2008年03月14日

中国の崩壊の影響を防ぐために、何ができるのだろう?

 中国の問題を取り上げるのは、メインテーマとしては初めてです。
 ウヨウヨさんたちは、沖縄での少女暴行事件もイージス艦の漁船撃沈事件も無視して、ひたすら「毒餃子」、「餃子テロ」とか叫んでおりましたが、それとは今日の話は関係ありません。
 しかし、左派、リベラルの側も、やはり意図してか否か、中国関係の問題に触れてこなかったように思います。

 今日、私が提起する提案、というより疑問は、中国の経済発展がこのまま続くとは思えないことと、国内で起きている貧富の格差の拡大、情報が制限されているだけで、各地で起きているという農民暴動や一部の軍の暴発、そして、富裕層がやがて目先の利益の次に権力を求めたらどうなるか?というような、中国の将来に対する不安が根底にあります。

 中国の経済発展は、ケ小平氏が先鞭をつけた、市場開放、そしてやがては事実上の資本主義、新自由主義の導入が元になっています。しかし、ケ小平氏は、「先富論」と言って、「先に富めるものは先に富めば良い」と言って、貧富の格差の拡大を容認しました。沿岸部の特区などから始まった経済発展は、安い労働力で日本を中心に海外からの投資を呼び込み、大変な経済成長を遂げています。

 しかし、内陸部の農村部では、それらの富の恩恵を受けられず、地域格差が拡大しています。

 また、水害、大雪などの被害は、すさまじい範囲に及んでいますが、被害内容は伝わってきません。
 このような状態の中で、社会主義国でなくても、国内はゆがみ始めるでしょう。そして、社会主義国の体制と、資本主義で力をつけた富裕層がやがて衝突する可能性もあります。一方で貧困層の暴動などが拡大して手がつけられなくなるという状況も考えられます。
 なにぶん、情報が統制されており、知り合いの北京大学留学している方に聞いても、中国国内のことですら、良くわからないようです。

 そんな中、餃子事件は、中国の食の問題に不安を投げかけました。原因はまだ分かっていないのですが、どんな原因にしろ、不安が拡大したのは事実でしょう。北京オリンピックが近づくにつれ、アメリカは選手やスタッフ用のすべての食料をアメリカから持参するとか、男女のマラソン世界記録保持者が、北京の大気汚染を考えて、マラソンへの参加を辞退するというニュースも流れました。
 実際には、輸入食品で、中国から入るものよりも、アメリカから入る物の方が、異常な物が多いと言うのが事実らしいですが、一度広まった不安感は容易にぬぐえません。

 そして、北京オリンピックに向けて、さまざまな改善が行われているようですが、多分に社会主義的な強権発動で行っている面と、資本主義の論理で、法律が不備な中、地上げなど、日本のバブル期に起きたような事件も起きています。

 いわば、中国は、社会主義国家体制のまま、日本の高度経済成長期からバブルまでの時期を猛スピードで駆け抜けているように思います。
 経済がうまくまわり、社会主義体制もうまく機能しているうちは良いですが、いわゆる「中国バブル」の崩壊が現実となったとき、何が起きるか、全く予想がつきません。

 最悪の事態は中国が内乱状態に陥ることです。天安門事件のときに、各地の軍が別々の意図で動いたことは記憶にあります。もし、中国が混乱し、内乱になれば、ひとつは進出している日本企業が大打撃を受けることと、もう一つは、食料品の輸入などに問題が生じ、日本にも重大な損害が生じる可能性があります。

 とすると、日本が行うべきことは、社会主義中国を支えるという意味ではないですが、現在の中国の体制が、中国バブル崩壊後、混乱する事態になった場合、またはその可能性が出た段階で、内政干渉にならない範囲で、中国の崩壊を防ぎ、ソフトランディングを手助けすることと思います。
 小沢民主党代表が、韓国で講演した際、私と同じようなことを言ったようです。しかし、私は小沢代表の発言の背景も知らず、その真意はわかりません。

 しかし、真面目な経営者、政治家は、やはり中国の急激な経済の拡大とそれがもたらすひずみ、そしてその資本主義的側面と、体制の社会主義的側面の矛盾が、経済がうまくいかなくなったときにどうなるか、どうするかを考えているはずです。
 中国国内でこのような発言は絶対に無理でしょう。ですが、まずは中国の多くの人民が悲惨な状態にならないことを最優先に、中国が混乱しないことを目指して、日本も働きかけを行うべきだと思います。どのようなプロセスで、どのような結果が起きるか、私にはわかりませんが。
 しかし、経済の無限拡大があり得ない以上、たとえバブル崩壊がなくても、いずれは調整局面を迎えるでしょう。その時、何かが起きるのです。

 もし、核をもった地方軍が、過去の清帝国末期のように軍閥として分裂した場合、それは世界全体への脅威です。そうならないように、何とかする。そう考え始める必要があると思います。
 ソビエト崩壊が一つのモデルケースかと思います。しかし、旧ソビエトは、一度クラッシュした上で立ち直り、今のロシアとして石油や天然ガスを元に復興していますが、中国の場合、体制内に矛盾を抱えたまま、経済発展を一気に突っ走り、その先はわかりません。
 ただ一つ言えることは、中国の混乱は、日本にとっても衝撃的な不都合が生じることです。それを避けるためにできる何か、それを日本の政治家、経営者に考えて欲しいと思います。

(本日も、ランキング応援よろしくお願いします。)
posted by 眠り猫 at 18:32| 東京 霧| Comment(2) | TrackBack(2) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ。
始めて拝見しましたが、説得力ある文体で引き込まれてしまいました。
それで、今の日本の状況はと言うと、「中国特需」に頼りざるを得ない状況であります。ある精密会社の方が言っていましたが、「北京オリンピック」が終わるまで走り続ける。けれども終わったら日本経済にも大きな打撃が来るだろうと。
日本だけでは無いですが、中国マーケットは全世界が狙われて富裕層は浮かれてしまっている。それに比べて農民は極貧で出稼ぎに出ないと暮らせない=農民の減少を生んでいます。
中国の暴走は自滅の道を進んでいるとしか思えません。ていうか、餃子の件にしろ、チベットの件にしろどこか納得行かない中国のお役人達には、既に終わっている感想も持ちます。
Posted by hide at 2008年03月18日 22:20
>hideさん
 おほめ頂き汗顔のいたり。
 全く同感です。
 また、私が見た、経済専門家の話でも同様のことを言っていました。
 中国政府も、オリンピックまでは強権発動で、表向きを取り繕っていますが、そのような事態が長続きするはずもなく、オリンピック後に、経済面では「調整局面」(これは、景気後退を現わす、欺瞞的用語です)になり、浮かれている富裕層はショックを受けて不満を持つようになるでしょう。
 農村の疲弊は日本以上の面もあり、それより遠方の地域では、チベットのようなことが起きています。
 力で抑えようとすれば一層反発は増すでしょう。
 日本企業はすでにベトナムやウクライナなどに拠点を移すなどの対策に動いていますが、単にそれだけでは無く、その混乱が日本を直撃しないためにも、ソフトランディングできるように、知識や人材で支援ができないかと考えています。
Posted by 眠り猫 at 2008年03月19日 03:24
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