2008年04月23日

山口県光市、母子殺害事件差し戻し審で死刑判決

 この事件及び裁判については、ずいぶんと議論が沸騰して来ました。
 今更ここで概要を述べる必要はないでしょう。昨日の夕刊でもニュースでも大々的に取り上げられていましたし。

 さて、私の基本的な姿勢は、原則、死刑廃止論にくみするものですが、一方で、完全終身刑(労役付き)ができて、「社会防衛論」から、凶悪犯罪者を社会から隔離するという「隔離刑」制度を前提とした死刑廃止を唱えるものです。ですから、現行法で死刑が刑罰として存在する以上、その範囲で判決を下した裁判官を非難するという意見には賛成できません。

 今回も判断基準となったのは、永山事件という、19歳の少年が複数の人を殺害した件で最高裁で死刑が確定した事件を基準に、犯行当時、18歳1か月の少年を死刑にするかどうかという点でした。
 しかし、光市事件の裁判は、最高裁で「量刑不十分」として差し戻されたもので、そこで、大法廷判決では無いにしても、すでに最高裁の意思は明確にされていたわけで、広島高裁では、よほど驚天動地な物的証拠で被告の犯罪を否定するものが出てこない限り、死刑以外の判決は下しえなかったものなのです。
 ですから、裁判官を責めるのは正しくないと思います。

 18歳1か月という犯行当時の年齢の問題も、では2か月過ぎなら?3か月過ぎなら?というあいまいさを拡大するだけで、法で定まっている以上、それは死刑回避の理由にはなりえません。逆に、18歳に数か月足りないというだけで、少年法で保護された者もいたはずです。「何か月」というのは心情的なもので、法的な判断根拠にはなりません。

 ただ、今回の判決を見て、少し奇異に思ったのは、弁護側が申し立てた、被告の生育環境で虐待などの悲惨な状況にあったということを、情状酌量には不十分とした上に、過去6年半にわたって犯行事実を認めていたのに、差し戻し審でそれまでの発言を翻し、本人の陳述以外には何の物的証拠がないことを理由に、「発言を翻したのは、反省していない証拠」として、死刑にする理由とした点です。

 つまり差し戻し審での少年側の主張がかえって、死刑にせざるを得ない結果を招いた、という論法を使った点です。
 「情状」、「裁判官の心証形成」というのは、裁判上の重要な視点ですが、この判決では、被告の事件当時の犯罪自体だけでなく、逮捕、訴追後の法廷の内外での言動をも量刑の基準としたのは、行き過ぎのような気がします。昨今、新自由主義による貧困の増大で、若年家庭におけるDVの問題がクローズアップされている中、少年時に虐待を受けていたという情状を認めないというのでは、今後の裁判への影響が懸念されます。

 そうはいっても、上記のとおり、裁判の慣行から、最高裁で量刑不十分として差し戻された事案で、完全に今までの事実認定を覆すような証拠が出てこない限り、今回の場合、死刑以外の選択肢を高裁の判事は持たなかったのは事実です。「法廷の独立」は確かにありますが、仮に今回も無期判決にしても、結局検察が上告し、最高裁で死刑判決が確定する結果になったでしょう。

 ただ、私がこの判決のニュースを聞いて感じたことは、この被告の弁護に集まった弁護士たちへの敬意でした。確かにこの被告は、凶悪な犯罪者でしたでしょう。弁護側としては、判決で荒唐無稽と評されるような被告の発言を基に争わざるを得ず、そこに弁護団側の苦肉の策としての誘導があったかもしれません。
 しかし、弁護団は、この被告の犯罪を免罪しようとしたのではなく、「死刑制度」と言う物の下における、「国家による殺人」を否定すべく努力したのでありました。
 橋下のような、サラ金の取り立て屋をやっていた倫理観の無い弁護士の懲戒請求の煽りなど、国民の非難にもさらされながら、それに耐えて頑張った弁護団は、胸を張っても良いと私は思います。

 マスコミは被害者遺族の本村氏のことばかり取り上げますが、被告にも家族や友人もいたでしょう。そちらの心情についての報道は全くありませんでした。それは公平を欠く報道姿勢だったと思います。

 今後、裁判員制度が導入されるにあたって、マスコミの煽りによって、厳罰化が進むような事態は憂慮せざるをえません。マスコミは責任を取りませんし、本来、国権の一部である裁判所でもないわけで、それが煽りを入れたからと言って、量刑や判断が左右される事態になってはいけないと思うのです。
 その意味でこそ、今回の被告の弁護団は立派であり、本村さんだけに注目する報道や、最高裁の差し戻し審で最高裁の見解以外の判決がでることはまずないことを知った上で煽りをした橋下大阪府知事のような、ポピュリストによって、今後裁判が壟断されることの無いように望むばかりです。

 なお、私が学生時代に、自分たちで行った、死刑制度についての世論調査で、88%の人が死刑制度を認めているという数字からも、日本では世界的な死刑廃止の動きとは逆のベクトルの世論があることは間違いないでしょう。
 そこには、日本の江戸時代の「仇討」の思想があり、毎年12月になると忠臣蔵もののテレビ番組が放送されたり、某長寿時代劇でも勧善懲悪、仇討推奨の内容が毎週(再放送を入れると毎日)垂れ流されている状況では、日本人の、「応報刑」を求める思考に変化は起きないと思います。
 しかし、それでもやはり、死刑廃止にむけて活動をし、できれば議員が率先して刑法改正に動き、死刑制度を廃止してくれることを望まざるをえません。

 わかりにくいと思うので、繰り返しますと、私は死刑廃止に賛成です。ただ、そのためには刑法改正が必要で、現行刑法に死刑がある以上、それをもって判断した裁判官を批判することはできない、という立場です。
 正直、法律を学んだものとしては、非常に複雑な思いでこの裁判を見つめていました。現行法での死刑判決は、最高裁から差し戻された時点でほぼ確定しており、その後の被告側の、確かに荒唐無稽な、しかも立証ができない本人の陳述のみによる弁護では、死刑判決は回避しえなかったことは理屈では分かっています。しかし、死刑廃止を望む者の一人として、それでも高裁は情状を斟酌してはもらえなかったのかと、または、意見として、死刑制度への疑問を提起するなどしてもらえなかったか?などと淡い期待を持ってもいたのです。
 その意味では、厳しい判決でしたし、今後の厳罰化、応報刑の強化の方向、マスコミによる裁判外での断罪などが行われることへの危惧は隠せません。

 裁判官を責める気はないですが、残念な判決でした。
posted by 眠り猫 at 02:51| 東京 ????| Comment(4) | TrackBack(5) | 時事

2008年03月21日

横須賀、タクシー運転手強殺犯は米兵か?

 昨日は、1日外出で、記事の更新ができなかった。4月からはこのような日も増えると思うが、お許し願いたい。

 昨日の昼、外出先で見たテレビ番組で、横須賀神奈川県にある、港町。米海軍の基地がある。)で、タクシーの運転手が殺害されて発見されたというニュースが流れた。それを聞いた時、まさか今回も米兵が犯人ではないだろうな?と一瞬思った。なぜならば、沖縄での少女暴行事件の前にも、酔った米兵が、タクシーの運転手の頭をウイスキーの瓶で殴り、怪我を負わせるという事件があったのを思い出したからである。

 そうしたら、今朝の速報では、そのタクシー内から、米海軍の脱走兵の持ち物が遺留品として発見されたという。ここまでで、殺人犯人がその米兵と断定するのは早計だが、その可能性が高いのは事実であろう。

 少女暴行事件の時に、被害者が無防備なのが悪いと言い募った、産経や新潮社の主張に対して、このように、客を無差別に乗せることを生業としている、タクシー運転手の方が悪いという理屈は成り立つまい。
 まぁ、犯人が断定できていない以上、これはひとまず置く。

 しかし、横須賀では、1,2年前にも、夜間一人歩きの女性が、米海軍の兵に、強盗、殺害されるという事件が起きている。沖縄での性犯罪も許し難いが、横須賀での殺人事件も許し難い。
 私の実家は、横須賀がある神奈川県にある。直接の影響はないが、距離的には、厚木基地、元相模原兵器廠、横須賀海軍基地はかなり近い。不安になるなと言う方が無理である。

 私は子供のころ、横浜で育った。あまり知られていないが、横浜港にも米軍専用施設があり、そこに勤務する米兵の住宅が、明治時代は金持ちの保養地だった高台に広がっていた(今思えば、あれらの瀟洒な住宅も、「おもいやり予算」で作られたものであったのだろう)。そこで良く、米兵の子供たちとターザンごっこをして遊んだものだった。

 しかし、本来そこは日本人立ち入り禁止で、夕方になると、アメリカ軍のMPの車が来て、日本人の子供を追い散らし、ゲートから出ていくまで、しつこく監視された。友達の中には、夕方、帰る途中に、米兵の住宅から、散弾銃かライフルを向けられたこともあったという。米兵は日本に入るにあたり入国審査もない以上、銃器や麻薬も持ち込み放題というわけだ。そこは日本では無く、アメリカだった。

 今はその米軍の住宅地も一部が返還されているはずだが、米軍施設が無くなっていないなら、全部が返還されることはあり得まい。

 岩国への米軍艦載機移転の問題も、神奈川県の厚木基地の騒音被害の軽減が目的だったわけで(実際には、仮想敵国の中国により近い岩国に移転したという事情もあるという)、国内での被害の押し付け合いと言う状況を呈している。
 そして、沖縄を代表に、「基地の町」では、米兵による凶悪犯罪が起きている。

 米兵の犯罪件数は、過去よりも減ってきているというデータはある。しかし、凶悪犯罪は必ずしも減っていないように思う。特に、今のように円高になり、ドル建てで給与をもらっている米兵にとっては、日本での生活は苦しくなっている。以前もあったがそう言うときほど、米兵の犯罪が多くなる。タクシー料金の踏み倒しなどは以前も頻発していた。

 今回のタクシー運転手殺害が、脱走兵とは言え、米兵の犯罪だったら、産経や新潮社の言い分は通用しない。その上で、再度繰り返された悲劇に、日本人はどうこたえるのだろうか?

