今日はこの発言の及ぼす影響、波紋について考えてみたい。
既に自民党は、武力行使を伴うISAFへの派遣は違憲だと言う見解を出し、インド洋の給油は武器行使では無いので、違憲では無いという論法で、小沢代表を攻撃している。同発言の翌日には早くも右派御用マスコミの代表とも言えるフジテレビで、小沢発言を取り上げて批判していた。
昨日のエントリーのように、私もまた小沢代表の発言を批判するものだが、この影響としては以下のことが考えられる。
当面の国会運営では、インド洋ガソリンスタンド新法について、自民党から「違憲の武器行使を容認し、武器行使ではない給油を否定するのか」と言う論法で反撃され、今のままでは国会での民主党の攻勢にブレーキがかかるだろう。
また、選挙対策の面で見ても、先の参議院選挙で、リベラル路線を打ち出し、国民生活重視の立場に立ち、勝利した民主党に対して、好意的になりかけていた左派の有権者の反発を招き、得票が減るものと予想される。また、左派でなくても、武器行使容認には反発する有権者も多いだろう。
選挙には大きなマイナスになったと言えるだろう。
これは、小沢代表の痛恨のミスであると思う。自民党時代にカンボジアPKOを派遣したことから、既にPKO参加は国民の承認を得ていると勘違いしているとしか思えない。
この事態をなんとしても回避するためには、民主党は、徹底した生活重視の視点での政策、法案提起に励むべきであろう。国民の多くは、マスコミが騒ぐほどインド洋ガソリンスタンドに関心を持っていない。それよりも自分の生活向上に大きな関心がある。
民主党は、参院選で公約したことにとどまらず、リベラル路線をより鮮明にして、国民生活重視の政党であることをアピールするべきであろう。
小沢発言については、撤回するべきものと考える。
さらに、ケガの功名もある。
自民党が、海外での武器使用は違憲だと、明言したことである。
先に、イラク、サマワに派遣されていた自衛隊部隊の元隊長が、隣のオランダ軍の宿営地が攻撃されたら、偵察を装って現場に行き、あえて巻き込まれることで、武器使用を可能にする、と発言したことに対して、自民党福田総理は、それは違法であると明言した(違法であるなら、佐藤参議院議員を辞職させよ)。
さらに、今回、海外での武器使用を、違憲と断言したことは、安倍政権下で進められていた、「集団的自衛権の行使」に関する審議会の答申を反故にしたに等しい。あれらは全て、海外への武力行使をするための布石だったのだから、それを自民党が全面否定したのは、今後の日本の外交においても大きな意味を持つ。
安倍政権だったら、こうは言わなかっただろう。小沢はそこを読み間違えたのである。
とにかく民主党は、路線を修正すべきだ。いっそ小沢には代表を退いてもらったほうが良いかもしれない。
「民主党案の改憲(国際派遣部隊を別途創設するという内容)が実現したら」と言う発言の前提条件を後から変えるのは、あまり賢くは無い。それなら最初からそういえば良かったのだ。
民主党はインド洋ガソリンスタンド法案への対案に拘泥することなく、対決姿勢は強めるものの、自民党による衆議院での再議決に持ち込み、批判を継続すればよい。その一方で、生活重視の政策をどんどん打ち出して、自民党に飲ませることだ。
この方法なくして、小沢の法律を理解しない失言に等しい発言の取り返しはつかないであろう。
(この記事は民主党に送付しました。)




小沢代表の発言は、基本的理念において自由党時代からのほぼ一貫している主張なので100%撤回しないと思っています。また民主党の政策マグナカルタやマニフェストで同様の考えを示しており、現時点での撤回は得策とは思えません。
私は与党の新法に対して対案を示さないのは国内はもちろんですが海外においても民主党の評価を下げると思います。ISAFの活動には人道支援や復興支援なども含まれていますので、できるだけそちらに重点を置く民主党案を国民に示した方がいいと思います。これまでの民主党議員や執行部の発言を聞く限り、今のアフガンの状況で積極的に治安活動のために自衛隊派遣を考えているとは思えません。(対案を示して国民や諸外国の支持が得られなければ、その時に路線の修正を検討したらいいと思います。)
私は海外への自衛隊派遣は安全か危険かという基準ではなく、世界平和のために資するか否かという基準で判断されるべきものだと考えていますが、海外派遣の是非も含めて国民的コンセンサスはまだできていないと思っています。小沢発言は国民がそのことを考えるいい機会だと思います。