ただ、日本人が沖縄を考える上で、ちょっとした参考になるのではないかと思い、勉強途中ながら、簡単な記事を書きます。
韓国の南西海上にある、済州島(チェジュ)のことをご存知の方は少なく無いと思います。
火山島としての自然が、世界遺産になっています。
この済州島は、中世までは、独自の国家をなしていて、当時の朝鮮半島の支配的勢力だった、高麗に朝貢していましたが、日本にも使節を送るなど、独自の存在でした。
しかし、高麗が併合し、その後高麗が元に滅ぼされ、済州島も元に支配され、独自の国家は消滅します。
その後、済州島は、韓国を支配する国家から、流刑地として扱われてきました。
現代になって、太平洋戦争が終結し、日本に併合されていた朝鮮半島が、南はアメリカ、北はソビエトに占領され、それぞれの政権が作られました。
この頃、今の韓国にも、「朝鮮労働者党」と言う社会主義を主張する勢力がいました。
朝鮮戦争が勃発するに当たって、済州島にいた、同党の勢力は、独自の半島統一政策を打ち出して、当時の韓国、李政権と対立します。一部武装蜂起も行われました。
しかし、当初対話による交渉が進んでいた時に、反共右派勢力が、暴力で済州島の勢力を襲撃するに及んで、事態は流血の惨事に向かいます。
この事件を、韓国では、「4.3事件」と呼びます。
もちろん、済州島の勢力も、武装して対抗しますが、その鎮圧と称して、当時の韓国政府が、右派武装勢力と手を組んで、村の焼き討ちなどの虐殺を行います。その時の犠牲者は、島の人口の1割近い、1万数千名の人命が失われます(最終的には8万人とも言われます)。
ほぼ同時に、済州島に近い本土の部隊に、この事件の鎮圧命令が出ますが、これに反発した一部の部隊が反乱を起こし、韓国軍と戦います。結局鎮圧されますが、民間人を含めて数千名の死者を出したといわれています。
その後、朝鮮戦争が本格化し、さらに38度線で、戦線が膠着し、事実上、今の北朝鮮と韓国と言う、半島の分断の歴史が始まります。
しかし、その陰で行われた、済州島の事件は、長く軍事独裁政権が続いた韓国では、歴史的調査が行われず、その経緯は、ずっと伏せられてきました。
しかし、韓国の民主化に伴い、歴史の見直しが行われ、4.3事件についても、同国人が、一方的に弾圧を行ったこととして、2006年に、ノ・ムヒョン大統領が、済州島を訪問し、謝罪を行うということがありました。
歴史の中には、正史とは別に、どうしてもこのような事件が、日の目を見ないで放置されるということが起きます。
このことを日本に照らして見ると、沖縄と言うのは、独自の文化を持つ琉球王国であったものを、江戸時代に薩摩藩が武力で支配し、形式としての琉球王朝を残し、そこを通じて清国と貿易を行う手段として使いました。また、琉球には、黒糖や琉球上布などを税として納めさせ、薩摩藩のみならず、幕府も利益を得ていました。
私の個人的見解にすぎませんが、日本人の多くにとって、戦争中、沖縄と言うのは、前述の韓国にとっての済州島と同じではなかったのか?
同じ国家内でありながら、歴史的に支配、被支配の関係にあった地域に対して、差別的に扱ってきたのではなかったのか?
漫画家の水木しげる氏が、述解していますが、従軍慰安婦の多くは朝鮮人であったが、沖縄の人も多かったと。
歴史的に見て、1940年当時、琉球王国が、「琉球処分」として、大日本帝国に併合されてから、60年程度しか過ぎていません。
あの時点で、本土出身の日本人に、沖縄の人に対する差別意識があったのではないか?