 せめて日米地位協定の改定をあらためて望みたい。
posted by 眠り猫 at 07:31| 東京 ????| Comment(2) | TrackBack(3) | 時事

2008年03月18日

チベット「騒乱」続報と、武力弾圧に抗議を

 チベットでの独立運動も含めた、騒乱が拡大している。

 そもそもは、チベットの中心、ラサで始まった僧侶数百名によるデモに、当局が殴打、連行などで対処したことから、騒ぎが拡大したらしい。
 特に、当局(漢民族)は、銃の発砲はしていないと言っているが、別の目撃者の話では、群衆に装甲車が突っ込み、100人以上をなぎ倒し、その倒れた人々をどこかに運んで行ったそうだ。やはり、圧倒的な武力による、鎮圧をしようとしたのには間違いない。

 ラサでは厳戒態勢が敷かれ、事実上騒乱は収まっているが、チベット人が住む、甘粛省、四川省の一部でも騒乱が起き、四川省では8名ほどの死者が出たという。
 日本人が思っている以上に、チベット仏教は広い広がりと信者を持っており、中国国内や、国際社会では、モンゴル、ブータンなどの対応が注目される。

 また、何よりも、銃器を持たない群衆に、武力弾圧をかけることの非道さは、いずれにしろ非難されてしかるべきだ。

 ことは、チベット独立運動にまで発展しつつあるようだが、チベットには日本円で10兆円を超す規模の鉱物資源があり、中国はそれを手放す気はないらしい。

 中華人民共和国は、成立当初は、旧ソビエトにならって、民族ごとの国家の成立を認め、中華連邦に入るも出るも自由と言う寛容な姿勢だったが、数年をして態度を変え、国民党軍の残党がチベットに逃げ込んだのを口実に、チベットを侵略し、支配下においた。
 その後、数度にわたる、独立運動や蜂起があったが、中国政府はすべて武力で抑えこんできた。その犠牲者の数はいまだにわからないが、49年前のチベット蜂起の際には8万人が殺されたという。

 調べてみたが、「チベット」の範囲は、旧チベット国の範囲を大きく超え、上記の各州、県に及ぶ、「大チベット」と言う概念がある。また、モンゴル帝国(元)の時代、モンゴルはチベット仏教を信仰していたため、今のモンゴルをはじめ、中国国内のモンゴル人にもチベット仏教は浸透している。
 いわば、その総本山での騒乱は、中国国内に波乱の種を蒔いているに等しい。

 中国当局は、力で抑え込み、情報統制で、外部に洩れないようにする意図だが、現実にインドに逃げてきたチベット難民たちの口から、事実が流れている。騒乱前から、目をつけられた人には、繰り返し尋問と言う名の拷問が行われてきたらしい。チベット人が怒るのも当たり前だ。

 今回の事件に際して、日本国内にも、馬鹿げた反応が2つある。
 レイシズムに基づいた、根拠のない中国蔑視の立場から、チベット人に対して、「いいぞやれやれ」と言うような無責任な妄言を繰り返している右翼。彼らはチベット人すら差別するだろうに。
 一方で、中国共産党のドグマに染まり、チベット側を一方的に非難する、現実を見ない古い左翼。

 どちらも、暴力と殺人と言う現実を直視せず、自分勝手な理屈を振り回している幼児のごとき発言だ。

 私は、いかなる弾圧、殺人にも反対する。人権抑圧もそうだ。中国が侵略をしたから、日本の過去の侵略が免罪されるという愚論も聞きあきた。どちらも悪であり、愚かな行為だという見方がどうしてできないのか?そして、自分が銃口の前に立っているわけでもない。無責任な発言は慎むべきだ。

 ここにきて、ダライ・ラマの中国政府との宥和策、非武装活動に、チベット人から反対の声があがり、武装闘争を呼びかける声が強まっているそうだが、そうならないでほしい。またアメリカのCIAが策動し、武器支援などを行うのであろうが、それによって事態は沈静化はしない。より大きな武力での弾圧につながり、また虐殺が繰り返される元になるだけだろう。
 国際社会の支援を待って、武力闘争は避けてもらいたい。

 北京オリンピックを前に起きたこの事件。中国政府は力で抑え込み、何事もなかったように「平和の祭典」を開こうとしているが、それには反対するべきだと思う。オリンピックを開くのなら、チベット人民との対話による解決を図るべきだ。それができないなら、一部の国のボイコットはありうるだろう。日本政府の無関心、無対応(高村外相がコメントした程度)は、アジアの同胞として、あまりにも鈍い。とにかく、人命、人権の侵害には毅然とした態度で批判するべきだ。

 事態がこれ以上悪化しないことを願うが、一時沈静化しても、より大きな騒乱が起きる可能性を秘めている。オリンピックの最中に大暴動が起きたら、中国政府はどうするのか?また、それを防ごうと、チベット人を逮捕、拷問するという人権侵害は許されざることだ。

 対話による解決を切に望む。

チベット問題でのネット署名
Freedom of Tibet Petition
http://www.petitiononline.com/132d32/petition.html

(本日も、ランキング応援、よろしくお願いします。)

posted by 眠り猫 at 03:33| 東京 ????| Comment(4) | TrackBack(6) | 時事

2008年03月16日

中国、チベット「暴動」に思う

 まずは、ニュースから。先にお読みください。
 最新のものはこちら。 http://www.mainichi.jp/select/today/news/20080316k0000m030092000c.html

 数か月前から、断続的に発生している、チベットでの「暴動」。その実情は報道規制により容易に明らかではないが、チベット仏教の僧侶たちが指導しているという。最新のニュースでは、チベットを離れた甘粛省でも暴動騒ぎがあったらしい。

 この行動だけでは、以前の記事で述べたような、中国体制の危機につながる地方暴動だとは考えにくいが、さまざまな不満や不安の暴発の引き金にはなりかねないだろう。

 もともとチベットは第二次世界大戦後、中国がチベットに侵攻し、占領・併合したもので、仏教国家チベットの指導者、現在のダライ・ラマ14世はインドに脱出し、今に至るまで、チベットの復帰とその他の平和活動に精力的に取り組んでいる。

 この、中国のチベット侵攻の様子は詳細は分からないものの、数年前、有名なブラッドピット主演で映画化された、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の映画と原作本(ドイツ人による実話である)を読むと、その一端が垣間見える。

 当時少年だったダライ・ラマに、この亡命ドイツ人は西洋文明の一端を伝え、数年間をともにすごした。
 その終盤、中国軍がチベットに侵攻し、この人物自身はその詳細を見てはいないが、ほとんど近代的軍備をもたないチベットにとっては、逃げるか従うかしか無い状況だったらしい。このドイツ人はその直後にチベットを離れた。
 中国の侵攻後数年たって、チベット独立を目的とした蜂起が行われたが、武力鎮圧され、8万人の死者を出したと言われている。ダライ・ラマは国外に逃亡し、インドで亡命政権を維持している。

 本来、険しい山岳地帯にあるチベットを、中国軍が侵略する根拠は乏しかったと私は思う。たぶん「革命の輸出」を図っていたのだと思う。推測でしか無いが。

 最近まで、チベット情勢は別に不安定では無かった。表面に出ないだけかもしれないが、NHKの「シルクロード」などで、チベットのポタラ宮などがたびたび紹介され、今では外国人観光客も受け入れている。

 ここにきて、チベット仏教による僧侶を中心とした「暴動」が起きている背景には、これも推測でしか無いが、ダライ・ラマが高齢で、今だ壮健ではあるが、次のダライ・ラマを選び出す、チベット仏教でもっとも重要な一連の儀式の時期が近付いているという、危機感が背景にあるのかもしれない。

