特定の政治勢力に加担したり、自己論理で暴走することは許されません。
 このままでは、殺されるのは安倍であり、防衛大臣という事になるでしょう。自業自得ですが。

 今の状況は、もはや危機的と言っても良く、自衛隊幹部にこそ、研修と試験を義務付け、少しでも法に反した内部論理を持つ者、行動したものには、自衛隊からの追放と厳罰を持って処するべきであると思います。
 この事件を看過することは、今後の日本に大きな憂いをもたらすことになるでしょう。

 「軍」と言うものの内部論理が、過去も現在も世界中で悲劇を引き起こしていることを、よく認識して、自衛隊への監視を怠ってはいけないと思います。

追記:
 佐藤議員については、憲法遵守義務違反で、参議院で、議員辞職勧告決議をするべきだと思います。その旨、民主党と社民党の関係者へのメールをしましたが、どうなるでしょうね。
posted by 眠り猫 at 06:40| 東京 霧| Comment(6) | TrackBack(22) | 戦争 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今の安倍政権は、昔の青年将校が閣僚になっているような感じです。
そして「聖断」を降す天皇もいない。最悪!!・
Posted by ましま at 2007年08月23日 09:30
>ましまさん
 昔の青年将校の割には、不健康そうで、意志が不明確、利権漁りが趣味と言う感じですが、言っていることはまさにおっしゃるとおりの過激論ですよね。
 今が平和だから言える妄言でしょう。軍の論理が拡大したら、政権を追われ、命を奪われるのは自分たちなのに。
 お坊ちゃまは想像力が足りないのです。おつむも。
Posted by 眠り猫 at 2007年08月23日 10:48
シビリアンコントロール(和製英語、欧米じゃ当たり前すぎて、単語がない)とは、軍人を文民(正確に言えば、選挙で選ばれた政治家)が政治的にコントロール(具体的には軍人の人事権をもつことで制御する)することです。すなわち、軍人が勝手に中立国に攻め入ったり、政治工作をしかけたり、交戦国になっていない国家に対する作戦計画の発動を政府に認めさせることを防止するのが文民統制です。柳条湖事件は、軍人が他国に政治工作したケースに該当しています。今回の件については、柳条湖事件とは性質が全く異なります。
すでに、日本は国家として米国と同盟関係にあるし、イラク戦争でもアメリカを支持している。オランダも同様の関係をアメリカと有しています。政治的に既に同盟関係にある友軍が交戦状態にあるときに、これを支援しようとする行為がなぜに文民統制から外れるというのでしょうか?理解に苦しみます。
逆に、支援をしなければ、日本の国際的な政治的信用が低下するでしょう。これは日米同盟を長期的には傷つけ、戦争抑止力の低下を引き起こすことになります。
戦前の日本の問題は、陸軍、海軍軍官僚を政治家が統制できなかったことです。これは今でも同じでも改善されておらず、政治家が政治的主張を行なう官僚を完全に制御できていません。守屋防衛事務次官の件はその証左です。一方で、専門家である官僚に任したほうが効率的だなどとおっしゃられる人々がいるので、官僚が図に乗るのは当然なのかもしれませんけどね。これをさらに一歩押しすすめて、理念をもった官僚集団が統治すればベストワールドが作れるじゃないかと妄想してしまう輩もでてきしてしまうでしょうね。結果は、民主主義の否定であり、ソ連型の官僚独裁国家の誕生です。
官僚は国民が選んだり首にしたりできないが、政治家は国民が選ぶことができる。だから、職責だけに関心がある官僚が統治するより、国民の支持を常に気にする政治家が官僚を支配するのは当然なんです。
世界平和の観点から言って、イラクの人々の立場など基本的に判断の要素に入りません。そもそも、無数の部族と宗派によって分断されているイラク人にとって、共通の立場など存在しません。
世界平和とは現状維持すなわち、国境線を変更しなければ自然に達成されます。戦争は国境が守られていれば発生しなません。逆にこれを敢えて変更しようとする国家は力ずくでも排除しなければならないのです。小さいうちに芽をつみとっておかないと、再び世界戦争が勃発してしまいます。
Posted by ぺこ at 2007年08月24日 11:53
 上の、べこさんのコメントは、「出来の悪い例」として曝しておきます。
 論ずることも不可能なほどの低レベルさですが、一応、万人に公開しているブログですから、こういうのも紛れ込みます。いじめてはいけません。いじめはここでは禁止です。
Posted by 眠り猫 at 2007年08月24日 16:08
私はほとんどの国民がイラクへの自衛隊の派兵に反対だったと記憶しています。イラク戦争においてアメリカを支持したのは国民の意志を無視した小泉政権です。
根本から文民統制ではないのですから、その後の行動もすべてはずれている筈です。厳密に言えば憲法に違反しているのですから。本当にやるなら憲法を変えてから行うべきだった筈です。
(「それでは間に合わない」等という姑息な言い訳は止めて下さいね。国の行動は国民が決める権利をもっているのです。一部の者達が決めるのなら民主主義国家ではなく、独裁国家です)
もしも、佐藤氏が本当に友軍を助けたいのであれば、まず最高責任者の国民の許しを得てから行うべきでしょう。国民の意志になった時に初めて動ける筈です。
佐藤氏のしようとしていた行動は、自衛隊を私物と勘違いしている愚者のそれだと思います。
例えるなら取り引き先の会社が借金で倒産しそうだから、独断で会社のお金をあげる、って感じじゃないでしょうか(低レベルな例えで申し訳ありません;;)
そうなったら大抵の人は「会社に相談してからやれよ。それかお前のポケットマネーからだせよ!」って突っ込むんじゃないでしょうか?
そのお金あげたせいで会社潰れたらどうしますか?他の大勢の社員はどうなるのでしょう?
佐藤氏がどうしても友軍を助けたくて、自衛隊を止め、自衛隊の武器も何も持たず、ただ一人の人間佐藤正久になってオランダ軍を助けようとした、っていうならまあ、ある程度納得しますけど…
自衛隊は佐藤氏が召集した義勇軍ではないのです。
自衛隊の行動の責任はすべて日本という国に、国民に背負わされます。
その国(会社)の憲法(契約書)に書かれている事を守らない国(会社)を誰が信用してくれるでしょうか?
佐藤氏は明らかに憲法違反を確信犯として行おうとしました。自ら背負っている責任をまったく理解していない事が分かります。こんな人物が国会議員である事は非常に危険だと思っています。そして、それを指導する政権も。
日本が独裁国家になりつつある証拠ではないかと思います。(民主主義を理解していない政治家が多すぎなのでは…( ̄_ ̄;)っていうかそれを壊したいのでしょうね…)
Posted by うろこ at 2007年08月24日 16:45
>うろこさん
 コメントありがとうございます。
 >自衛隊は佐藤氏が召集した義勇軍ではないのです。
 その通りだと思います。
 感情論で物を語るのは考えなくて済むので楽なことです。多くのネット右翼はこの愚に陥っています。
 佐藤氏の発言は、憲法もそうですし、派遣の根拠となった法律にも違反しています。
 そして、「駆けつけ・巻き込まれ」は、国益には何の利益もありません。第一オランダ軍は自力で対処できるだけの装備を持っていました。そこにわざわざ巻き込まれに行こうというのは、別の目的、つまりなし崩し的に武器使用を認めさせようと言う考えがあったからでしょう。
 これが、私の言う自衛隊の暴走です。
Posted by 眠り猫 at 2007年08月25日 06:34
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