っと言う疑問があるのです。
だから、沖縄戦では、捕虜になった住民を襲撃して殺害したり、スパイ容疑で審理もなしに処刑したりと言った、日本軍による暴力があったのではないかと思うのです。
ここでは語りつくせませんが、戦後も、沖縄出身者への差別はありました。最近はやっとなくなったようですが、それでも、先般の教科書問題では、沖縄の人を差別するような発言が多く聞かれました。
私が言いたいのは、済州島の件も沖縄の件も、一応同じ国でありながら、歴史的に、支配と従属の関係にあった場合、同国人に対してであっても、虐殺や、不当な暴力が加えられていたのではないかと言うことです。
これを読み解くのは、歴史的事実だけでは難しく、当時のそれぞれの人の内心がどうであったかと言う、今ではうかがい知ることの出来ないことが根底にあります。
しかし、ほぼ同じ時代の、韓国と済州島、日本と沖縄、っと言う、似た歴史的背景の場所で、本土側の都合による、現地人の犠牲と言う、同じようなことがあったということは、社会学的に分析すれば、やはり、異文化差別の問題に突き当たるのでは無いかと考えています。
違うのは、ノ・ムヒョン大統領は、現地に行き謝罪しました。日本政府は、沖縄戦での集団自決などに、軍の関与は無かったと強弁しようとしました。
日本のほうが、歴史を直視する姿勢に欠けているといわれても仕方がありますまい。
また、現在、日本の米軍基地のほとんどが沖縄に存在することについて、本土の人間があまりにも無関心なのは、やはり、日本人でありながら、沖縄の人に対しては、「他所の人」っと言う差別意識が、あるのではないかと思う次第です。
沖縄集団自決問題に対する、本土の人と、沖縄の人の温度差。そこには、依然異文化差別の意識があるように思えてならないのです。それは、なくしていくべき感情だとも思うのです。
似てはいるけれど無関係な事実を、強引に関係付けているよう話ですが、社会学的に見ると、やはり、これは同じ類型に当てはまると。そして、日本のほうが韓国よりも、歴史を直視することから逃げていると。そう感じざるを得ません。
散漫になりましたが、沖縄へ基地を押し付け続けている本土の人の意識の深層に何があるか?考えてみた次第です。

お招きいただきありがとうございます。少し感想を記していきます。
4.3事件については知らなかったので興味深く拝読させていただきました。
私には、マジョリティたる日本人の深層意識はわかりませんが、日本国の施政方針はわかります。沖縄は米軍に捧げた基地の島です。
敗戦直後にヒロヒトが行った、GHQへの沖縄割譲提案が基調になっています。ヒロヒトの提案は受け入れられなかったが、違う形で実行されて今日まできている。そういう意味では、国のあり方の根幹をなしており簡単には変えられない。
テロ特措法すら廃案にできない状態では、沖縄に対する差別的な基地押し付けをやめさせるのは至難ですね。…といってあきらめるわけにもいかないので、がんばるしかありませんが:)
この話は、偶然知ったものです。
日本の半島支配の歴史を非難する韓国が、実は国内で、このような虐殺を行っていたということ。そして、済州島と沖縄の、歴史的類似。
私は法学部出身でしたが、社会学や文化人類学も学びました。
そうすると、やはり、マイノリティに対する差別と言う図式が双方に当てはまると思うのです。
沖縄が「捨てられた島」であることに、違和感を持っています。
もちろん、私は琉球文化は大事だと思っています。国家と言うものの根幹にもかかわりますが、同じ国の中の多様性を容認できる成熟した平等主義。それを志向したいと思います。
>日本に戻ってすぐの1948年、故郷の済州島では「済州島四・三事件」という弾圧・虐殺事件が起きる。これは、後の作品のモチーフとなっていく。
Wikipedia
4.3事件については全く知りませんでした。恥ずかしながら、済州島のことも、魚の濃い島だから釣りに最適だということくらいしか知らなかったのです。在日韓国人に済州島出身者が多いことやその理由も調べてみて知りました。歴史的にも日本とは関係の深いところなのですね。
沖縄に対する偏見は確かに今もあるように思います。為政者にはそれを強く感じます。ついこの間も、とある政治家が「沖縄も今は日本ですが・・・」と付け足すように話しているVTRを見て、あれれ?と思ったばかりです。
地図で確認すると、済州島も沖縄も、攻め込む側からすれば偏狭の地だったこととなります。勝者が敗者を弾圧するのは歴史の常ですから、おそらくは非道な弾圧があったのでしょう。歴史的な事実を証明するものがあればそれを直視すべきですから、日本は韓国よりも遅れていることとなります。
捨石になっている島、沖縄の基地問題は沖縄と言う位置が重要なのでしょうから、解決は難しいのでしょうね。軍事大国に突き進む中国の発展を見るにつけ、こうした問題を考え始めると途方にくれて、次第にどうしようもなく気が滅入ってしまいます。。。
当時の李承晩独裁政権の圧政に対して済州島の島民が蜂起。李政権の弾圧により、島民の1/3が死亡したといわれています。
李政権、朴政権、全政権と軍事独裁政権が続き、ファシズムの嵐が吹き荒れた韓国ですが、近年の民衆のねばり強い闘争によって民主化を勝ち取りました。
軍事独裁政権時代の悪法、国家保安法の撤廃等まだやらなければならないことが多々あると思いますが。頑張ってもらいたいものです。
済州島4.3事件のような悲劇が再度起きないためにも。
長年,韓国の人々とお付き合いしておりまして,もちろん,済州島事件のことも聞いています.