 ダライ・ラマは、パンチェン・ラマなどと同様に、「生き仏」とされ、転生するものと信じられている。もし、今のダライ・ラマが死亡したら、可及的速やかに、転生したはずの子供を、新たなダライ・ラマとして、チベット国内から探し出さねばならなくなる。ダライ・ラマを否定する中国政府のもとで、この儀式が行われなければ、チベット仏教は、その根底から揺さぶられる。
 その危機感は、国外、国内いずれにしても、チベット仏教徒にとって、極めて重要な問題なのだと思う。


  「暴動」と報道されているが、チベット仏教は、日本の仏教以上に、不殺生を重視する。暴力的な独立運動をしているとは思えないのだが、真相はわからない。平和的デモに催涙弾が打ち込まれ、僧侶を支持する市民が怒り、放火を行ったという説もある。
 いずれにしても、上記の新聞報道を含め、珍しく新華社通信までも、暴動の事実を報じた。ただし、デモ側の暴力、放火などで10名程度が死亡したと伝える一方、アメリカが反中国活動の一部として支援している報道局によると、逆に80人の市民が、中国軍によって殺害されたという。チベット亡命政府は30人殺害と声明で述べている。
 いずれも、思惑のある通信社、声明であるから、死者の人数は未確認であろう。しかし、死者が出たのは間違いないと思われる。不幸なことだし、圧倒的武力をもつ政府側に死者が出たとは考えにくい。

 リンクが切れてしまったので消したが、別の新聞報道によると、戦車が出動したという。発砲の有無は不明だが、これは武力鎮圧である。
 歴史上、根源的な独立志向や、宗教的情念を基にする活動を、武力で鎮圧して、物事が収まった経緯はまずない。かえって反感が拡大して、やがて大きなうねりとなり、独立や、この場合は、新ダライ・ラマの選出を妨害しないという対応が中国には求められると思う。

 インドの動きもわからない。インドが中国に戦争を仕掛けるとは思えないが、かつて国境紛争をした国同士である。チベットの帰属をめぐって、争いの火種となる可能性はわずかながらあると思う。
 となると、双方、核ミサイル保有国である。そこまで発展するとは思えないが、そう考える両政府は、どちらかが自制を失えば、悲惨な結末が待っている。インド国内でもチベット系の人の反発が高まっている。現代は、かつて中国軍が蜂起を鎮圧した1950年代とは違い、ニュースの速度がすさまじく速くなっている。報道規制で抑え込めるものではない。

 現在の中国政府が、武力で直接併合した国はチベットだけだと思うが、中国西部には、イスラム教徒を中心にした、今の漢民族による中国政府とは全く違う文化、民族の人々もいる。彼らは自分たちの生活で自足しており、そのままでは混乱の要因とはなりえないが、たとえば隣接する、旧ソビエトから独立したイスラム教徒の多い国々の方が、中央政府より親和性がある。また、沿岸部の富裕層と比べれば貧しい生活をしているわけで、その情報が伝われば、不満が高まる可能性はある。

 また、中国の核搭載大陸間弾道弾の多くは、これらの西部地方に配備されており(対ロシア用)、取材などの立ち入り禁止の区域が広がるが、そこで暮らしている人々はどう考えているのか、まるで把握できない。

 中国政府としては、批判や反乱の呼び水とならないように、このチベット「暴動」をできる限り速やかに鎮圧しようとするだろうが、そうしようとすればするほど、チベットの人民の不満は高まるだろう。
 いちばんの平和的解決策は、亡命中のダライ・ラマを迎え入れ、その死後、新しいダライ・ラマの選出を妨害しないことだと思うが、中国政府は、今回の「暴動」の背後に、亡命政権がいると決めつけて非難を行っている。愚行であろう。

 どこかで読んだのだが、中国の多くの民にとって、政権と言うのは自分たちとは無関係に変わるものだという、無関心が多いそうである。冗談だと思うが、今だに中央政府は国民党政権だと信じ込んでいる村があるという話も聞いた。だから、清朝のように、満州民族が支配しようと、漢民族が支配しようと、その影響が自分たちに及ばなければ、無関心のままでいるだろうという話である。

 しかし、国内情報が統制されているとはいえ、テレビやネットの発達。国境付近の漢民族ではない民族は、民族、宗教的に親和性のある、隣国から情報を入手するかもしれない。その方が誇張も混ざり、不安要素を拡大するであろう。

 私は現在の中国政府の転覆を願っているのではない。しかし、万が一そうなれば、日本にも大きな悪影響が及ぶ。と言って、武断主義的な鎮圧、抑圧には反対である。その意味で、中国政府が宥和的解決策を見出してほしいと願っている。資本主義を受け入れた政府である。各自治区の独立を認め、連邦共和国への転換を模索すべきではないかと考え、また、核廃棄も同時に行うべきだと考えるが、無駄な望みであろうか。

 なお、朝青龍で有名なモンゴルでも、チベット仏教が広く信仰されている。ことは単にチベットにとどまらない問題になるかもしれない。

(本日も、アクセスランキング、応援よろしくお願いします。なんと、今10位、みなさんからは7位。)
(追記)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080316-OYT1T00024.htm
 この情報からすると、死者は100人に達してもおかしくはない。またテレビで見たが商店のシャッターを蹴破るのに、参加している僧侶もいた。政府側が圧倒的だが、暴力の応酬となっている模様。
 一刻も早く、ダライ・ラマと和解し、彼を受け入れて、政教分離、もしくは一国二制度で、チベットとその仏教の存続を図ることこそ、中国が国際社会で名誉ある地位に就くための道と信じる。こんなことをしていたら、北京オリンピックなどしても、中国への不信は拡大するばかりだ。ボイコットする国も出るかもしれない。

☆思い切って、この記事を、中国大使館に送付してみます。蟷螂の斧であっても。
posted by 眠り猫 at 11:08| 東京 ????| Comment(10) | TrackBack(6) | 時事

2008年03月14日

モラル・ハザード、信じられない大人の犯罪

 個々の事件の具体的な内容をフォローしているわけではありませんので、不正確な記述があったら遠慮なく指摘してください。
 最近の社会面のニュースで、感覚的に以前より多いと思われるのが、中堅幹部警察官の信じられないような犯罪への関与と、同様に私学が多いように感じますが、管理職の教職員による性犯罪です。

 警察官については、「神世界」という、表面的にはヒーリングサロン、実は霊感商法に近い詐欺的行為に、警部という立場の人物が積極的に関与していたり、最近では、警部補が、職務上知り得た、ある女性のトラブルにつけこみ、トラブルの相手側に扮して脅し、さらにその仲裁を装って50万円を詐取するという事件も起きています。他にも数多くあるように思います。
 教職員については、ある学校の教頭が、実は性的な投稿写真のマニアとして、その筋では有名で、自分の学校の子供たちの写真なども多数投稿し、「自分はこの筋の有名人だ」と自慢していたり、直近では、校長(学園長?)が、教え子の女性に、脅迫を含めた関係を強要するメールを、勤務時間内を含めて頻繁に行っていた事件がありました。

 別に私は、警察官や教職は、「聖職である」として、他者よりも高い倫理観や、行動規範を求めるつもりはありません。しかし、普通の人間としても異常な行為を、幹部としての立場を利用して犯罪を行っている様子は、「モラルハザード」と言うべきかと思います。

 昔は、教職員の犯罪でよく取り上げられたのが、暴力教師です。一般に体育関係の教師が指導方法上、不適切な暴力をふるうという事件が後を絶たない時期がありました。
 しかし、今は、そのような事件はあまり聞きません。一方で、厳しい教育のためには、ある程度の体罰を容認する意見も聞かれるようになりました。

 しかし、上記の幹部警察官と、管理職の教職員による犯罪は、前者は職務上知り得た情報や立場を利用しての、悪質な詐欺。後者では、一般の人でも少ないような、性犯罪。以前では考えられないような犯罪が起きています。

 私はこの現象の原因を探ることも、推測することすらできません。やはり、単に一言、「モラル・ハザード」と評するしかないのが現実です。
 しかし、上記の例のどの人物も、決して若くはない。その年齢でその地位に達するまで、それなりの評価を得る仕事をしてきたから、その地位にあるのだと推測します。それなのに、実はだいぶ前からそれらの犯罪を行っていたり、幹部になったから地位を利用して犯罪に及んだりと、最近になって突然始めたというよりは、本質的に、モラルが崩壊していたとしか思えないような事件ばかりです。

 マスコミの取り上げ方、今までは内輪で処理していた問題も、綱紀粛正の波の中で、顕在化している、っという可能性も否定はできません。
 もしぞうなら、昔からこの種の犯罪があったということで、事態はより深刻です。

 これらの人の地位は、キャリアとかノンキャリアとか、さまざまな組織内部の葛藤があって、本人は地位に不本意で、それなら立場を使って、私利私欲に走ろうという心理になったのかもしれませんが、客観的にみると、やはり出世した方で、収入も悪くはなかったと思います。
 それなのに、このような犯罪が頻発する。警察官を信用できない、教員を信用できない。そんな社会では、何を寄る辺として生きて行けばいいのでしょう?

