第二次世界大戦後、核兵器の登場もあって、大国同士が正面からぶつかり合う戦争は起きていない。
しかし、朝鮮戦争、アジア・アフリカにおける独立戦争、数次に及ぶ中東紛争、ベトナム戦争、東西冷戦。冷戦後も、ユーゴスラビアをめぐる紛争など、最近のアフガニスタン、イラクの戦争を含め、地上から戦火が絶えたことはない。
幸い、日本は平和憲法のおかげと、前の大戦でひどい目にあった教訓から、軍事偏重路線は取ってこなかったので、戦争に巻き込まれずに済んだが、最近の軍拡、海外派兵の流れには、危険なものを感じる。
では、日本を含めた、世界の平和のために、私たち市民に何ができるだろうか?
私は、大げさなことや、世界を見渡して、などということは、一般市民には過ぎたことであると思う。もちろん意見表明などはどんどんするべきだが、まずは、日本という国が戦争に加担したりしないことに尽力するべきだと思う。
その意味で、今、各地の裁判所で争われている、市民を原告にした、イラク派兵が違憲であるという訴訟などは、重要だと思っている。
また、我田引水になるが、私の1週間ほど前の記事、
http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/82308580.html
http://heiwawomamorou.seesaa.net/article/82392353.html
で述べたように、今の政府がのめりこもうとしている、法的根拠もないままに数兆円の税金を投じて、戦争外交の国アメリカと一体化しての「日米同盟」の強化=軍事偏重路線への、批判を強めていくべきだろう。
私に限らず、多くの人が指摘しているが、アメリカはもはや経済が行き詰まり、「双子の赤字」のうち、財政赤字はすさまじい金額になっている。その中で、ブッシュ「戦争好き」大統領は、また軍事費を増額した。彼もまた、軍需産業と結びついた、ネオコン利権政治家なのだろう。
しかし、アメリカの今の財政事情で、そんなことは長くは続けられないだろう。また、中国はアメリカ、ロシアはヨーロッパと、貿易やエネルギー資源の点で結びつきが深くなっている。古いイデオロギー論に基づいた、中露を仮想敵国とする考え方は時代遅れになっている。
日本でも、右翼たちが、中国の脅威を喧伝しているが、今の日本は、中国に生産拠点を持って、そこの製品をアメリカに輸出して何とか経済成長を表面上は続けている状態で、中国との戦争など考えられもしない。
世界が、密接に結びついていく中で、戦争の可能性は小さくなっていくはずだ。アメリカもブッシュが退けば、次の大統領次第では、軍縮に転ずる可能性もある。すでに、オバマ氏は、ロシアとの核兵器削減交渉をするという持論を展開している。
幻想かも知れないが、アメリカが在日米軍の大幅な縮小に向かう可能性もあるのだ。
残された懸念材料は、中露の激突と、アメリカの戦争に日本が巻き込まれる危険性の2つだと私は思う。中露問題は、日本が口をはさめるはずもないので、先にあげた記事に書いてある、「日米(軍事)同盟」の強化というのが、もっとも恐ろしい。
アメリカがイラクに攻め込んだのは、石油資源獲得が目的だったと、長年、アメリカの連邦通貨準備制度理事会の議長を務めたグリーンスパン氏が断言している。そのようなアメリカの自国の利益のための戦争に、日本が資金だけでなく、兵力まで提供しようというのが、法的根拠を持たない、「日米同盟」の強化であり、それを受けての、自衛隊派遣恒久法制定の動きである。
私たちは、日本人として、そして、実際に被害をこうむる可能性のある民衆として、この動きに反対していかなければならない。
厄介なのは、自衛隊派遣恒久法の制定に、民主党の小沢代表も乗り気である点だ。彼は、父親から、アメリカに逆らってはいけないという教育を受けてきたそうで、このまま、民主党が政権を取れたとしても、軍事面では、自民党と大差ない政策を取る可能性がある。
そうはいっても、自民党の憲法改正草案の方が、民主党のそれよりも、復古的で危険でああるのは確かなので、「よりまし」な選択として、今は民主党を応援せざるを得ない。しかし、言うべきことは言って、民主党内でも軍事偏重ではない勢力を伸ばすことを心がけていくことが大事だろう。
平和を守るには、まず足元から。これが大事だと思う。
その一つの一歩として、明日の岩国市長選挙、大きな意味を持つのである。
井原候補の当選を願いたい。

>日本を含めた、世界の平和のために、私たち市民に何ができるだろうか?
