昨日、安倍首相が以前からこだわっていた、「日本版NSC」の設置のための準備組織が動き始めたとの報道があった。
「NSC」とは、
アメリカの大統領直属機関で、国家の「防衛」(アメリカの場合、侵略も「防衛」と言うけれど)のために迅速に活動するための機関であり、セクション横断的で、時には個々の部門・部局の上位に立つ組織である。非常時以外は情報収集以外は休眠している。
現在、太平洋戦争後、61年間戦争をしてこず、また平和憲法で戦争の放棄を宣言している日本で、どうして「戦争国家アメリカ」と同様の組織が必要なのか、全く理解に苦しむ発想であったが、昨日の報道を見て、その理由がわかった。
まず、大統領制のアメリカと違い、議院内閣制で、また各省庁の力が強い日本では、「NSC」方式はうまくいかないと、見られている。実際、頭越しを前提にされている外務省などは冷ややかな目で見ているらしい。
それらの省庁から専門家を集めねば機能しないはずのNSCが、総スカンを食っているのである。
さらに、今回の設置準備に名前を連ねているメンバーを見ると、どこにでも顔を出すが実績が何も無い、「自民党の
マドンナ」小池百合子、同じような程度の、石原慎太郎の息子、はるか昔の浅間山荘事件の指揮をとったことだけで生き延びている御用評論家佐々淳之らである。
実質的に、「NSC」として機能するために必要な人材とはとても思えない。
これは報道から知ったのだが、安倍首相の腹積もりは、「日本版NSC」をつくり、あたかも日本に脅威があるかのように煽りたて(北朝鮮の核兵器や
中国の軍拡を口実にするのだろうな)、「国防」の重要性を叫び、その上で日米安保条約を持ち出してきて、その「双務性」から、「アメリカに守ってもらうだけではダメだ」と言う風潮を作り出し、「集団的自衛権の行使」まで、憲法をいじることなくなし崩し的に持って行く方向であるらしい。
しかも、その目的は、日本がアメリカとともに、アメリカの戦争に参加する道を開くことを
手土産に、アメリカの次期政権(民主党でも共和党でも)に、安倍政権を評価してもらい、長期政権を目指すというもの。
端的に言えば、「戦争をしないはずの日本が、他国(アメリカしかいないが)の戦争に加担し、そのことにより、安倍がアメリカに誉めてもらう」ためのみの組織なのである。
私は、かねてより、安倍政権の政策の中で、「憲法をないがしろにした上での集団的自衛権の行使」をもっとも強く批判しているが、まさにその正体が明らかになったのである。
安倍首相は、「アメリカを狙った弾道ミサイルを日本が打ち落とせないというのはおかしい」とか、「マラッカ海峡で日米の軍艦が並んで走っているときに、アメリカの艦船が攻撃を受けたときに、日本は何もしないのか」などと言う、極端に例外的な、しかも日本よりも圧倒的な軍事力を持つアメリカを「守ってあげる」と言う、おかしな詭弁を弄して、「集団的自衛権の行使」に突っ走ろうとしている。
しかし、その目的は、日本をアメリカの戦争外交に追従させ、アメリカの行くところに日本軍を派遣し、アメリカ人の代わりに、日本人の血を流させるためのものに過ぎない。安倍首相にとっては、日本人の生命・財産よりもアメリカの覚えがめでたいことの方が重要なのである。
そして、そうなった時にアメリカの共和党が選挙で敗北したように、民主主義で戦争外交が否定されるのを防ぐために、共謀罪新設や教育基本法の改悪、マスコミへの言論統制など、あらゆる手段で反対を封じ込め、「安倍独裁国家」を作ろうとしているようにさえ見える。そこまでは言っていない、と言う人もいるかもしれないが、実際、安倍の行動はすべてが
セットになっていて、日本を戦争に参加させることを目的にしているのである。
危険である。
今回、マスコミが比較的的確に上記のような情報を提示できたのは、安倍が国民を舐めているからである。NSCをつくり、うまく北朝鮮や中国の脅威を扇動すれば大丈夫と考えているのである。その意味では、核武装発言も全く同様である。
この国民の生命の危機に対して、あらためて強く反対の意向を示していかねばならない。
「NSC」自体を批判するのではなく、それが目指すものは何か?を国会議員らにも働きかけて、国民の前に暴露していくことが重要である。
posted by 眠り猫 at 12:38| 東京

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