 このほかにも、鳩山法務大臣が、「あれは冤罪では無い」と言い張った、志布志事件における、警察の違法な取り調べなど、上記の事件とはまた別の、警察の古い体質が依然として残っているというような、悪質な事件もあとを絶ちません。
 その一方で、警察官が、地元出身の議員などと、不偏不党を定めた公務員法に違反して、深い関係を持つなど、警察の信頼感を損ねるようなことが多いです。

 警察官はその権力ゆえに、教職員は、まだ自分を守ることが難しい子供を預ける相手であるが故に、他の一般人から見れば、もっともモラル・ハザードを起こしてほしくない職業の人たちです。
 今、表面化しているのが、氷山の一角だとしたら、もはや何を信頼していけばいいのでしょう。
 私は独身中年で、子供を持っておらず、また警察の厄介になることもなしに生きてきました。その私でも不安を感じる最近の事件に、関係する人達は、どれだけの恐怖と不信を抱いているでしょう?

 やはり、厳しい綱紀粛正が望まれるとしか言えませんが、個々の人物がどうしてそんな犯罪に走ったかの、個別の分析もぜひしてもらいたいと思います。
 昔、田中角栄の汚職が問題になった時、国のトップが犯罪を行うことにより、国民の、犯罪への抑止効果が失われるという意見もありました。
 最近の事件は、より身近であるが故に、もっと、犯罪の呼び水になるのではないかと危惧します。

 また牽強付会ですが、産経の花岡客員編集委員の繰り広げている、暴行やイージス艦の衝突事件で、「被害者の方が悪い」という、偏った発言は、これらのモラル・ハザードを助長すると思います。犯罪の加害者の側が、「俺は悪くない」という感覚を持つことの呼び水になりかねない、法律を無視した発言の数々は、法律を軽視する、犯罪を引き起こす人間の増加を招く危険があります。
 花岡氏の言い分は、ドラマや小説に出てくる、強姦犯人たちが、女性に向かって、「そんなヒラヒラした格好で、こんな場所を1人で歩いているのが悪いんだぜ」、というセリフと同じです。自分の責任を転嫁しようとしているだけで、実際にそんなことは、刑罰を課されるうえで、何の免罪にもなりません。「たわごと」です。

 何のための法治国家か?法を守ることの意味は?
 そこから問い直されるべきことと、思います。

(ランキングの応援、ありがとうございます。今日もよろしくお願いします。現状12位。これで十分ですが、気を許すと、2つ下の極右の歴史修正主義者が追い付いてきます。引き続きよろしくお願いします。)

★注意★ 原因は不明ですが、コメントを送信しようとするとエラーになるようです。私がやってもそうなります。ならない場合もあるのですが、以前から見受けられた現象で、プロバイダのサーバーに何か原因があるようです。先日メンテナンスが行われましたが、かえって不安定になったようで。プロバイダに連絡してみますが、どうなるかはわかりません。コメント送信しようとしてエラーになったら、そこでやめて、時間をおいてからお試しください。
posted by 眠り猫 at 00:38| 東京 ????| Comment(2) | TrackBack(9) | 時事

2008年03月04日

不在中の、沖縄少女暴行事件の顛末とイージス艦衝突事件の推移について

 私が出掛ける2週間前前には、沖縄におけるアメリカ海兵隊員による14歳の少女暴行事件と、イージス艦の漁船との衝突事件については、まだマスコミでもかまびすしく取り上げていた。
 旅行中、ネットにふれる環境に無かったので、その後の状況を知ることができなかった。


 まず、暴行事件については、少女の家族の側から、「そっとしておいてほしい」ということで、告訴取り下げになったそうで、海兵隊の兵士は釈放されたが、アメリカ軍の内部では引き続き捜査と訴追が行われるそうである。

 詳細は私はリアルタイムで見ていないのでわからないし、少女とその家族がどのような思いでそのような決断をしたかについてはさらにわからない。

 ただ、事件後、補償金を取るために騒いでいるのだ、という右翼の主張は、告訴取り下げにより、全くの的外れであることがわかった。それにも関わらず、今度は、勝ち誇ったように再度少女をバッシングする右翼の主張は全く理解に苦しむ。
 また、日本国内で同じ事件を日本人が起こしたら、こんなに騒ぎにならなかったとか言う意見もあるが、それこそ的外れ。日米地位協定により、治外法権が認められた米兵の起こした事件だから問題になるのであって、沖縄県民の怒りがわからない連中には口をつぐんでいてもらいたいものだ。
 また、この事件を政治的に利用するなという意見も見かけたが、少なくとも私は、政治的力など持っていないし、また、治外法権を認める、「日米地位協定」の改定を求めているだけで、別に政治利用などしていない。
 逆に、自国民を他国の軍人に暴行されて、その被害者をののしる連中の「愛国心」とは何かを疑わざるを得ない。まぁ、馬鹿は放っておこう。


 イージス艦事故については、事実関係がほぼわかり、一方で被害者は不明のまま捜索は打ち切られた。現在は国会で、石破防衛相の責任追及や、発言の内容の疑義についてに、争点が移っているようである。私はその辺には関心がない。

 この件については、私は、法を無視して、軍艦の航行を優先しようとしたイージス艦が全面的に悪いのであり、正体不明の軍国主義者、クライン・孝子の妄言のように、「漁船が避け無いのが悪い」などという意見を載せる、保守系マスコミの良識を疑うのみである。

 これもまた、私は別に政治利用しようと言うのではなく、悪は悪として、法を破り2名の国民の生命を奪った事件の加害者を非難するだけである。

 まことにわかりやすい意見を展開しているはずだが、物分かりの悪い、と言うか、単なる馬鹿の妄言は聞くに堪えない。よって今後も一層、右翼のこのブログへのアクセスは禁止する。コメント欄の承認制も続けることにする。


 今回の2つの事件で、産経や新潮などの保守論壇のいかがわしさと、そこで垂れ流される、非論理的で、非愛国的な妄言の数々が、これらのメディアの評価を大幅に下げる結果になったことだけは間違いあるまい。それをオウム返しに叫ぶ、無思考右翼どもの軽薄さはそれ以上にひどい。
 まぁ、馬鹿につける薬はないということで、これも黙殺するしかあるまい。

 賛同される方は、ランキング応援よろしくお願いします。

posted by 眠り猫 at 15:07| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事

2008年02月21日

【続報】イージス艦、漁船との衝突、初期発表は嘘

 最初にお詫びを。コメントを多数お寄せいただきましたが、昨日から、なぜか、私のコメントがエラーになってしまいます。お返事を返せず、申し訳ありません。

 イージス艦「あたご」と、漁船「清徳丸」の衝突事故から、ほぼ2日が過ぎた。
 昨日から、海上保安庁による、捜査が「あたご」に入っているが、途中経過だが、防衛省の最初の発表が虚偽だったということが、さっそく明らかになった。

 今朝の朝日新聞の記事である。
http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY200802200430.html
 これによれば、「あたご」が「清徳丸」を発見したのは、事故の12分前、そして確認したのは赤色灯だという。なのに衝突2分前まで、自動操舵装置での航行のまま、突き進んでいたのだと言う。また、「あたご」の艦首部分の傷痕から、左右両方に傷があり、「あたご」は「清徳丸」に」まっすぐにぶつかったということも、わかった。


 12分前に発見していて、それが赤色灯なら、法による回避義務により、「あたご」は自動操舵を切り換えて、手動操舵で回避行動に入るべきであった。当時「あたご」の速度は10ノット。時速に直すと約20キロ弱である。12分前に行動を起こしていれば、事故よりも4キロも手前で、回避行動に入れたはずである。
 それなのに、自動操舵のまま、直進し続けた。これはもう明らかに、昨日私が述べたように、「漁船の方が回避するだろう」、「自衛艦が回避する必要は無い」という、思い上がった考えがあったとしか言えない。


 さらに悪質なのは、事故後、防衛相への報告に1時間半もかかり、その直後の発表では、発見したのは2分前、見えたのは緑色灯のみという、まるで回避義務は「清徳丸」にあったと言わんばかりの内容だった。そしてそれが、防衛省の調査により虚偽だと判明したのである。


 ひどすぎる。昨日の記事では、あくまでも仮説にすぎなかった、自衛艦の「そこのけそこのけ」という態度が、事実として確認されたのである。夜間である。12分前の視認なら、船の大きさはわからない。レーダーはどうだったのか不明だが、ひょっとするともっと大型で大人数が乗った船だったかもしれない。それなのに、「あたご」は直進しつづけたのである。
 これはもう、過失では済まされない、「重過失」または「未必の故意」を適用して、より重い罰を下さねばならない。


 さらにひどいのが、最初の発表が、自己の保身を目的とした、虚偽のものだったことである。防衛相までの報告の遅れは、この虚偽を捏造するための時間だったのか?防衛相に虚偽の発表をさせたということだ。この事実を隠ぺいしようとした行為も、厳しく糾弾されなければならない。


