アメリカで、サブプライムローンの焦げ付きに端を発する、バブルの崩壊が迫っているらしい。
先日のG7蔵相会議でも、景気の先行きが不透明なことを確認したに終わった。それへの対応も、各国の事情が違い、統一した景気対策を打ち出すこともできなかった。
ことは、サブプライムローンの焦げ付きだけの問題だけではない。アメリカではその他の景気指標も軒並み予測を下回る状況で、景気の減速は明らかである。
アメリカでは、FRBが、政策金利を大幅に下げ、金融面での景気刺激策を取り、経済音痴で知られるブッシュ大統領も、FRBに促される形で、財政出動(と言っても暫定減税の継続が柱だが)による景気の下支え政策に出た。
今や、経済面でも、輸出を除いては、アメリカの風下にある日本でも、景気後退が懸念される状況になっている。株価は昨年に比べ大幅に下落し、東証平均株価で、昨年の最高値18,500円台から、今は13,500円前後で取引されている。わずか半年余りで、30%近い下落である。
日本の金融機関のサブプライムローンの損失は、非公式ではあるが、100兆円と言われている。
日本では、コイズミ政権が進めた、構造カイカクで、35兆円に上る為替介入により円安を誘導し、輸出産業に為替メリットを与えてきた。また、景気刺激策として、長年にわたり政策金利を0に近く抑えてきた。
ここにきて、海外の景気減速で急激に円高に振れ、景気が良いという、政府の大本営発表の根拠となっていた、製造業の利益が圧縮されてきている。
金融機関の損失の拡大と、円高による製造業の利益の圧縮という形で、日本の景気も減速が懸念されている。
しかし、金利は史上最低水準であり、アメリカのように、金融面での景気刺激策は取りたくてもとれない。また、アメリカの景気減速で、アメリカの購買力が下がれば、輸出に頼っていた日本の製造業の後退も懸念される。
さらに、アメリカの景気減速分を、中国やインドなどの新興国への輸出でカバーできるという説も、先日、上海市場が20%以上も下落するなど、米中同時バブル崩壊という、最悪のシナリオが現実のものとなろうとしている。
この状況下で、日本が取るべき道は、常識的には内需の拡大しかない。
しかし、コイズミ改革のもとで、勤労者の所得は9年連続で減少しており、これまでも、政府の大本営発表による、経済の拡大という言葉とは裏腹に、国民生活は窮乏を極めていた。
労働市場の自由化による、低賃金競争の結果、派遣や日雇いなどで、ワーキングプアと呼ばれる貧困層が生まれ、国民の大半が、「景気が悪い」という生活実感を持っている。
さらに、ここにきて、さまざまな要因による、食料品の大幅な値上げ、石油価格の高騰という現実は、国民生活を直撃しつつある。 この事態に、どのように対処するべきであろうか?
内需拡大しか方法がないのであれば、国民の可処分所得を上げるしかない。そのためには今まで、財界側のやり放題だった、賃金抑制策を改め、最低賃金だけでなく、労働者全体の賃上げを図る必要がある。企業には、ここ数年の好業績で内部留保が相当あるはずで、その分を、賃金に向けることで、それが消費に向けられ、内需拡大につながる。
さらに、国は財政難にあると言うものの、予算の配分を変え、社会保障の充実に向け、それによる内需の拡大も行うべきである。
そのためには、コイズミカイカクで、実情を全く無視しての、社会保障削減ありきの政策を180度変更し、軍事費やアメリカ国債購入、為替介入などになどに費やしてきた資金を、社会保障に向けるしかない。
昨年の、住民税の大幅増税と、所得税の暫定減税の撤廃により、給与所得が大きく減ったことを実感した人も多いだろう。このような政策を再度行う必要性もあるだろう。
このような状況の下で、不急不要な、ミサイル防衛などはやめて、そこで「当面1兆円」と言われる税金を、社会保障に転用するべきである。
また、冷戦終結で、実際には、日本本土への攻撃の可能性は減少したという認識に立ちながら、北朝鮮や中国の脅威を喧伝し、増加を続けてきた軍事費全体も見直すべきである。
もちろん、道路特定財源の一般財源化、社会保障への振り向けなどは当然である。
また、自民党が昨年末持ち出してきた、「社会保障と消費税の一体化」論議というものは、国民を欺く欺瞞であり、利権政治家たちが自分の既得権益を守るための口実でしかない。そうすべき理由などないのである。
(ランキング、応援よろしくお願いします。現在12位で、右翼のブログを急追中です。)
