講演の題は、「戦争、人間、そして憲法9条」と言うものです。
私は主催団体のスタッフとして参加したので、講演会の始まる前の準備やセッティング、終了後の迅速な後片付けなどを手伝い、かなり疲れました。
しかし、昨日の疲れの大半は、品川氏の講演を集中して聞いたことにより、その重い言葉による、精神的な痛打を受けて、頭が疲れたというのが、本当のところでしょう。これは誉めているのであります。
会場は400人収容の中規模のホール。事前申し込みは事務局をあわせて100人ちょっとだったのですが、当日来場可としていたため、事前申し込み無しのお客さんが200名以上いらっしゃり、会場は、ほぼ満席に近い状態(2階の60席を使わなかったので)になりました。
先の参議院選挙の東京選挙区で当選された、川田龍平さんもいらっしゃったり、北海道新聞や東京新聞の記者の取材も入り、品川さん自身が、「こんなことは珍しい」と言う状況で、講演会は始まりました。
最初は、ゆっくりとした穏やかな話し方で始まりましたが、徐々に言葉に強さが加わって行き、聞いていた私も、2時間の講演に引き込まれるように聞き入っていました。
詳細は、主催団体のメンバーが速記録を作っているので、整理され次第メンバーに配信されるので、いずれこの場でご紹介したいと思いますが、まず最初は、ご自分の戦争体験からお話が始まりました。
旧制高等学校2年の時に、召集され、中国戦線の最前線の戦闘部隊に配属され、歩兵として、数知れない戦闘に参加したそうです。
しかし、品川さんは、戦争の悲惨さだけを強調することはありませんでした。
お話の中心は、前線で戦闘した兵士達は、常に、自分達が何をしているのか、中国人を殺し、自分達も殺されているこの戦争に何の意味があるのかと、常に問い続けていたそうです。
そして、当時、中国に100万人の日本軍が展開していたそうですが、その9割は、占領した地域の守備軍で、一発の弾を撃つことも、爆撃を受けることも無い、後方司令部要員であり、残り1割が、品川さんが所属した、実戦部隊だったそうです。
敗戦後、捕虜収容所に収容された日本兵の中で、後方司令部にいた士官たちを中心に、降伏した日本政府を弾劾する血判状が作られ、強制的に署名を求められるという事件があったそうです。これに対して、実戦部隊の兵士達は、戦争がやっと終わった今、何を言うのかと猛反発し、殴り合いの挙句、実戦部隊からこの署名に参加した人は1人もいなかったそうです。その後その血判状がどうなったかはご存じないそうですが、多分中国側にとがめられて立ち消えになったのでしょう。
そして、日本に復員してきたとき、たまたま船が着いたのが、品川さんの所属する鳥取連隊の本拠地の近くだったので、遠方に帰る復員兵たちを先に船から降ろし、品川さんたちの部隊は数日、船の中で上陸を待っていたのだそうです。その時、古新聞が部隊に配られ、その中身は、1945年11月3日に公布された日本国憲法の中身を報じる記事だったそうです。
それを読んだ品川さんたちは、涙を流しながら、あぁ、これで戦争の無い日本がやってくる。もうこんな苦しみを、自分にも、相手にも与える非道な行為を行うことは永久に無いのだ、それを国の最高法規である憲法に謳ってくれた、なんと言う喜びかと思ったそうです。
そして、品川さんは、日本国憲法を「押し付けだから改憲すべき」と言う意見があるが、噴飯物である。あの当時、日本国民は歓喜の声を上げて、この憲法を迎えたのであって、国民の支持を受けた憲法であった。押し付けだから改憲して戦争のできる国にしようなどと言うのは間違っている、と断言されました。
この後も、すばらしいお話が続くのですが、詳細のご紹介は、速記録ができてからに譲るとして、私の感想を述べます。
品川さんがおっしゃったことは単に戦争体験だけでなく、それをステップに、平和への思いと、コイズミ以降進行した、憲法9条の空洞化とアメリカ追従外交、そして新自由主義批判など、幅広い分野にわたって、数字も挙げながら、現在の為政者、経済界の姿勢を厳しく批判していました。
そして、自画自賛になりますが、そのおっしゃることの7割は、私がこれまでこのブログに書き続けてきたことと、完全に一致しています。残り3割は、私が知らなかったこと、気づかなかったことを、品川さんに教えていただいたものです。非常に勉強になりました。
また、自分が書いてきたことと、品川さんの意見が一致していることに喜んだのは最初の方だけで、その言葉の、重みと、迫力に、徐々に引き込まれ、涙を流しそうにまでなり、自分の主張の浅薄さに気づかされ、最後は講演を聞いただけでへとへとになるほど、打ちのめされました。