 もう何から何までひどすぎる。
 論評をするのにも怒りに震える。先日の米兵の少女暴行事件の時も怒りは大きかったが、今回は行方不明者を出しており、しかも法の義務を守らずに回避行動をせず、しかも事故後、虚偽の報告を出していたという事実に、自衛隊に対する不信感と怒りは頂点にまで達する。

 事実関係の完全な解明のみならず、自衛隊全体の綱紀粛正、関係者の厳重な処分を行わねばならない。国民からの信頼を失っては、自衛隊は存立しえない。

 海上保安庁が、組織のくびき(非常時は防衛相の指揮下に入る)に捉われず、迅速に捜査を進め、虚偽を暴いた点は評価できる。日本の海防は海上保安庁に任せたいくらいである。

 法を破り、国民を殺す自衛隊など、あってはならない。また、保身のために虚偽の報告をする自衛官などいてはならない。
 この際、徹底的に調査、処分を行い、自衛隊の精神を根本から叩きなおしてほしい。

 さらに、米兵事件、今回の自衛艦の事故があっても、それらに一切触れずに、中国製農薬汚染餃子などの話しか書かない、愚かで売国的なネット右翼どもの正体が、これでわかるというものだ。
 奴らは真の意味での日本人では無い。

(本日もランキング応援、よろしくお願いします。)

posted by 眠り猫 at 06:45| 東京 ????| Comment(5) | TrackBack(23) | 時事

2008年02月03日

中国製餃子、農薬混入事件雑感

 今、外はしんしんと雪が降っています。この調子ではかなり積もるのではないかと思います。日曜日もお仕事の方、足もとに十分注意されるようお気をつけください。

 さて、ここ2日、何かと忙しかったです。私用ばかりですが、まとまった時間が取れず、ブログの更新もできませんでした。
 そのため、亀記事になりますが、中国製餃子、農薬混入事件についての雑感です。


 数年前から続いていた、日本国内での食の偽装事件。一番危なかったのは、消滅した雪印食品の製造工程で、O-157大腸菌が検出されたことでしたか。しかし、それで被害は確認されませんでした。
 今回の農薬混入事件の真相はまだ不明ですが、やはり一番ショックだったのは、被害者が多数出て、うち1名の女児が一時危篤状態になったこと。幸い回復しましたが、一連の食の偽装に続いて、ついに被害者が出た。これが一番ショックだったのではないでしょうか。

 これまで発表されたことによると、製造工程でこのような高濃度の農薬が混入することは無かった思われるとのこと。また、日本での調査でも、同じ餃子でも皮とそこに接していない具の部分から農薬が検出されるなど、製造工程での混入とは思えない事実が報道されています。
 今、誰も表だっては言いませんが、可能性として浮上しているのは、意図的な毒物混入ではないかと言う見かたです。真相はさらに調査をまたなければなりますまい。


 今回の事件で、JTの対応が1か月も遅れたことや、JTの株が、事件公表の2日前に大量に売却されていたなどの副次的事件も起きています。また、最初に被害者が相談した医師や保健所の対応にも問題ありと言う報道もあります。
 これらについては、事実なら、真相を究明して、正すべきは正す方向に向かう必要があるでしょう。
 また、輸入食物の品質管理体制などについても、見なおす動きが出ています。
 しかし、意図的混入だとすれば、全数検査をしない限り防ぐのは難しく、政府は原因調査を待たずに、先走り過ぎではないかと感じます。特に舛添厚労相の、製造元の製品の輸入禁止発言は、原因が特定されていないのに、早すぎる発言でした。原因が分かるまで、一時輸入中止ということはわかりますが、輸入禁止というのは、「中国製食品への不安」を煽るだけの、先走った発言です。


 いずれにしても、死者が出なくて不幸中の幸いであることと、これを契機に、各種体制が整備されるのは、良いことだと思います。
 ただ、気になることが3点ほど。

 1つは、「中国製」ということで、またぞろ産経新聞に代表される、右派メディアが、「日本を狙った中国のテロ」っとい報道をしている点です。また、同じく産経で、実際には中国のネットの中で、「日本人は虚弱体質」という書き込みがあったというネット記事に、なぜか、「人民日報、日本人は虚弱体質」という、デマの見出しを付けたことなどです(数時間後に修正されましたが)。

 今回の件は、まだ原因は不明ですし、意図的混入だとしてもその目的などは分かっていません。それを、さも中国という国全体で日本を攻撃しているかのような報道はいただけません。日本のネット右翼の方がもっとひどいことを中韓に対して毎日書き連ねています。
 これは、右翼メディアが、中国を仮想敵国として、今後の軍拡の口実に使おうという反中国キャンペーンの一環でしょう。


 2つめは、意図的混入にしろ、製造工程での誤っての混入にしろ、かつて日本でも、帝銀事件や、森永ヒ素ミルク事件。近くは、薬害エイズ、肝炎事件などや、その他の公害などが起きているということで、そのたびに、管理体制が見直され、薬害について以外(薬害は厚生労働省の利権体質が遠因だから)は、日本では品質管理体制が進歩してきた経過があります。
 日本の戦後の経済発展は目覚ましいものでしたが、今の中国のそれは、さらにスピードが速い。その過程で、日本でも起きたような事故・不備は起こりうるということを前提に、今後の対処を考えるべきでしょう。ただ中国の悪口を言っているだけでは何も改善しません。


 最後に、現場のことがわからないので、確たることは言えないのですが、中国に製造拠点を持っていったことについて、単に経費節減のための目的であったのなら、日本の企業も責任があります。報道ではどうやら、材料の栽培過程から、品質管理を指導してきたということなので、額面通り受け止めれば、やるべきことはやっているということなのでしょうが、経済性優先のあまり、安全性を犠牲にしていなかったか?これは、日本の企業側が問われる問題です。


 とにかく、今は真相究明が第一。そして、再発予防策の実施。これが最優先で、まだ真相もわからないのに、反中国感情を煽るような報道は控えるべきでしょう。
 また、この数日、マスコミは新事実が出ないにも関わらず、狂ったようにこの事件を報道し続けました。どうも国会の問題から目をそらさせる意図があったように感じます。
 私たちはマスコミしか大きな情報源を持ちません。しかし、その内容を額面通りに受け止めないこと。そして、センセーショナルな報道の陰には何かがあることを疑ってかかるべきでしょう。

 雑駁ですが、今回の事件については、当面はここまで。
posted by 眠り猫 at 05:38| 東京 不明| Comment(3) | TrackBack(6) | 時事

2008年01月16日

日経平均株価、14000円割れ 景気減速懸念

 普段は、苦手な経済記事は書かないようにしています。
 また、株価の話が、即日本経済の実情を反映しているとも限りません。
 しかし、ここに来て、日本の東京市場の日経平均株価が、暴落ともいえる下落をしているのは、景気の先行きを見る上で、大きな懸念材料でしょう。

 日経平均株価は、正月休み明けの4日の大発会から下げ基調で始まり、心理的抵抗線といわれた15000円、14000円の壁を簡単に破り、昨日は、13972円で引けました。
 原油高、円高の急激な進行、アメリカの景気先行き不透明感から、10日ほどの間に、1000円以上もの下げを記録し、2年2ヶ月ぶりと言う安値をつけました。

 今朝4時の時点での、NY市場でも、株価は下げており、また円高は1ドル106円台まで急激に進行しています。

 昨年1年間も、年初よりも年末のほうが安い値で終わるという展開で、そこからさらに下げているのです。
 円高の原因は、アメリカの景気減速懸念があります。実際、アメリカの雇用統計など、各種の経済指標は、明らかに景気減速を示しています。サブプライムローンによる金融市場の混乱による株価下げとは違い、最近の下げは、アメリカのバブルに近い景気が、落ち込み始めたのではないかと言う懸念から始まっています。同時に、同じ理由で円高が進行し、日本の現在の基幹産業である、輸出企業の収益悪化が取りざたされています。

 マスコミは、このあたり、事実を報道するだけで、論評を避けています。
 しかし、実際には、対米輸出を中心とする日本の産業は、アメリカの景気が下向けば、売れ行きは鈍りますし、円高により、為替差損が発生し、収益が大幅に減ることになります。
 つまりは、アメリカの景気減速は、直接、日本の景気減速になるということです。

 日本では、上記、輸出関連産業と金融機関と言う、コイズミ、安倍、福田の出身派閥の利権の基である企業のみが繁栄を謳歌してきました。その間、労働者の平均世帯収入は9年連続で下がり、最近は、穀物、原油の値上げで、食料品や石油製品の値上げが相次ぎ、家計を圧迫しています。国民生活は政府の大本営発表的な、「景気は緩やかながら拡大を続けている」っと言う言葉とはうらはらに、苦しい家計を強いられ、内需はとことん落ち込んでいます。

 この状況下で、さらに景気が減速し、不況という事になれば、国民生活はさらに圧迫されます。
 しかし、自民党は、社会保障と消費税上げ一体論を掲げ、社会保障の充実のためには消費税を上げることを容認しろと言う、勝手な理屈を展開しています。
 軍事費、道路財源、様々な自民党議員の利権にかかわる問題に手を付けず、そこからの財政再建に踏み出さずに、消費税上げを迫るのは、筋違いと言えるでしょう。

 今後、アメリカの景気後退が本物になれば、日本経済は逼迫し、税収も下がり、国民の生活は真っ先に犠牲にされるでしょう。
 そうしないためにどのような手を打つのか?消費税上げは、絞った雑巾から出た水でまたその雑巾をぬらすようなものだという事に、何故自民党は気づかないのでしょうか?