こんな答えはいかがでしょう?
「平和のために市民が出来ることは、市民をやめること」
え〜、この答えの理由を続けて書こうかと思いましたが、長くなるのでやめます。替わりに記事をひとつTBさせてもらいます。
初コメントありがとうございます。
記事読ませていただきました。感想はそちらのコメント欄に残して来ました。
今後ともよろしくお願いします。
1.国連や現地、欧州との連携で、『米国抜きでのミッションへ』自衛隊を派遣する「実績」づくり。
2.非軍事協力との連携による『総合的な援助』の「実績」づくり。(自衛隊は、武装集団から非軍事協力を護衛する、という役目にする。)
利害得失の面で動かないと、誰も動いてくれないのが国際社会の現状です。納得できなくても納得し、賛同したくなくても賛同する。こういうスタンスこそ、反戦平和を訴える、特に日本人には必要なマインドです。
おっしゃることの半分は私も同じように考えています。
危険なのは、暴走するアメリカ軍に使われることであって、国連での合意があり、アメリカ抜きであるならば、ある程度の派遣はありうるかもしれません。
ただ、言葉じりをとらえるようで恐縮ですが、利害得失で考えるならば、日本は非武装中立にして、いかなる紛争にも介入しないという方が、得ですよ。それで制裁を受けるわけでもなし。
私はカナダに住んでいますが、カナダは今アフガン派兵をとても後悔しています。ブッシュのインチキなリクツでもって軍事活動に参加することは愚かなことだと分かったからです
いま日本は八十年前とおなじように長期にわたる戦争へ引きずり込まれようとしています
「現状の国際社会では○○は不可避」というような言は粗雑なレトリックと知ってください。論理になっていないのです
「国際社会」とは何かという定義から考えてください。「武将集団」「テロリスト」「アルカイダ」「大量破壊兵器」「国際貢献」というマジックワードでもって思考を停止してはいけません
コメントありがとうございます。
そちらの記事にもコメントして来ましたが、私が海外に派遣してもよいと思っているのは、文民警察官だけです。
自衛隊はそのありようからして根本的に改めるべきです。日米同盟という名の、偽りに満ちた軍事偏重路線に陥ってはならないと思っています。
wakuwaku_44さんのコメントに対して
「おっしゃることの半分は私も同じように考えています」とあったのを自衛隊派遣に賛成されたのだと誤解しました
紛争介入は自衛隊の有無に関係なく、得策ではないと思います。ただし、『要請を受けた国連のミッションを拒絶する』というのは、制裁を受けることはなくても、眠り猫さんが求める国際社会に、日本が先導的な役目を果たすことも苦しくなるということはあるかと思います。
ただし、上記2つは「今現在は」という前提での話です。これをどう「理想」に近づけていくのか、という「プロセス」を構築することが、眠り猫さんのお考えを実現するのに確実な方法なのだろうと思います。
>いま日本は八十年前とおなじように長期にわたる戦争へ引きずり込まれようとしています
それはないです。イラクにしてもアフガンにしても、日本が巻き込まれるというよりも、国連が課題として抱える問題ですね。ソマリアも同じような感じになっています。
>「現状の国際社会では○○は不可避」というような言は粗雑なレトリックと知ってください。論理になっていないのです
それはあまりに失礼でしょう。
武装集団やテロリストは、単に犯罪集団というのではなく、軍事兵器を持っているわけです。マラッカ海峡の海賊ですら、海軍じゃないと対処できない攻撃力を持っているのもいます。
日本側が一発の銃弾も撃たないとしても、自衛隊以外に「防御できるもの」を持っている組織は、日本国内にはありません。
おっしゃる通りかと思います。
ここではあえて非武装中立という言い方をしただけで、私自身の考えは、軽武装全方位外交というのが理想です。