お説のように,韓国本土に対する済州島は日本本土に対する沖縄,のようなものではないか?と思い,質問したことがあります.返事は昔のことではっきり覚えていませんが,『まあ,そうかもしれません』という感じだったと思います.
日本は未だに沖縄に大量の米軍基地を押し付けていますね.(上の方のコメントにあるように地理的重要性が高いのかもしれませんが) そしてもうすぐすると,沖縄戦の悲劇はなかった,という捏造がはびこるかもしれません.
それに比べて韓国は何歩も進んでいます.これはノムヒョン大統領の資質のおかげだろうと思っています.
ところで,済州島のネイティブの顔をご覧になったことありますか?もう十回近く行った事がありますが,本土の人達よりはまた一段と日本人の要素が入り込んだ顔で,最初はとても驚いたものです.
(というようなことは誤解を招きそうなので気軽に聞いてください)
コメントありがとうございます。まとめてのレスで申し訳ありません。
この事件を以前からご存知だった方も多いのですね。
確かに、在日朝鮮人の多くの方が済州島出身者だそうです。その多くは、この4.3事件以降の弾圧から逃れて日本に来た人たちだそうです。
済州島は、事件時20万人以上の人口だったのが、殺戮と移住の結果、3万人まで人口が減ったとも言われます。
しかし、やはり韓国の民主化の流れと、その経過で、この事件を取り上げ、謝罪と真相究明を約束したノムヒョン政権の姿勢は、戦前体質を引きずる日本の自民党政権と比べて、なんと言う違いかと思います。
アルバイシンの丘さん。済州島は、中世までの独自国家の時代には、朝鮮語とは別の言葉を使用していたと言われます。
中国、朝鮮半島、日本だけでなく、済州島や琉球にも独自文化があったということでしょう。その関係の中に、民族的関係もあったかもしれませんね。
小学校6年の時、級長はMくんといって沖縄出身者でした。戦時中ですがクラスメートの選挙で選ばれています。お説の歴史の記述はその通りで、昔は奄美の人に対しても異邦人扱いをしています。
しかし明治から現代まで、人種差別的な発想はないと思います。あるのは地域差別です。
ヤマトンチュウの方から、(なかった)人種差別が存在するかのように云うのはどんなものでしょうか?。
沖縄に昔から「源為朝後裔伝説」などがあることも考えてみました。
私も地域差別だと思っていますよ。人種差別だという風に読めましたか?
沖縄の歴史は、為朝後裔説もありますが、そのまた前に、「奄美来天孫氏」と言う王朝があったという伝説がありまして、これを見ても、沖縄の民族と言うのは、本土に大陸から渡ってきた民族が、枝分かれして、九州から南に下ったものと考えられています。DNAなど細かく見ると違うかもしれませんが、沖縄人は本土人と同じ人種、民族です。
違うのは歴史的背景と文化です。
私が重視したのは歴史的背景のほうです。
ただ、日本VS沖縄という捉え方はどうかな...と。
「日本」をひとまとまりで捉えることにわたしは抵抗があります。琉球や安芸の国や津軽や周防が、それぞれ独立した政体をもって、平等に発言できる、なんとなく似通った文化を共通項とする、緩い連帯国家、そんなニホンになったらいいな、と思います。
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2341088/2555822