 既存の利権構造に手を付けないで、国民生活のみに負担を強いる政策は、国民にも見えてきています。今次通常国会で、自民党が出してくる税制案は、その実際の是非は別としても、国民からは猛烈な反発を受けるでしょう。
 過去の消費税上げの際も、福祉目的税と言いながら、そうしてこなかった自民党。
 国民はもう騙されないでしょう。
 次の衆院選がいつになろうとも、自民党の議席の大幅減は間違いないところです。

 国民の人気を取ればよいとは言いません。しかし、手を付けるべきところがまだ残っているにも拘らず、利権構造を温存するために、国民に犠牲を強いるやり方が、通用すると思っているのが不思議です。

 やはり、政権交代を視野に入れての国会論戦で、自民党の「だめっぷり」を明らかにしていく必要があるでしょう。大連立などと言う、自民党の延命策に、うかうかと乗っている場合ではありません。民主党にも厳しい姿勢が求められます。
 通常国会での議論を注視しましょう。
(この記事は民主党に送付します。)
posted by 眠り猫 at 04:11| 東京 ????| Comment(2) | TrackBack(4) | 時事

2007年11月21日

人の皮膚から、万能細胞。医学上の大発見。

 今日は政治に関する記事ではありません。
 ネタとしては、元仙台防衛施設局長が、額賀財務相による、特定業者の工事入札への口利きを暴露したなど、額賀財務相に関して、防衛疑獄に関する新しい証言や証拠が次々に出ているという状況がありますが、個人的には、こちらのニュースの方がすごいと思ったもので。

 京都大学の研究チームが、人の皮膚から、「万能細胞」(ips細胞と呼ばれる)を作り出すことに成功したというニュースです。
 少し解説すると、人の肉体は細胞で出来ています。細胞には、皮膚、内臓、筋肉その他、いろんな種類があります。今までの細胞培養技術では、特定の臓器から取り出した細胞を培養して、その臓器と同じ性質の細胞の塊りを作ることは出来ましたが、それは臓器そのものではなく、また、移植に使えるようなものでもありませんでした。

 そこで研究されていたのが、ES細胞です。研究の多くは、受精卵が、細胞分裂を繰り返して、数多くの器官を持った人体になるので、そこにES細胞のカギがあると考えられて、研究が進められてきました。
 ES細胞が実現すれば、その人の体のどの部分でも培養することが出来ます。移植用の臓器なんかも本人用のが出来てしまうので、移植して、拒絶反応を起こす心配もありません。

 と言うことで、ES細胞の研究が盛んに行われてきましたが、先年は、韓国で、論文とデータをでっち上げて、ES細胞製造に成功したという教授がいて、それがばれて、国民から大変な怒りを買ったこともあります。

 今回の京都大学の研究チームの成果は、ES細胞と同じ性質を持つ、ips細胞の製造に成功したというだけでもすごいのですが、それが、人の皮膚から作れるということが画期的です。今までは受精卵から作ると言う研究が一般的だったので、倫理、宗教面で問題がありました。それらの問題をスルーしてしまう、画期的な発見です。

 これで、内臓の病気の患者の皮膚から、ips細胞を作り、その内臓と同じものを培養して、移植するという可能性が開けました。四肢にまで適用できるかどうかはわかりませんが、可能性は開かれます。

 これはノーベル賞ものの大発見になるわけで、これにより移植治療が飛躍的に進歩する可能性を秘めています。そして人類の寿命はさらに延びるでしょう。
 まだ、ips細胞の製造だけで、具体的に内臓の培養などは行われていませんので、今後はそちらの研究がまだ必要ですが、20年後にはどうなっていることやら。

 でも、お金のある人や政治家だけが、こういった技術の恩恵を受ける結果になりそうで、そこらへんは何とかして欲しいですが。
posted by 眠り猫 at 03:35| 東京 ????| Comment(1) | TrackBack(4) | 時事

2007年11月14日

株式市場の反発は一時的との見方

 今朝の東京市場は、アメリカでの株式市場反発を受けて、上昇している。10時現在で300円弱の反発である。
 しかし、これは単にアメリカ市場の流れを受けての感覚的上昇に過ぎない。
 なぜならば、アメリカ市場の反発は、サブプライムローンの焦げ付きを抜いても、アメリカ国内の内需は堅調であるという判断に基づくものだ。

 それに対して、日本は、内需の冷え込みが極端になっているため、アメリカと同じ理由で反発することは、いわば虚妄の上昇であって、経済の実態を反映していない。

 事実、反発の価額も、いまひとつ勢いに足りない。
 この後、下げ後の反発での利益確定売りも出て、一本調子での株価回復には至るまい。
 私は、日本の株式相場に、極めて悲観的である。

 何よりも内需が極端に冷え込んでいることである。そして、日本の外需のけん引役は中国市場であるが、中国バブルの崩壊は数年以内に確実といわれている。
 である以上、今は株式投資の時期では無いと考える。

 虚業である、証券会社の虚言に乗って、投資をするのはやめておいたほうが良いと思う。
posted by 眠り猫 at 10:00| 東京 ????| Comment(3) | TrackBack(2) | 時事

2007年11月12日

日経平均株価、朝から350円下げで始まる。

 経済オンチなもので、普段はあまり触れないことですが、もう大分前から、アメリカにおける低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題で、NY市場を中心に株価が不安定な動きをしていました。

 先週には、NY市場で、今年3番目と5番目になる300ドル台の下げ幅を記録し、その後さらに250ドル近く下がって、先週の取引を終えました。13000ドル台割れ目前と言われています。

 日本は、政府や財界がはやし立てる、景気回復の中で、他国の株式市場に比べて、株価が割安であると証券会社が主張して、7月頃の株安の頃から、国内個人投資家の買いを中心に、株価が回復していましたが、またサブプライムローンの悪影響を受けて、株価が下落し続けています。今朝は寄付きから200円近い下げで、その後下げ幅が拡大し、350円近い下げとなり、平均株価で15200円台まで下がっています。

 これは、単に、アメリカの市場に連動して下がっているのだけではなく、この土日の間の報道で、サブプライムローンの焦げ付きによる損失が、年金資金を運用する、国内の企業年金組合で、この3ヶ月で損失が2%以上も出たということや、野村ホールディングスが、750億円近い減益となる見通しなど、サブプライムローンの悪影響が、国内経済にも具体的な損失を及ぼしたことがわかり始めたことが原因でしょう。

 簡単に、この問題を解説すると、「サブプライムローン」とは、アメリカの金融機関が、低所得者向けに、審査が甘いが、利率の高いローンを貸し付けていたことが基本にあります。
 そのローンは、利率が高いので、償還する権利が、世界中の金融機関の金融商品(投資信託とか)の中に組み込まれて販売されていたのが、アメリカで住宅建設が頭打ちになり、またサブプライムローンが未返済が増え、焦げ付いたため、資金回収が出来なくなり、世界中の金融機関の収益に悪影響を及ぼすことが懸念されていました。
 土日の国内の報道は、その悪影響の具体的なケースが出始めたことを示すもので、今朝の株安もそれを受けてのことでしょう。

 この3ヶ月、日本市場から海外機関投資家が離脱し、その後を日本国内の個人投資家が埋める形で国内株価は伸びてきましたが、それが一気に暴落していることになります。

 特に、この数年の「団塊の世代」の大量退職で、その退職金が、株式市場や投資信託に流入していたわけですが、これで、個人にも大きな損失が生じかねない状況になっています。
 このままの状態が続けば、アメリカ経済が失速し、アメリカのバブル崩壊を招くかもしれませんし、日本国内では、団塊世代の内需への投資が少なくなるわけですから、景気に悪影響を及ぼすでしょう。

 諸外国では、政策金利を高止まりにして、貯蓄を増やさせる政策を取っている国もあります。しかし日本は景気回復を口実にした極端な低金利政策で、企業だけに美味い汁をすわせ、国民は貯蓄をして目減りするばかりでした。そして、新自由主義に基づき、「自己責任」で、株式市場や、投資信託を奨励しました。

 その悪のつけが回ってきつつあるのです。
 政府は、日銀による介入も含めた、政策を発動し、株価を支えるべきですし、金利をいつまでも低金利に据え置く政策はもうやめるべきときにきています。
 大企業優先のと言うより、癒着した企業だけ優先の経済政策を止めさせ、国民の生活に密着した経済政策を取るべきときが来ていると思います。
posted by 眠り猫 at 10:02| 東京 ????| Comment(3) | TrackBack(4) | 時事