そして、「理想」に近づけていくのに、「プロセス」を重視することにも賛成です。
今朝の記事で、アメリカ大統領選挙について述べました。アメリカの政策によっては、日本の政策も大きく変わるはずです。
ぜひ、ご覧ください。
>私が海外に派遣してもよいと思っているのは、文民警察官だけです。
停戦したばかりで武装解除をしていない場所では、「文民警察官だけ」というのは危ないですよ。カンボジアで高田警視の殉職事件がありましたが、その事件が如実に証明してしまっています。
>自衛隊はそのありようからして根本的に改めるべきです。日米同盟という名の、偽りに満ちた軍事偏重路線に陥ってはならないと思っています。
国際貢献は、「非軍事の分野こそが肝心」であることは疑いありません。
そして、自衛隊の派遣というのは、「非軍事活動の実効性を高めることが目的」ということを踏まえておく必要があります。
眠り猫さんが描いている貢献までのプロセスとしては
1.国連や日本政府が仲介役となって、各武装勢力や政府との間に停戦協定等を結ばせ、停戦に持ち込む。
2.武装解除の確認を行うか、あるいは、勢力圏の境界に国連のミッションとして軍(日本は自衛隊)を派遣し、相互に軍事行動が起こせないように監視する。
3.現地政府の警察組織を成長させつつ、警察的活動を、文民警察とMPが現地政府との協力の下で行い、治安を維持する。
4.上記3つで丸腰のNGOを含めたボランティア組織の安全を確保した上で、これらが医療福祉、教育、食糧援助等の民生衛生活動に専念させる。(インフラ整備も含む)
現地政府の治安維持力が向上し、停戦が崩れる心配がなくなれば、自衛隊は撤退ということになります。撤退の時期は早ければ早い方がいいわけで、このためにも、現地政府や国連との連絡を外交努力で図っていくことは言うまでもない、ということです。
物事を、具体的かつ現実的に思考しようという姿勢には敬意を表します。
確かにそのようなステップもありうるでしょう。しかし、日本が軍事的貢献をしなければならないという理由は存在しないのです。
ですから、おっしゃる通りとしても、自衛隊を派遣するのは極力避けるとともに、もし派遣するとしても、利害関係の深い、東南アジアに限定するべきでしょうが、東南アジアには日本の侵略の傷が残っているので、また別の問題も発生します。
おっしゃる中での外交努力の中には、「自国民を殺させない、殺人者にしない」という目的も持って行うべきで、国連の上で、やむを得ない議決になれば従うということにするべきでしょう。
あと、国連でも、安保理で無く、総会の意志であるべきです。
非軍事活動の警護や停戦監視については、さすがに軍事組織でないと危ないです。この役割を他の国に任せるという手もないことはないですが、諸外国から歓迎される手ではないと思います。
>自衛隊を派遣するのは極力避ける
もちろんです。自衛隊を派遣するというのは、それだけ現地が軍事的に不安定ということですから、「自衛隊派遣できた、バンザイ!」って喜んでいられる状況ではないです。
>東南アジアには日本の侵略の傷が残っているので、また別の問題も発生します。
一部の華僑の勢力が強い国を除いては、問題が発生するどころか大歓迎を受けます。実は、日本は、東南アジア諸国からマラッカ海峡への海上自衛隊の派遣を希望されたり、中には軍事同盟を結びたいという声もあるのです。日本政府は2つとも断っていますし、その意思もありませんが、そういう事実はあります。
>国連でも、安保理で無く、総会の意志であるべきです。
お気持ちはわかりますが、国連憲章によれば、総会決議には、あまり実効性はありません。
もし、それを望むならば、国連憲章の改定が必要となりますが、それを日本が主導するとすれば、やはり、軍事オプションでの貢献も含めた国際活動の実績を積み、諸外国から2/3以上の支持を受けられる国にならないと難しいと思います。