その前に、5日に市民団体のブースで、6日のイベントに行くことを約束しながら、疲れていたのですっぽかした、差別反対運動者の皆さん、まことに申し訳ありませんでした。疲れ切っていたもので・・・。
さて、前の記事でも述べましたように、この第6シンポジウムは、個性のある発言者が多く、まとまった議論というよりは、それらの発言者が、個々の意見を述べるという感じでした。
まず、「発題者」としての品川正治さんと、水島朝穂さんの発言。
品川さんは、ご存じの方も多いでしょうが、84歳という高齢ながら、自らの従軍体験を基に、現行憲法の重要性を各地で講演されている方です。
品川さんは、穏やかながら、非常に重みのある語り口で、現在、権力者によって、憲法9条の旗はぼろぼろになっている。しかし、国民がその旗竿を手放さない限り、まだ負けていないのだ。という話をされました。また、「ここにもおられるだろうが、マスコミの責任が大きい」とも断言されていました。
水島先生の話を聞くのは初めてだが、大変に面白い方だった。しかし、話はシビアで、特に、名古屋高裁におけるイラク自衛隊派遣違憲訴訟での違憲判決を高く評価し、それを無視しようとする政治家たちの姿勢を強く批判していた。高裁の判決はやめる間際の裁判官1人だけで書けるものでは無く、3人の裁判官の合議によるものである。また高裁で確定した判決を順守すべきは政治家であり、それを「傍論」云々というのは、後の裁判で言われるか否かということで、政治家は三権分立に基づき、この判決を尊重しなければならないと強調されていた。
伊藤塾塾長、伊藤真さん、神戸大学大学院アレクサンダーさん、精神科医師香山リカさんのお話はそれぞれ興味深かったが、一番印象に残ったのは、コーディネイターである湯川れい子さんが、発言者全員に振った、「憲法9条を改正させ、戦争への道を進めようとしているのは誰か?」という問いに、品川さんらを含め、5名が答えたことである。
ここで出されたのは、まず「アメリカ」という答えである。品川さんは、日米ともに「権力者」であると断言した。これに加え、その権力者を選出している、国民、市民自身にも責任があると意見が出された。
これらは、ほぼ護憲派の共通認識だと思うが、特に市民の責任について言及されたのは興味深かった。この話を聞いた人は、多くは、「自分は違う」というかもしれませんが、現実に自民党という戦前の政治家の系譜を継いでいる、古い体質の反国民的行動をとる政党に、戦後60年も政権を与えてきたのは国民であり、その点を反省しなければならないでしょう。
あと、雑駁になるが、湯川れい子さんが、「女性パワーに期待するなどといわれるが、男性自身はどうなのか?戦争を起こすのも行うのも男性では無かったか?この男性原理について、精神科医の香山先生どうぞ。」と振ったのだが、香山さんは、やや下品になるが・・、と言いながら、男は、たとえば精力剤で、80歳になってもビンビンです・・・。などというように、どこか誤った自尊心を持っている、と述べ、女性からすると、80歳でビンビンでも、それが魅力というとそういうわけでない・・・と来て、御歳84歳の品川さんがいることに気づき、あわててフォローを入れたりしていた。
国粋主義者、軍国主義者、改憲主義者の多くは、老人であり、何か、誤った精力剤として、改憲・軍拡という妄執にとらわれているのでは?というのは面白かった。
しかし、この話は、私個人にとってもなんとなくわかる話であった。
私が、大企業でエリート街道驀進中のころは、国政に対しての自分の努めは、一票の行使で十分と考えていた。しかし、過労うつ病をわずらい、会社でも窓際族に追いやられた私は、数年前から不十分ではあるが平和運動を始めた。それ以来、なぜか、街中の子供の笑顔が愛しい。、ニュース等で事故の報を聞いた時、死者が出ないかと気になり、もし出ると、まったくの他人であっても悲しくなる。特に被害者が子供であったりすると、ものすごく悲しい。
以前の私が男性原理を体現して、既存のレールの上を驀進していたとすれば、今の私は中性的であり、他者への配慮や、痛みを感じることができるようになっている。私は今の自分に満足している。
あと、最後に、ピースボート主宰の吉岡さんが、自らの体験として、日本がイラクに派兵して、アラブ諸国の国民の対日感情は明らかに悪くなった。また、紛争地帯に行き、9条の話をすると、99%の人が、それを望むと言うというお話を熱っぽく語られた。
他にもさまざまなお話があったが、今のところまとまって思い出せるのはこの程度である。雑駁で申し訳ないが、これにて、とりあえず第6シンポジウムの報告としたい。