2007年11月11日

若者達へ〜正社員にはなったけど

 今日の対象は、40歳前後から下の人達。バブルの頃の大量採用で、会社に正社員として入った人たちへのメッセージです。
 私から見れば大分後輩に当たる年齢層ですが、バブルの頃だけでなく、私の会社では、無能な人事部門のために、バブル崩壊後も5年間ほど大量採用を続けていました。

 しかし、この結果、どうなったかと言うと、それまでの人事ローテーション、昇進速度に大きな変化が生じました。
 それまでは、現場で3〜5年勤務したら、本社に行き、そこで経営に関する仕事についたものでしたが、大量採用の結果、このサイクルがまわせなくなりました。
 結果的に、採用の時は、「君達は幹部候補生だ」といわれていながら、実際には、40歳になるまで現場をたらいまわしされる人も多く出てきました。
 また、同期が多すぎるので、全員を昇進させることができず、結局全員の昇進速度が遅れる結果になりました。当然賃金も上がりません。

 私の会社はまだそうでもありませんでしたが、バブル崩壊後、企業はリストラや賃金引下げで収益を出していました。バブル期の採用の人はこの波をもろにかぶりました。
 「約束が違う」と言って、やめてしまう人もいましたが、それは会社側の思う壺でした。

 一方で、バブル崩壊後、ようやく大量採用をやめたバカな人事部門は、今度は採用を極端に減らしました。その結果、現場では若い人材が足りなくなり、仕事の仕方や技術情報、テクニックの継承が出来なくなり、会社の運営に支障を来たすほどになりました。

 なんて馬鹿なことでしょうか?
 バブルの頃、会社は経済の無限拡大と言うありえない夢に踊って、大量採用をし、バブルがはじけると、今度は極端な人減らしに走りました。先見の明の無い、愚かな企業経営者や、人事部門のせいで、多くの若者が、不本意な人生を歩いています。

 それでも正社員なら待遇は良いかもしれません。ですが、転勤など、住むところも会社の命令で変えられ、自分の好む仕事にもつけず、会社側の身勝手な論理に振り回されているのが実情です。自由さで言えば、フリーターの方がよほど自由です。

 大量採用された人たちも、その後の人減らしのために正規採用されなかった人も、全て、会社の無能を原因とした事態によって、幸福になれずにいるわけです。
 こんな社会に誰がした?企業とそれが支持する自民党です。バブルを引き起こしたのは中曽根内閣での規制緩和が発端でした。正社員になれない人、なっても思うような仕事が出来ない人に、「自己責任」の言葉で罪を着せ、政府や企業の責任を回避してきたのはコイズミ政権です。

 こんなことをされても、まだ新自由主義に基づく自民党政治を支持しますか?右翼の理屈で外国の悪口を言っていれば物事は解決するのですか?
 違うはずです。
 今回の小沢代表辞任騒動の時、虚報を垂れ流し、世論をミスリードしようとしたのは、読売新聞と産経新聞でした。こいつらの言うことをいつまで信じているのですか?

 若者達よ。次の選挙で、君達の怒りをぶつける相手は自民党であることに気づいてください。
 政権交代で、ホワイトカラーエグザンプション(残業代0法)を進める、偽装請負をしていた経団連会長の御手洗などの、政治家と癒着した企業の関係にも、メスが入れられる可能性があります。
 もう騙されないで。
posted by 眠り猫 at 03:58| 東京 ????| Comment(5) | TrackBack(3) | 時事

2007年11月10日

若者達へ〜辛いのは君達だけではないよ

 「若者達へ」。こう銘打ちましたが、実際には、50がらみの私の前後の世代以下の人々に関しての記事です。
 ただ、今日のメインは、バブル崩壊後の、「就職氷河期」と呼ばれた時代に、企業の見通しの甘い採用戦略の犠牲になり、能力がありながら、普通の年なら採用されてもおかしくなかったのに、正社員就職ができず、不本意な会社に就職したり、派遣労働者になったり、フリーター、ニートと呼ばれる生活をしていたりする人向けの記事です。

 これらの人々が、全て右翼だとは私は思いません。ただ、目立つ発言は注目される。その結果、ブログランキングでは、ひたすら、中国韓国の悪口を言うだけの、全く生産性の無いブログが上位にいたり、30代のフリーターが「戦争待望論」を述べたりしていることが報道されています。

 しかし、私はここで、若者達に言いたい。
 苦しいのは、辛いのは君達だけではないんだよ。
 たとえば、私の世代も就職が厳しい時代だった。でも、私は運よく大企業の正社員になれた。
 しかし、そこは東大にあらずんば人にあらずと言う組織だったし、東大出身ではない私は、過酷な仕事を連続して押し付けられ、30代半ば過ぎで過労うつ病を発症し、その後は降格されたり左遷されたりで、散々な人生を送らされてきた。病気が理由で、見合いもできず、結婚できないまま、50歳を過ぎようとしている。

 大企業の正社員になることだけが幸せでは無いという典型が私だ。
 でも、私は、今は次の夢に向かって走り出している。細かくはいえないが、家のローンが片付けば、早めに退職して、新たな事業を起こす気で準備している。

 そこで、若者達に言いたい。
 戦争を待望しても、君達がヒルズ族になれるわけではない。当たり前のことだ。
 また、中国や韓国を差別し、誹謗、中傷しても、それはちっぽけな自我を満足させるだけで、何も生み出さず、君達の生活が向上するわけでもなんでもない。いわば、麻薬か、マスターベーションみたいなものだ。

 そんなことよりも、夢を捨てないで欲しい。大企業の正社員になることだけが人生じゃない。他にも職業はたくさんあるし、芸術家や、実業家を目指す事だって可能性はある。
 先日、ライブハウスで、世界中を回っているジャズバンドの演奏を聴いた。決して売れているわけでもなく、CDも自主制作、ジャケットは手製の紙でCDをくるんだだけのものだった。
 だけど、かれらの演奏技術は確かで、そのライブは楽しかった。金持ちにはなれずとも、好きなことをして、生活費を得ながら、世界を回って旅をしている。そんな姿はとても素敵だった。

 「実業家」と言っても、IT長者のことではない。ただの自営業者かもしれない。でも、一国一城の主として自分の才覚で事業をする。そんな可能性も君達には残されているはずだ。
 1人で出来なければ仲間を募れば良い。
 すべての若者に可能ではないかもしれないが、世間の陰で、マスターベーションをしているよりははるかにやりがいのある生き方だと思わないかい?

 人を蔑み貶めて、一時的に自分が偉くなったような錯覚に陥っているだけで、実際には何も現状は変化しない日々を漫然と過ごして年老いて行くのかい?

 君達はまだ若い。可能性がある。あとはやる気だけだ。
 ただ、世の中を恨み、愚痴をこぼし、他人の悪口を言っているだけでは、何も生まれないぞ。

 もう一度、自分の行き方を考えてみて欲しい。

 まぁ、これでも見てください。
 http://jp.youtube.com/watch?v=QByawy3fUqI&mode=related&search
 「落ち込むな!くよくよするな!」

 明日は、「正社員になったけど」と言う題で記事を書きます。
posted by 眠り猫 at 04:40| 東京 ?J| Comment(4) | TrackBack(3) | 時事

2007年10月05日

L&G、「円天詐欺」にひっかかる人達

 私としては、珍しく、政治以外の時事の話題を取り上げたい。
 それは、健康食品販売会社、L&Gに対し、出資法違反及び詐欺の疑いで強制捜査が入っている、「円天」生活と言う、詐術についてである。

 既にほとんどの方が、ご存知だろうが、一応、この「円天」生活のシステムについて簡単に触れておこう。
 まず、出資法違反を免れるため(無理だが)、「役務提供金」と言う名目で、L&G社に、出資する。
 すると、この出資金に対して、36%の年利で、利子がついてくるという。さらに、出資した金額と同じ額の「円天」と言う電子マネーが、「毎年」携帯電話に振り込まれる。1000万円出資すれば、毎年360万円の利子がつき、さらに、毎年1000万円分の「円天」が手に入るというのである。
 「減らないお金」と称して、この「円天」を使えるのは、各地の催し物会場で開かれる「円天市場」であった。
 強制捜査の入る数ヶ月前から、この異常さについて、マスコミで報道されていた。

 結局、集めた金を支払いに宛てるという、自転車操業で、破綻したのがこの商売であるが、私が問題にしたいのは、この詐術にひっかかる、無防備と言うより、無知で愚かな人々の方である。

 考えてみればよい。もっとも有利だがリスクもある投資信託で、金利は5%程度である。どこをどうやれば、年利36%などと言う金利が想像できるのか?さらに、「減らないお金」と言う円天システムについて、なんら疑問を持たなかったのだろうか?
 通常の判断力、中学生レベルの経済知識があれば、こんなものに引っかかるはずは無い。「おれおれ詐欺」は、判断力の鈍った老人を狙ったものであるが、この円天商法は、通常の主婦を中心に被害者が多い。

