チベットでの独立運動も含めた、騒乱が拡大している。
そもそもは、チベットの中心、ラサで始まった僧侶数百名によるデモに、当局が殴打、連行などで対処したことから、騒ぎが拡大したらしい。
特に、当局(漢民族)は、銃の発砲はしていないと言っているが、別の目撃者の話では、群衆に装甲車が突っ込み、100人以上をなぎ倒し、その倒れた人々をどこかに運んで行ったそうだ。やはり、圧倒的な武力による、鎮圧をしようとしたのには間違いない。
ラサでは厳戒態勢が敷かれ、事実上騒乱は収まっているが、チベット人が住む、甘粛省、四川省の一部でも騒乱が起き、四川省では8名ほどの死者が出たという。
日本人が思っている以上に、チベット仏教は広い広がりと信者を持っており、中国国内や、国際社会では、モンゴル、ブータンなどの対応が注目される。
また、何よりも、銃器を持たない群衆に、武力弾圧をかけることの非道さは、いずれにしろ非難されてしかるべきだ。
中華人民共和国は、成立当初は、旧ソビエトにならって、民族ごとの国家の成立を認め、中華連邦に入るも出るも自由と言う寛容な姿勢だったが、数年をして態度を変え、国民党軍の残党がチベットに逃げ込んだのを口実に、チベットを侵略し、支配下においた。
その後、数度にわたる、独立運動や蜂起があったが、中国政府はすべて武力で抑えこんできた。その犠牲者の数はいまだにわからないが、49年前のチベット蜂起の際には8万人が殺されたという。
調べてみたが、「チベット」の範囲は、旧チベット国の範囲を大きく超え、上記の各州、県に及ぶ、「大チベット」と言う概念がある。また、モンゴル帝国(元)の時代、モンゴルはチベット仏教を信仰していたため、今のモンゴルをはじめ、中国国内のモンゴル人にもチベット仏教は浸透している。
いわば、その総本山での騒乱は、中国国内に波乱の種を蒔いているに等しい。
今回の事件に際して、日本国内にも、馬鹿げた反応が2つある。
レイシズムに基づいた、根拠のない中国蔑視の立場から、チベット人に対して、「いいぞやれやれ」と言うような無責任な妄言を繰り返している右翼。彼らはチベット人すら差別するだろうに。
一方で、中国共産党のドグマに染まり、チベット側を一方的に非難する、現実を見ない古い左翼。
どちらも、暴力と殺人と言う現実を直視せず、自分勝手な理屈を振り回している幼児のごとき発言だ。
私は、いかなる弾圧、殺人にも反対する。人権抑圧もそうだ。中国が侵略をしたから、日本の過去の侵略が免罪されるという愚論も聞きあきた。どちらも悪であり、愚かな行為だという見方がどうしてできないのか?そして、自分が銃口の前に立っているわけでもない。無責任な発言は慎むべきだ。
ここにきて、ダライ・ラマの中国政府との宥和策、非武装活動に、チベット人から反対の声があがり、武装闘争を呼びかける声が強まっているそうだが、そうならないでほしい。またアメリカのCIAが策動し、武器支援などを行うのであろうが、それによって事態は沈静化はしない。より大きな武力での弾圧につながり、また虐殺が繰り返される元になるだけだろう。
国際社会の支援を待って、武力闘争は避けてもらいたい。
北京オリンピックを前に起きたこの事件。中国政府は力で抑え込み、何事もなかったように「平和の祭典」を開こうとしているが、それには反対するべきだと思う。オリンピックを開くのなら、チベット人民との対話による解決を図るべきだ。それができないなら、一部の国のボイコットはありうるだろう。日本政府の無関心、無対応(高村外相がコメントした程度)は、アジアの同胞として、あまりにも鈍い。とにかく、人命、人権の侵害には毅然とした態度で批判するべきだ。
事態がこれ以上悪化しないことを願うが、一時沈静化しても、より大きな騒乱が起きる可能性を秘めている。オリンピックの最中に大暴動が起きたら、中国政府はどうするのか?また、それを防ごうと、チベット人を逮捕、拷問するという人権侵害は許されざることだ。
対話による解決を切に望む。
チベット問題でのネット署名
Freedom of Tibet Petition
http://www.petitiononline.com/132d32/petition.html
(本日も、ランキング応援、よろしくお願いします。)

おっしゃる意味はわかります。
しかし、私の記事をよくお読みください。私は人命と人権侵害に抗議しているだけです。チベット独立をあおるようなことも書いていません。
国内の問題では私はささやかですが募金などに応じています。
私からみれば、国境を越えて、同じ問題として捉えようということです。
他国のことには無関心、では済まされない世になっていると思います。
すいません。次のエントリーに書きましたように、勝手ながらランキングから撤退しました。応援ありがとうございました。
前のコメント経緯から、表には出しませんでしたが、ご意見承っておきます。
ただ、私が、右翼の言うような、単なるレイシズムに基づく中国批判をしているのではなく、あくまでも暴力と人権侵害への批判をしていることにはご留意ください。
また、中国が解決不可能と思える問題を抱えているのも事実で、それは影響をこうむる日本も真剣に考えねばならないと思っています。
某所へのコメントを書いたような、愚か者とは一緒にしないでいただきたいのですが。