東京証券取引所では、大発会に続き、午前中のみ取引が行われた。
休日は元日だけだった、ニューヨーク市場で、ダウ平均株価が、大晦日に110ドル、1月2日に200ドル超の下げとなったこと(3日は12ドルの上昇)と、原油価格が史上最高値である100ドルを突破したこと。さらに、急激に円高が進んだことなど、日本経済への悪材料ばかりの中で、ご祝儀相場と言うわけには行かず、昨日の終値は、昨年末比616円安の14,691円で引けた。
一時は765円も下落し、昨年の取引中最安値をあっさり更新した。
アメリカでのサブプライムローンの焦げ付き問題の波及が、どこまで広がるか、依然不透明な上、アメリカの工業指数が悪かったことなどから、アメリカの景気の先行き不安が広がる中、需要期を迎えている石油の大幅上昇など、世界的に見ても悪材料が揃った結果とも言える。日本の渡辺金融担当大臣の、「海外の相場の影響に過ぎない」っと言う能天気なコメントは、実態を無視した発言である。
多分、原油高は、100ドルの大台に乗ったため、今後も容易には下がらないだろう。
また、アメリカ景気の減速は、どうやら本物であり、円高もあわせ、日本の輸出にも影響を与えるだろう。
昨日の毎日新聞の社説で、成長至上主義の転換を求める記事が掲載された。
http://www.mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080104k0000m070072000c.html
私も同意見である。
経済指標の数値の上昇だけを成果として見る考え方はもう古い。BRICSの発展や、それによる資源価格の高騰、および枯渇の危険性の顕在化は、もはや、経済の「無限成長モデル」では、解決できない状況になっている。その兆候は、数年前から現れていたにも拘わらず、日本政府の経済・財政担当者は、「成長率底上げ戦略」と言う、コイズミ・竹中平蔵による、机上の空論を金科玉条にして、国民生活を犠牲にしながら、数値だけの成長を求めて盲目的に行動してきた。
もはや、数値に基づく成長神話は崩壊した。
今後の経済、財政、税制論議は、まず内政と国民生活重視し、内需拡大のための、国民所得拡大路線に転換しなければならない。
また、時代の流れとして、上記社説にもあるように、製造業・輸出産業重視から、ソフト、サービス業重視へと政策転換しなければならない。
日本の株式市場が、ここ数年、他の海外大手市場よりも上昇しなかった原因は、成長率神話に自らが騙されている日本の政財界、金融界が気づかぬうちに、海外投資家からは、旧泰然たる製造業重視で、BRICSとの競争に敗れることが必然の経済政策を採ってきたことを見抜かれていたからではないか?
今年も株価の回復は期待できそうも無い。
今は、景気の循環サイクル(好況、不況の波が交互に来る)だけで済む状況ではなく、世界も日本も、経済構造、国家構造の大きな転換期に否応無く立たされているものと考える。
政策担当者がそれに気づかぬままでは、大恐慌または日本独り負けとなる可能性が大きい。
トヨタが世界一にならなくても良いから、国民生活全体の水準が上がるような、内需主導型に政策転換すべきだ。
「世界第2位の経済大国だから、国際平和にも応分の負担を」っと言う、軍拡、海外派兵の理屈は、戦前の「世界の一等国にふさわしい軍備を」っと言うのと全く同じロジックである。
経済指標が高いから、軍拡と言うのは、理屈になっていない。ましてや、実体経済、国民生活との乖離がここまで進んだ今、「大国幻想」に酔っている場合ではない。
この変化のためにも、政権交代による、自民党の下野と、リベラル政策への転換が求められている。
(追記:4日のNY市場では、再び株価が下落し、256ドル安で、1万3000ドル台をおおきく割り込んだ。円高も進行した。原油価格はやや下がったが、依然、日本経済に厳しい状況が続く。)

コメントでのtbありがとうございます。
昨年の日経一面の下記記事はショックでした。
日本は「世界第2位の経済大国」ではなく世界18位の経済斜陽小国です。
日本はアメリカを思いやっている余裕はないでしょう。
>年末に日本の一人当たりGDPはOECD30か国中世界18位に転落、という結果が発表されました。かつて1994年には世界の17.9%を占めた名目GDP総額も、ついに1割を切り9.1%になりました。「豊かな国」からの退却が続いています。長期的データでみても、世界経済に占める日本のプレゼンスのピークは終わったと考えられます。物価の高さと贅沢なライフスタイルだけは、まだ続いているようですが・・
http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Homef.html
私のブログにも同じことを書きました。
地球温暖化、CO2元凶説に疑問を持ちながら、排出を減らさないより減らした方がいいに決まっているから、というのも私の考えです。
そのニュースは私も知っています。GNPは物価が上昇しても上がる数値なので、GDPの方が、経済実態を良く現わしているとも言われます。
そのGDPが、下落を続けているのは、農業と、一部輸出企業以外の産業の衰退が原因と思われます。
コイズミを代表とする、金融・重工業族の都市型利権政治家が、長く政権の座にいたために、日本経済は偏った成長を続け、経済指標だけでは表せない不景気が進行していたのです。
今の経済政策を転換すべきときは既に来ていると思います。
TB通るようになったのですね。良かったです。
確かに資源枯渇説について検証する術を私は持ちませんが、いつかは枯渇するものですから、節約はよいことです。
またリサイクルを含めた、循環型経済を進めるべきでしょう。
で追加します。石油の場合でいうと、原油の高騰→開発投資活発化→供給量増加→価格の平準化という経済原則が働いていないということです。
新規開発をしなくても、放棄油田の残油回収、単位産出量や輸送コストなどで仮封鎖されている開発済み油田の活用など、まだ枯渇云々を考える段階ではないということです。
どうせ先のことは誰にも分りませんから。
で、毎日新聞の社説ですが、データの取り上げ方が不適切、そのつながりは支離滅裂で、何を言いたいのか分らず、同意も反対もしようがありません。転換を言いながらどう換わったらいいのか自分でも分らないという印象。
結論部分で、「日本人は改革好きだ。〜いまこそ改革が必要だ」と言っておきながら、改革の具体像を示していないのはお寒い限り。画面右の広告欄で昭和回帰を煽っていますが、それが理想像なのかな?
この社説と同じ意見を持てる(というより共感できる、でしょうか?)というのは、まだまだ成長神話、競争原理に捉われているからと感じます。
転換というのは方向を変えることで、本質的、根本的な変化を意味しませんから。
もっともそれが悪いという訳でもなく、節減や福祉の充実を競うというのなら、おもしろいことになるでしょう。
開設祝いのお言葉、ありがとうございます。
まったくの駆け出しで今後ともよろしくお願い申し上げます。
また、ご健康と今後の御活躍をお祈り申し上げます。
怱 々