 私は、このような人々こそが、B層であると考える。
 B層の定義に、「知能指数が低い」と言うのがある。まさに、こんなものに引っかかる人は知性を疑う。さらに、B層は、劇場型政治や、マスコミの煽りに簡単に騙される。基本的に騙されやすい人々なのである。
 俗に、詐欺は「騙される方が悪い」とも言われる。もちろん騙す方が悪いのは確かだが、こんなに明白に胡散臭いものに、5万人もの人が引っかかっているのを見ると、騙される方の知能にも問題があるといわざるを得ない。

 愚民思想として、評判が悪い、B層批判だが、確かにそのような階層の人が存在するのは、この事件でも明らかだと思う。
 B層は確かにいる。舛添を首相に、などと言う、ばかげたことを言う人が10%もいるのである。(そもそも参議院議員は首相にはなるのは非常に稀だ。これは高校レベルの知識だが。)

 私は、コイズミ郵政選挙のように、このような、無知蒙昧な人々の投票行動で、悪政が圧倒的に支持されてしまうということに恐怖する。
 B層対策と言うものは、残念ながら無い。政治的には、コイズミと同様に、彼らを騙して支持させてしまうのが手であるが、それでは本質的解決にはならない。
 私達がいくら声を張り上げても、B層はまずこんなブログを見にも来なければ、新聞すらテレビ欄程度しか見ない人々なのである。
 絶望に近い感情を抱かざるを得ない状況である。
posted by 眠り猫 at 03:32| 東京 ????| Comment(12) | TrackBack(4) | 時事

2007年08月29日

アフガニスタン韓国人拉致事件解決へ

 このブログでも以前取り上げた事件なので、結果を報告する義務があると思いまして簡単なメモを。
 アフガニスタンで、タリバンに拘束されていた韓国人グループが、残り19人の生存者は全員解放と言う合意に達したとのニュース
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070829AT1C2800C28082007.html
 韓国政府がどのような条件を飲んだのかは不明だが、平和的に事件が解決に向かったことを素直に祝いたい。まだ、具体的な解放には至っておらず、最後まで安否を見守りたい。

 前の記事の際、「一次情報源に触れていないならレベルが低い」と言いがかりをつけられたので、日本語版ではあるが、韓国の新聞のニュースも貼っておこう。
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=90652&servcode=100&sectcode=110

 安倍政権だったら、「自己責任」を主張して、アメリカの言いなりに、「テロリストとは交渉しない」と言って、見殺しにするんだろうな。
posted by 眠り猫 at 07:54| 東京 ??| Comment(5) | TrackBack(0) | 時事

2007年08月04日

【お題】アフガニスタンでの韓国人グループ拘束に見る、派兵の危険性についてどう思うか?

 今日は土曜日なので、今日から明日にかけての「お題」です。
 当面この「猫の教室」では、海外の話題なども取り上げていきます。以前の「お題」へのご意見は、それぞれのエントリーのコメント欄にお願いします。

 さて、今日の「お題」は、「アフガニスタンでの韓国人グループ拘束に見る、派兵の危険性についてどう思うか?」です。「どう思うか」ですから、回答を求めるものではなく、各人の見解を表明してくだされば結構です。

 この事件は、2週間以上前、アフガニスタンで人道支援を行っていた韓国のクリスチャンのグループ23名が、旧アフガニスタン政権「タリバン」の武装勢力に拘束されたもので、当初、タリバンは、アフガニスタンに派兵している韓国軍の撤退を要求としていました。
 その後、グループのリーダーであった牧師の1人と男性もう1人が殺害され、遺体が発見されました。
 タリバンの要求は、韓国軍の撤退から、アメリカ軍に拘束されているタリバンのメンバーの解放へと変化していきました。
 その間、拘束されている韓国人達は衛生、栄養状態が悪く、病気になっている者もいると言う情報が流れています。
 日本では、参院選の報道の中で、あまり大きくは扱われていませんでしたが、もし、これが日本人だったらどうでしょう?以前のイラクでの日本人拘束事件の時のように、安倍や右翼は、「自己責任」と言うのでしょうか?

 現在、韓国政府は、アメリカに特使を派遣し、タリバンとの交渉に柔軟に対処するように求めています。つまり、捕虜釈放を検討するように言っているようです。
 一方で、韓国軍の撤退は既に時期が明示されており、それをしゅくしゅくと進めるという立場です。
 物理的にいきなりの撤退は困難でしょうし。

 アメリカは、自国民のことなら神経質ですが、今回は実際にはアメリカ人が見下している韓国人なので、「テロリストとの取引には応じない」と言っています。

 さて、この事件に関して、まずは平和的解決が為され、人命がこれ以上奪われないように祈念するものです。
 そして、まず、この事件を参考にして、もし日本が派兵していたら?っと言う疑問を持つものです。
 安倍は、昨年末の訪欧の際に、NATO軍幹部の前で講演し、「アフガンは日本にとっても生命線」、「派兵をためらわず」と言ってきたことと、防衛庁の防衛省への昇格に伴い、中近東方面への派兵を前提とした、4000人規模の「中央即応集団」(別名、「テロ即応集団」)と言う部隊を3月末に編成したと言う経過があります。
 もし、日本が派兵していたら、今アフガンで20年来医療支援と水源確保への技術支援を、全くの手弁当で行っている、中村哲医師などの身が危険に曝される可能性が高かったと思います。
 かつて、故・福田首相の時、日本赤軍によるダッカ・ハイジャック事件で、日本赤軍の幹部の釈放要求に対して、福田首相は、「人命は、地球よりも重い」と言って、「超法規的措置」(流行語になりました)により、重信受刑者らの日本赤軍幹部を釈放し、人質解放にこぎつけました。国際的には「弱腰」と非難されましたが、日本国内では、受けは悪くなかったように記憶しています。

 さて、もし、今回、日本が派兵していて、同じ状況になった場合、安倍はどう対処するでしょうか?多分、アメリカの言葉通りに、「テロリストとは交渉しない」と言い、拘束された人を「自己責任」と言うのではないかと思う次第です(過去の発言からするとそうとしか思えない)。
 果たしてそれが許されるでしょうか?私は、やはり、「派兵しない」ことこそが、戦争・紛争も拡大させず、このような事態も招かないと信じています。ですから、安倍の「集団的自衛権の行使」を口実にしたアメリカの尖兵となって、世界中で戦争が出来る体制作りには強く反対するものです。
 また、マスコミもこの件をもっと大きく報じ、安倍政権がたくらむ軍事的政策の危険性に警鐘を鳴らすべきだと思います。

 アメリカは、タリバンを「テロリスト」呼ばわりしていますが、実際にはソ連のアフガン侵攻後の混乱と、その撤退により無政府状態になったアフガニスタンで、軍閥同士の戦闘が長期化していた中で、国民に食と教育を与えて、アフガニスタン国民の支持を得ながら勢力を拡大し、政権を握ったのがタリバンでした。つまり国際社会の承認は得られていなかったものの、国民にとっては、正当な政府に近いものだったのです。
 政権掌握後のタリバンは、イスラム原理主義に基づき、イスラム法など、厳格な宗教的支配を行い、そこには軋轢もあるのですが、長年の戦乱に疲弊したアフガニスタン国民にとっては、まだしも受け入れられる存在でした。

 それを、アメリカのブッシュ・ネオコン政権が、9.11の首謀者とする、アルカイダの拠点がアフガニスタンにあり、タリバンがそれをかくまっている、っと言って、アフガニスタンへの侵略的攻撃を開始したわけです。  
 ですから、タリバン=テロリスト、っと言うアメリカの主張は、口実に過ぎず、根本的に誤っているのです。
 戦争で金儲けをするブッシュが、9.11後の国内世論に乗って起こした戦争であり、アメリカこそが「国家テロ」の主導者と私は考えています。

 ですから、今の「テロリストとは交渉しない」と言う、ブッシュ政権の強弁は、アメリカとの交際費的に派兵した同盟国(国連軍ではなく、アメリカの自己正当化の隠れ蓑としての多国籍軍)の国民の命を危険ならしめているアメリカは、速やかに捕虜釈放に応じるべきだと考えています。

 また、日本も、テロ特措法により、インド洋での海上自衛隊の活動が、アメリカ軍を支え、アフガンニスタン空爆の爆撃機の発進する空母の燃料にもなっているのです。
 民主党が、テロ特措法の延長阻止を貫いてくれることを念じています。

 以上が私の見解です。皆さんもご自由に意見を表明してください。
 逐次のコメント返しはしませんが、眼は通させていただきます。今回に限っては長文も可とします。

(追記:コメント欄で、エレッサール・テルコンタールさんからの指摘を受け、文中のタリバンに関する表現を少しだけ修正しました。記事の全体的意図には無関係なので、気になさらないでください。詳しくはコメント欄をどうぞ。)
posted by 眠り猫 at 10:42| 東京 ????| Comment(36) | TrackBack(14) | 時事

2007年07月21日

【実話】:柏崎市在住の友人からのメール

あと1週間。投票はお済みですか?貴方の一票