最後に、品川さんのおっしゃった、重要なことを書いておきます。コイズミ以降進んだ、憲法の空洞化。9条の旗は既にぼろぼろであると言ってよい。しかし、いまだ、国民がその旗ざおを握り締めている限り、この世界に誇りうる憲法の精神はまだ倒れていない。もし、改憲の国民投票があったなら、そこでは、政治家もトヨタの社長も、我々一般の国民も平等の1票を持つ。そこで日本人が、護憲を選択したとき、アメリカの戦争外交は変更を余儀なくされ、世界に向けて9条の精神が発信され、改憲を発議した政府は瓦解し、あらためて日本国憲法による、正しい政治が行われるであろう、だから、国民は(ここにきている皆さんは)、自分が主権者であり、今、歴史と世界情勢を変えうる1票を持っていることを肝に銘じて欲しい、っと言う言葉で講演を締めくくられました。
以上、金融機関の経営者を務められ、財界でも、経済同友会終身幹事と言う立場にありながら、積極的に護憲の発言を発信し続けている、品川正治さんの講演についての、簡単なご紹介を終わります。
2時間に及ぶ講演の中、原稿等全く使用せず、熱のこもった、一言一言に重みのある言葉で、護憲への重みを伝えてくださりました。

だから、私がまとめれらなったことを、こんなにもきちんと眠り猫さんが、まとめて下って、読むことができ、うれしいです。
講演はかってないほど、すばらしいものでしたね。
わたしも品川さんの護憲は、確固たるもので、ちょっとやそこらの平和いいんだ、くらいの考えではない、もっともっと深いものだと思い、講演のあと、とにかく一語一語を反芻し、なんとか聞かなかった人にも伝えたいと思ったものでした。
すごく充実した2時間でしたでしょう。
重い、深い思索。憲法を変えるなんて、なんて浅はかなことかと、改めて思ったものでした。
盛況だったようですね。沖縄行きの計画が台風でキャンセルになり、結果としては聞きにいけたわけですが、1日中どうするどうするでバタバタ。自然には勝てません。
護憲派の人が護憲派の講演を聴いてどうなる、という意見もありますが、より勇気を与えられ、また他の人への説得の材料を得られることも大きいと思います。
続報をお待ちします。
心のこもった記事ありがとうございました。
品川さんのお話は、新聞等の記事で読んだことはありますが。
今回の記事で読んだお話も、とても「ため」になりました。m(__)m
今日たまたま経団連の自民党との癒着や、
会長の御手洗氏が改憲推進をするビジョンを
発表した記事を書いていたのですけど。
品川氏のような方が、財界のTOPにいて下さる
ことは、本当に心強い限りですね。(~~)
コメントありがとうございます。
私がこの記事に書いたのは、品川さんのおっしゃったことの最初と最後だけです。他にも目からうろこのお話や、具体的なお話などもありました。
たとえば、安倍政権が北朝鮮への独自制裁に固執したのは、北朝鮮に圧力をかけて、日本国内でテロを起こさせ、開戦の口実にして、北朝鮮侵略をするためだったと断言し、テロをしないように押しとどめていたのは、朝鮮総連だと言明していました。
これが本当なら、安倍は真から危険な存在だったわけで、その退陣は歓迎すべきものですね。
続報をお待ちください。
いらしてくだされば、面白いお話だったと思います。
護憲派が護憲派の話を聞いてどうするというのは、私もそう思うのですが、品川氏のような明快かつ重い意見を伺って、それを聞いた300人がそれぞれ、他の人々にそれを伝えていくことが重要だと考えています。私もこのブログでそれを果たして行くつもりです。
いえいえ、ご本人のお話は、こんなものにとどまりません。いずれ詳細をアップしますので、それをご期待ください。
また、品川氏はご高齢ながら、積極的に講演を行っております。今後も機会があるのではと思いますので、その節は是非お出かけください。
初めてコメントさせていただきます。いつも興味深く読ませていただいておりました。
>たとえば、安倍政権が北朝鮮への独自制裁に固執したのは、北朝鮮に圧力をかけて、日本国内でテロを起こさせ、開戦の口実にして、北朝鮮侵略をするためだったと断言し、テロをしないように押しとどめていたのは、朝鮮総連だと言明していました。
やっぱり、そうでしたか。もう2ヶ月ほど前になりますか、金正日が直接指令で拉致被害者の事を調べさせるというニュースがあった時、拉致被害者の家族がそんな事はさせないという剣幕で怒っていたので、へんな人達だなあと思っていました。最高権力者が調べると言ったら決着も早いだろうに、早く決着をつけたくはないのかしらと不審に思っていました。
また福田さんが「話し合いも含めてあらゆる方策を考える。」と言った事に対しても話し合いは必要ない、圧力を強めるのみと言っているのにも奇異を感じました。
横田恵さんのご両親のご心配は伝わるものがありますが、他の方達は何を考えているのかと、一連の発言から不思議を感じておりました。
これで少しは納得がいきました。ありがとうございました。
今日(16日)の記事で、この件に関する、正確な詳細を記事にしました。
よろしければそちらもご覧ください。